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ザイカオクサツ~吉野翔太の怪事件ファイル2~  作者: 広田香保里
罪4 永久の零を望む者達
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自悪のメッセージ

 確認出来た限りで既に5か所の爆発。

いや、もっと多いかもしれない。

連続狙撃事件が。

既に前座でしか無かった。

『翔太君か?』

 大規模な爆発が起こった事を簡潔に告げる。

『こっちにも連絡が来ている! この規模、もう久遠正義と見て捜査をした方が良いだろう』

『翔太? ……まだ捕まえきれてないわ。車の移動が無くなってるみたいだから、地下に逃げたかも……』

 やっぱり……。

何かしらの手段で追って来る事を奴らは計算に入れてたんだろう。

不審者の情報は警察にも伝えたし、捜索もしてた。

だけど、常に動いて標的を狙い続ける状況で、不審者を突き止めて追跡しきる事が現状不可能な事を。

奴らも分かってたんだろう。

黒の御使いの事件でもそうだ。

奴らは犯罪のプロだ。

何が一番重要かを分かってたんだろう。

行動の速さをどうしても上回れない現状で。

最悪の状況が始まろうとしてる事を確信する事しか出来ない。

スパーン。

……。

姉ちゃんに頬を思い切り引っ叩かれる。

「PCPに早く行かないとまずい事位分かってるでしょ」

 深呼吸する。

どれだけの規模の爆発が起こってるのか。

皆目見当もつかないけど。

奴を止める。

頬の熱さが今は救いだった。

爆発に巻き込まれた人物が無関係の人物の可能性だってある。

これはメッセージなのかもしれない。

私は悪になったって言う。

久遠からの。



 事件に巻き込まれる事を止めてたあたしが。

最後の1押しを当然のようにしたのは。

直感でこいつにしかもう止められないって思ったから。

犯罪って言うのに対して。

こいつはいなくちゃいけない存在だって。

楓が翔太に目を付けた理由が分かった。

昔の自分に似てたからだろう。

それで、出来ない事を出来る翔太に。

どんな道を進もうが翔太の勝手だけど。

危ない道を進んだって。

死ななきゃ良い。

PCをそのままにして行くのは慌て過ぎだけど。

……。

まあ、暇だし。

何か見つけられたら良いだろう。

あたしはいつの間にか食べ終わってる食器を片付け、PCに向かう事にする。



 信じられない光景が画面に広がってた。

前の警視庁の時に1回見たのに。

それでも目を疑うような光景だった。

大きな財閥だろうか。

倒壊したビル、一軒家。

それらが同時に爆発したんだろう。

翔太さんの連絡から、由佳さん達と確認をして今20件を超えてしまってた。

SNSは、今やっと炎上が始まった位。

この時間ラグの間にも、犯人は次の行動を起こす為に動いてるんだろう。

「動機、目的の推測は意味が無いわね。久遠正義と館華星を探す方が早いかもしれないわ」

 桜庭さんは、気の遠くなりそうな役割を自ら買って出る。

「このビル……館華財閥ってまさか……」

「館華星の家族が関わっている財閥ね。あの事件以降、衰退しているのは知っていたけれど。手を下したって所かしら。 ……彼女自ら」

 もう、家族だろうが関係無いって事だろうか。

翔太さんが入って来る。

「爆発現場は、もう25を超えてるわよ! ……こんなに多くの場所を1度になんて」

「私はこの現場の復旧を手配するわ。自衛隊も来るとは思うけれど、財閥からも協力を募っておくわね。久遠はお願いするわね? 翔太君」

 翔太さんは頼むとだけ言い、爆発現場のモニターをじっと見ている。

桜庭コーポレーションは無事みたいで良かった。

犯罪をしてないと認識したのか。

或いは潰す価値も無いと判断されたのかは分からないけど。

翔太さんは追い込まれてるようには見えなかったけど、何を考えてるのか読めない。

その間にも1つ、また1つと倒壊した建物が見つかって行く。

この規模からして、もう一般の人まで巻き込んでしまってるんだろう。

怒りが何故か込み上げる。

久遠は翔太さんが探してる。

このまずい状況で役割を被る事がどう言う事か位、私だって分かる。

館華星。

盲目になった原因を家族に作られ、殺されかけたって聞いてる。

そんな人が。

何でこんな事をしてしまうのか。

久遠なんかに。

どうして協力してるのか。

私は館華星を探す事にする。

殺人によって救われたから?

だから殺人を肯定するのか。

……考え方を変えよう。

多分、闇雲に探したって見つかりっこない。

そうしようと思ったのは、境遇が私と少しだけ似てると思ったから。

館華星になり切って考えれば、答えが出るんじゃないだろうか。

今分かってる事を整理する。

ライフルを使って、犯人がすぐに特定出来るような方法で殺人を犯した。

それなのに、何度も車を変えて逃走を繰り返してる。

その後に同時爆発。

流れとしてはこんな所だろう。

この先、逃げるつもりは無いんだろう。

だったら。

何をすればゴールになるのか。

そのゴール地点が分かれば。

対策が打てるかもしれない。

「多分、奴らは最後に死ぬつもりなんだ」

 え?

翔太さんの言葉に、思わず振り返る。

翔太さんのスマホが鳴る。

何故か優子さんからの電話だった。

『ここも、何かあったみたいよ』

 人里離れた場所の映像がモニターに映る。

私は目を見開く。

そこは。

『ここでも爆発が起こったかも』

「ここって……」

忘れもしない。

『知ってる場所なの?』

 トランプ館だったから。

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