ゆりかご
私はひとり
ゆりかごを編む
蚕の繭のような
真っ白な 汚れのない
ゆりかごを
私はひとり
ゆりかごを編む
鳥の和毛のような
やわらかく 優しい
ゆりかごを
そのゆりかごで
見る夢は
きっとあたたかい夢
母の子宮の夢
その中では
すべてが許される
穢れも
涙も
恥も
傷も
過ちも
すべて すべて
許される
(ああ 私は眠りたいのだろうか?
許されたいのだろうか?)
答えられないまま
答えすら分からないまま
私はひとり
ゆりかごを編む
あたたかい夢を見る日を
夢見ながら