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ザイカオクサツ~吉野翔太の怪事件ファイル2~  作者: 広田香保里
罪4 永久の零を望む者達
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答えは現実に

 目の前に秀介がいた。

感覚で分かる。

これは夢だって。

自分にとって都合の良い事を言うだけの。

俺の夢でしかない。

ずっと気になってる事はあった。


俺を恨んでるのか?


秀介。


答えはいつも違ってる。

違うって言って来たり。

その通りだって言ったり。

俺の気持ちで返って来る答えが違うだけ。

だけど今。

目の前の秀介は何も言わない。

お前を救えなかったのは事実。

だから俺は繰り返したくないって願った。

だけど何も変わらなくて。

足掻いて来たのは、秀介の2つの手紙を見て。

俺を恨んでるって思ってるから。

由佳にはあんな事言ったけど。

これは俺にとっての罰な事に違いは無い。

秀介はそれでも何も言わなかった。


 ……。

天井は明るくなってて。

俺はPCPの拠点で寝てた事を思い出す。

楓は起きたままモニターを追ってて、拓さんも来てた。

……テロ現場の復旧目途が立ったか、こっちに回るだけの余裕を無理矢理作ってくれたんだろう。

結局。

自分でケリをつけるしかない。

俺の本心なんだろう。

例えここで生き返った秀介が現れたって。

俺は多分そうすると思う。

楓に状況を確認する。

「阿武隈川愛子を捜索しているわ。久遠、館華が未だに逃げ回る理由があるとすれば、恐らくだけれど黒の御使いを自分達の手で裁こうとしている可能性しか考えられないわ」

 俺達にも分かるような、目に見えた犯罪者。

今迄の行為も計画にあったかもしれないけど。

本当の理由は黒の御使いを殲滅する事だと仮定したら。

今までの逃走はそう見せかけるだけのブラフで、メンバーの位置を特定するためって考えれば辻褄が合いそうだ。

「そうね。それに、メンバーの詳しい場所を知っていそうな人物は松本大河と阿武隈川愛子」

 松本はもう拘束してる……。

「その通りだ」

 由佳を起こす。

こうなれば由佳を頼りに情報を聞き出すのも手だと考えるから。

寝起きの由佳には悪いけど、これは由佳にしか頼めない。

由佳以外だったら無理だろう。

「分かった……。 ちょっとだけ待って」

阿武隈川愛子を狙ってるんだとしたら。

情報を聞き出す為って考えて行動する筈。

だったらまだ殺害されてない可能性もある。

「阿武隈川愛子を一連の事件の最中に見つけたなら、奴らの行動範囲の中に痕跡がある筈だ」

「それに。既に拘束している可能性もあるわね。であれば、何か不審な動きが無いかを見る必要もありそうね」

 買い出しに行ってたらしい華音ちゃんが戻って来る。

「早くして頂戴。さっき起きた時に説明はした筈よね?」

「うるさいです分かってますインテリビッチさん」

 あからさまにイラっとしたような表情の華音ちゃん。

何だろう。

楓ってここの女子に嫌われてないか?

なのに何だかんだこうして連携が取れてるのは疑問だ。

頭を切り替える。

黒の御使いを奴らが狙ってるのは納得が行く。

阿武隈川愛子を狙う可能性がある事も。

狙いは明確だろう。

だけど別に狙いがあるんじゃないだろうか。

奴らは最初から黒の御使いを狙ってただろう。

その為の準備をしなかった訳は無いと思う。

だとしたらだ。

何でわざわざ阿武隈川愛子を狙う?

そこだけが引っ掛かる。

阿武隈川愛子を狙ってる確証がそもそもある訳じゃ無い。

「皆さん。これ……この映像……」

 華音ちゃんが見つけた映像には、2人の影が戦ってるような映像。

補正をかけて拡大し、見て分かるような映像が、事を急ぐべき状況なのを示唆する。

館華星と阿武隈川愛子に、久遠正義。

初めて映像で捉えた久遠。

「直ぐに現場に向かわせよう!」

「ここから絶対に2人の居場所を見つけます!」

「翔太、行って来るわね!」

「どこからここへ来たのか、私は追いかけるわ。殺していないのであれば、戻るべき拠点がある筈よね」

 ……だとしたら尚更納得が行かない。

黒の御使いのメンバーは、ネットのページで何とでも推測がつく。

そのメンバーを探す為にあれだけ派手な移動をした。

阿武隈川愛子を拉致する。

他のメンバーを探す以外にも何か狙いがあるとすれば?

両小指を絡め、手を口元に当て考える。

こんな凶悪な事件が立て続けに起こったとなれば、夜間出歩く人は極端に少なくなるだろう。

尚且つ、テロと狙撃で多くの警察は動けなかった。

そして、楓から聞いた館華星の言葉。

……この状況で仕事以外の目的を持って動く人物がいるのなら。

黒の御使い等の犯罪者と。

俺達だろう。

急いで由佳に電話する。

念の為に姉ちゃんと一緒に行くように。

『分かったわ翔太!』

 これで由佳はとりあえず大丈夫だろう。

それに。

日中は黒の御使いも動かないと仮定するなら。

狙うべきは夜。

いくら先手を取れても、黒の御使いだってそう易々と捕まりに行くとは考えにくい。

捕まえるならここだろう。

かなりのリスクを冒して来てる今。

電話が鳴る。

PCPに設置した固定電話。

……。

静かにそれを取る。

『おはようございます』

 ここの番号はネット上に掲載してる。

だけど今このタイミングで依頼の電話は無い。

予想はしてた。

『吉野翔太さん、ですよね?』

 館華星。

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