表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ザイカオクサツ~吉野翔太の怪事件ファイル2~  作者: 広田香保里
罪5 半紀を超えしモノ
104/108

大切な友

 翔太君から、吉野章と言う刑事の名前を聞かされる。

捜査資料を隅々まで確認したが、そんな刑事の名前はどこにも無かった。

翔太君らPCPの功績が認められた為、全ての情報をPCPに公開する事は既に許可されている。

その資料には無かった刑事の名前。

官野の日記、更に翔太君から聞いた情報を基に考えるなら、刑事の名前が抹消された可能性は考えられる。

だが、どこかにその捜査資料が残って無いか。

今それを調べて煮詰まっている状況だ。

吉野章が自分でその資料を持って行った可能性はある。

だが、無罪になったのは少なくともその証明がされたからだろう。

秘密結社ヨシノが解散になったのもそう考えれば辻褄が合う。

警察自体に闇があった事に愕然とせざるを得ない。

……。

だが、味方の刑事が誰かいたんじゃないのか。

翔太君の話を聞き、それが私は引っ掛かった。

警察が正義の職なんて言わないが、吉野章がまっとうに仕事をしている状況で味方がいないとすれば、周りの警察は全員が警察の闇に関わっていたって事。

そんな状況で警察を続けて行けるのかが疑問だ。

そもそもその刑事が無実を暴いたところで秘密結社が解散になる事はほぼ考えられない。

刑事の苗字と秘密結社の名前が同じって事も気になる材料ではある。

……これらの情報を組み合わせるのなら。

恐らく結論は1つなんだろう。

捜査資料が見つかれば、証拠として挙げるのは難しいまでも、推理に信憑性はある。

吉野会の資料にこの情報が載ってたのなら。

……。

柳生さんに確認する必要がありそうだ。

翔太君は今風舟村にいる。

だから柳生さんに少なくとも会っている。

その状況でこの話で終わってるって言うなら。

……兎に角当時の捜査資料を探せば。



 人通りは全く無い。

運転免許を取った真白にトラックで送って貰う。

真白がいなくて叔父さんしかいない状態だけど、姉ちゃんが手伝ってるから問題は無い。

って言うか姉ちゃんはペーパードライバーだから運転が出来ないって言った方が良いか。

「喜ぶと思う」

 真白に振り向く。

表情からは何も読み取れない。

健文に会う事で、前に進みたい。

自分の過ちに喜んで飛び込めるようになりたい。

「翔太は何もしてないのに、何で過ちだって思うの」

 これが過ちじゃないって思う事が間違いだ。

子供だったから。

知らなさ過ぎた。

俺は救いたいと願ってたのに。

結果秀介も健文も犯罪を犯したけど。

犯罪なんて何でしたんだって想いと救えなかった後悔が常に絡む。

「過ちじゃないのを、過ちって思えるかって事?」

 そうかもしれない。

刑務所に着く。

看守は真白を見て直ぐに案内してくれる様子で、真白が何回もここに来てる事が分かる。

案内された先の部屋。

真白は部屋に入らず、外で待ってるそうだ。

頭を丸刈りにしたのは罪の意識か。

榎田健文。

「久し振りだな。翔太」

 健文は穏やかな表情で俺を見てる。

体が硬くなるのを隠せなかった。



「元気でやってるか? 翔太」

「ああ。 ……お前も元気そうで良かった」

「壊したくないものがあったんだ」

「俺もそれは同じだった」

「……だよな」

「俺を恨んでるか? 健文」

「誰も恨んでねーよ。皆、変わらずにここに来てくれたり、手紙をくれる」

「お前みたいに、過去によって苦しんでる人達から救いたい。犯罪を0にしたいって願ってる」

「そんな事……出来る訳」

「お前で2人目だった。親友が犯罪を犯すのは」

「……」

「1人目は自殺しちまった。 ……そう言う意味ならお前を助けられたかもしれないけど、犯罪を犯させたくない」

「だからあんだけ動いたんだな。あの時のお前は」

「ああ……」

「今は何やってるんだ?」


 健文にPCPについて簡単に説明する。

「黒の御使いともう1つの事件はここでも噂になってた。 ……まさかお前が関わってるなんて思わなかった」

PCPの監視システムと警察がうまく連動させ、犯罪0を可能にしてみせる。

健文は目を閉じ、俺に問いかける。

「もしもあの時PCPのシステムがあったら、翔太は俺を止めてたか?」

 健文の犯罪は、麻薬密輸を抑えれば変えれたから。

迷い無く頷く。

「あの時は推理で当て切った。それを視覚化したって事だよな」

 見方を変えればそうかもしれない。

だけど、犯罪を防ぐ為の行動な事に変わりはない。

「もし、出所したら」

 何だ?

と健文に問う。

「俺も協力させて貰っても良いか?」

 思っても無かった言葉。

「同じような境遇にある人を救いたいって願いだ」

 健文も思う所があったんだろう。

俺は頷く。

「皆、変わってたろ?」

 そっか。

健文も変わりたいって願った。

だけど、変わらない関係。

犯罪を0にしたいって願いを持った人物の集まりがPCP。

1人でも増えてくれれば。

けど、元犯罪者はどうか。

「……やっぱ、ダメだよな」

 出所した人物が改心してない可能性だってある。

だけどここで俺1人が決められる事じゃない。

話し合ってみる必要がある。

「分かった」

 その後は他愛も無い事を話した。

学校の事や由佳の事。

感じてたわだかまりを解くように。

きっと秀介とだって。

こんな風に話を出来ただろうって思いながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=173247957&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ