パーティを組もう
そうだ!
仲間を探そう。
参加を決めたは良いが一つ問題が。
知識もコミュ力も無い俺がぼっちで参加って、相当敷居高くない?
例えばクエスト受けるためにギルド行くとするよ?
「あ、あの、デュフ。拙者その、デュフフ」なんてコミュ障会話を繰り広げては、進行に支障が出るのはわかりきっている。
いや、俺の事だから入り口付近で地蔵の如く立ち尽くしてチラチラ見てるだけの可能性のが高いか。
そんで一日中他の参加者に見つからないように隠れるようにしながら隅っこで携帯弄って時間が過ぎるのを待つ自分の姿が想像できる。自分で言ってて悲しくなるくらいのダメ人間だな……
そうならないようにするためにはどうすれば良いか?
仲間だ。仲間が居れば何とかなる!
何かミスったとしても「いやぁ、違ってたわ。ガハハハ」と笑い話風に話せる相手が居れば何とかなる。多分……
まずは仲間探しから始めるか。
しかし簡単に見つかるか怪しい。
オタクだから異世界やファンタジーが好きな友人は多いけど、いきなり誘って来るだろうか?
知ってるアニメやゲームのコラボカフェでもライブでもないわけだし。
不安ではあるがとりあえず聞いてみないと始まらないし、不定期にゲーセンで開いてる格ゲーの対戦会の時に友人に声をかけてみるか。
☆ ☆ ☆
対戦会当日。
8人の人が集まった。メンツは全員昔からの顔なじみだ。
まぁ対戦会と言ってもこうやって身内で集まってわいわいやってる程度だ。
メルティブラッド。12年くらい前にはどこのゲーセンに行っても確実にやっている人が居て対戦が発生する位の覇権ゲームだったが、今ではもう廃れ気味だ。
対戦会は適当に飽きたら他のゲームをやって、お腹が空いたら皆でメシがいつもの流れだ。
聞くなら食事時だな。誘うのは後回しにして一緒にゲームを楽しんだ。
「へい、こんなイベントがあるんだけど、良かったら一緒に行かない?」
ゲームに飽きた俺達は適当なラーメン屋に入った。
注文を終えてから俺は知り合いにイベントのHPを見せていく。反応は思ったより悪くない。
「面白そうですね。良いですよ」
友人Mが仲間になった。
友人M、彼とは格ゲーで知り合ってかれこれ7年近い付き合いになる。
ゲーセンやカラオケ等、普段から色々と行動を共にする事が多い。
身長が190以上あるので、どこかで集まる際にはいつも目印代わりに使われている。
なお、いまだに彼の本名を俺は知らない。
「へぇ、面白そうじゃん。俺も行く」
友人Sが仲間になった。
友人S、ゲームで悪役として出て来そうな顔をした女子小学生を名乗る男だ。
彼とも格ゲーで知り合ってかれこれ10年近い付き合いになる。
お互い忙しく、彼と会うのは2,3ヵ月に一回程度である。
もちろん彼の本名も俺は知らない。
思ったよりもすんなりと同行者が見つかった。
一応参加費や宿代がかかる話もしたけど、問題ないようだ。
若いころと比べて金銭的に余裕がある。おっさんになって良かったなと思った瞬間だった。
こうして俺はパーティを結成した。