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ドラゴンの卵

私を再び夢の世界から引きずり出したのは、飛竜の鳴き声であった...


「ぐぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!」


うぅ...

レイシアさん..まだ起きる時間じゃないでしょ...いや、違う...ここは、飛竜の巣の真下。私はあの時アスシリスに連れてこられて、飛び降りて...


私は寝かせていた体を無理矢理起こし、辺りを見渡した。


「ぐぁ゛ぁぁぁぁあぁぁ!!!!」


聞き覚えのある飛竜の鳴き声がそこら中に響き渡り、起きたばかりの私の目を覚ますのには十分であった。


これ...もしかして、あのアスシリスの鳴き声。もしそうだとしたら今度は確実に殺される。

どうにかして逃げないと...


私の目の前には同じ様な木々しかなかった。後ろにはアスシリスの巣と思われる、少しカーブがかかった大きな壁があった。

逃げるとしたら多分前しかない。魔物の森の中...ちんたらしてたらアスシリスに気づかれちゃうし。


私は起きたばかりの身体を無理矢理起動させ、全速力で前の森へと走り出した。


あれ?なんか私、凄く足早くなってない?


それは5歳児の、しかも箱入り娘をしていた私の走れる速度ではなかった。明らかにアスリートレベルの速さで走っている、しかも5歳児の足の短さで...


まぁいいか...


私は考えるのをやめた。そもそも日本の常識で考える方が間違っている、魔物やステータスとかいう物が存在する世界で、そんな常識が通用するはずがなかったのだから。


数分間走り続けた後、私はあることに気が付いた...


剣、何処かで置いてきちゃった。


私は進化して、ある程度魔法攻撃を覚えたが、MPには限りがある。そんなにバンバン打てるようなものではない、そのためにも純粋な物理攻撃の補正をしてくれてたあの剣は絶対に必要だと考えていた。だが、もう遅かった。今から戻ってもアスシリスに見つかるリスクを上げるだけだし、そもそもどこに置いてきたのすら分からない。諦めるしかなかった。


少し落ち着いたところで私は今後のことに付いて考えるため、適当な草むらに隠れて、考えることにした。私の推測が正しければここは魔物の森、そこら辺で突っ立って考えるわけにも行かなかったのだ。


えーと。取り敢えず、目標としては帰還だよね、お父様達に心配かけたくないし、できるだけ早く家に帰った方がいい。まぁそれくらいかなぁ...


そう考えた私であったが、あることを思い出した。〖鑑定〗である。


鑑定さんは確か、進化した時にLv5に上がってたはず。これなら色々と調べられるかもしれない。


私は意識を集中させ、鑑定さんを使った。先ずは〖ステータス閲覧〗に。


【特性スキル〖ステータス閲覧〗万人の力量を把握することができる。この力を手にできる人間は実在しておらず、神や神に近しい存在が持ち合わせている神の目。1000年前、この力を手にした生命体が地上に降り立ったというが、数ヶ月もしないうちに邪神に殺されたという。】


この力を手にできる人間は実在しておらず...だと!ここにいるではないかぁ!なに私のこと人間じゃないみたいにいうわけ!まぁそうなんだけど!!心はいつまでも人間だから!!!

それに神ってなに!?私は神に近しい存在ってこと?そんなはずはない!だって昨日Eランクに上がったばかりのザコだよザコ!!自分で言うのもなんだけど...

それに、私も邪神に殺されるのかなあぁ...


予想外の色んな事を知ってしまったが、能力に関しては予想してたとおりみたいだね。

続いて、何とかスキル〖竜神〗かな、あの謎の男の子も私の事をこう呼んでたし、絶対なにか大変な物に違いない。


【--スキル〖竜神〗偉大なる**の力の一部。この世に存在する自分より劣る竜を従える事ができる神の力。自分の従者の潜在能力を引き出し、進化の可能性を与えることができる。更に、自分と従者が獲得する経験値量を2倍にすることができる。また上位、中位の竜種の攻撃力を大幅に減少する事ができ、下位の竜種の攻撃を無効化する事ができる。】


これだぁぁぁあぁ!!ついでみたいに言ってるけどこれだよ!昨日の戦闘で私が全然ダメージを食らわなかった理由!Fランク上位の赤ちゃんアスシリスなら十分下位の竜種の部類にはいる。これで謎は解けたな。下位、つまりF、Eランクの竜種の攻撃なら無効化できるってわけか。ってことはC-のアスシリスの攻撃も大幅に減少できるってことか?でも私とのステータス差考えたらこんなスキル持ってても、一発K.Oされる可能性が高い。やめておこう...

あとは神の力とか何とかと、経験値2倍チートか。ちょっと読み取れない所もあったけど、その内読めるようになるっしょ。

はい次!


【称号スキル〖神の卵〗偉大なる*****に**を託された存在に与えられる称号。必要経験値を大幅に減らし、人の身で進化の可能性を得ることができる。】


また偉大なるなにか!!これ竜神の時の説明も偉大なるなにかだったけど、同一人物なのか、これ?まぁそれはいいけど必要経験値を大幅に減らすかぁ。まぁ赤ちゃんアスシリス5体倒しただけで進化できるまでレベルアップ出来たのは不自然だと思ってたけど、まさかこんなチートスキルが発動してたなんて。


でもまぁこれで一通り調べたかった謎スキルは確認できたかな。あとはここがどこで、どうやって出るかって所だね。取り敢えずどうしよう、近くの木にでも鑑定さん使ってみようか。なんかわかるかもしれないし。


そう考えた私は、近くにあったかなり太めの木へと目を向き、意識を集中させた。


【デルラジア大森林にある木。この木の上にはドラゴンの卵があり、焼いて食べるとかなり美味しい。】


卵だって!?あの木の上に...焼いて食べると美味しい...考えたらお腹すいてきた、昨日の昼からなにも食べてないんだった。成長期の子供の身体には結構キツイ。

そんなことより〖デルラジア大森林〗ってどこよ!?


【〖デルラジア大森林〗アーデルジア帝国、最北端の魔物が生息する大森林。危険度の高い、Cランクモンスターが目撃されるその区域は、第三危険地帯とされており、余程の物好きでない限りこの地に足を踏み入れる事はない。】


やっぱりここ危険地帯だったのか。あのアスシリスかそれ以上の化け物がうじゃうじゃいるってこと!?無理無理、そんなの私にどうしろというの!!それに誰かに見つけてもらうのも難しそう、そんなに人が頻繫に来るような場所じゃないし...


私が考え込んでいると、さっき調べた少し太めの木なにか大きな物音がした。私は少し低めに立ち上がり、身構え、何があっても逃げ出せるような体制をした。私は目を細め、物音がした方へと目を向ける。そこには半径30センチ程ある大きな卵が転がっていた。私は身構えながら、恐る恐るその卵に近づいていった。私はその卵の前で立ち止まってると、卵にひびが入り、少し動いた。


これ、もしかして、あのドラゴンの卵なんじゃぁ...っていうかそれしかないよね..これどうしよう..


私は戸惑ってる中、右手を伸ばし、その卵に手をかざした。その瞬間卵のひびが広がり、割れてきた。私にどうするか考える時間は当然なく、中からクリーム色のドラゴンが出てきた。


「くぁぁ!!」


その全長は50センチ程度で私よりも低く、金色のつぶらな瞳をしていて、とても可愛らしかった。生まれたばかりの身体で器用に2本脚で立っており、両手を大きく上げ、私に何かをアピールしているようであった。更に、両手、両足からは3本の爪がはいえており、かなり強そうな印象を受ける。


【名前を付けますか?】


なにこの声?鑑定さんや〖ステータス閲覧〗に似たような声なのに、何だか違和感がある。それに名前を付けますかって?


私は身構えたまま、その小さなドラゴンへと意識を集中させ、ステータス閲覧を発動させた。


--------------------------------------

 種族:ベビードラゴン

 状態:通常

ランク:F

  LV:1/5


  HP:14/14

  MP:7/7

攻撃力:11

防御力:9

魔法力:10

 速度:11


通常スキル:

〖かぎ爪:Lv1〗〖突撃:Lv1〗


耐性スキル:


特性スキル:


称号スキル:

〖竜神の配下:Lv--〗

--------------------------------------


称号スキル〖竜神の配下〗って...もしかして、私の従者ってやつになったってこと!?

変な儀式とかさせられるんだと思ってたけど、私なにもしてな...くもないかもしれない。産まれる前のドラゴンの卵に手をかざしたり...そもそもこの子が一番最初に見たのが私なら、私の事をお母さんだと思ってるのかもしれないし...


「ぐわぁ、ぐわぁ」


甲高く、可愛らしい鳴き声を上げるベビードラゴン。それは5歳児の心を掴むには、十分な要素だった。


この子、私の配下になっちゃったんだし、私が面倒みるしかないよね。でも、家に連れていけるかわからない。


【名前を付けますか?】


名前かぁ。この子に相応しい名前...この子が安心して暮らしていけるような環境。それはこの子が生まれたこの地しかないのか?いや、違う、皆に認めさせればいいんだ。この子はいい子だって!強い子だって!そうだ!この子の名前、確か昔、私がまだ立花麗奈だった時代の事、何処かの国の言葉で名声を意味する言葉を誰かに聞いたような気がする。確か『ロス』だった気がする。この子の名前、『ロス』にしよう!どこの国だか忘れちゃったけど、確か名声だった気がする。この子にはそんな、皆を認めされるような子になって欲しい。


「くぅぅ!!くぅぅ!!」


ロスはその両手を大きく上げ、その甲高い鳴き声で再び鳴く。私はその鳴き声に負け、かがみこみ、ロスの頭を微笑みながら撫でてやった。


そんな風に少し油断していると、私の右側の方の茂みから何かかなり大きな物音が聞こえた。それと共に少し低いうめき声のようなものがきこえてくる。魔物だ。姿は見えないがこの威圧感、間違いない。アスシリスの時に味わった〖咆哮〗よりはだいぶ弱いが、少し似たようなものを感じる。

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