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コドク  作者: ぱーっぱらー
4/6

まだ学園生活じゃなかった

もう由愛の用心棒けん召使を始めて二ヶ月経った。


今では家事が全て出来るようになった。特に料理に特化した。


3日後に学園へ編入となっている。楽しみだ。


由愛が学園に言ってる間ずっと家事をしていた。掃除は未だに苦手だが、それでも結構出来る部類になってる。


「初めなんて食べられたものじゃなかったのに、、。」


俺の成長ぶりに驚いている。


「俺に掛かればこんなもんよ」


「凄いわ。本当に。」


褒められて悪い気はしない。寧ろうれしい。


「家の中も外もピカピカだし、どんなマジックを使ったのよ、、」


暇な時間を使って家事以外のことも挑戦してみた。


塗装技術などなど。


「褒めろ褒めろ。褒めて伸びるこだから。」


調子に乗った。


「調子に乗らないで、もうちょっとで学校よ。」


怒られてしまった。


「楽しみだ。」


不適に笑う。


「なによ、気持ち悪いわね、、」



夜は大抵本を読む。ジャンルは様々。最近はSFを読んでいる。


特に筒井康隆と言う作家がマイブームだ。


だいぶ昔の作家らしい。


人間の心理を凄く精緻に表現している。読んだだけで人の心が解りそうだ。


「恭介、私はもう寝るわ。」


由愛はそれだけ言うと自室に戻っていく。


三時間くらい本を読んだ所で眠くなってきたので寝る事にする。


すると由愛の部屋のほうから声がした。


「まだ起きていたのか?」


由愛は大抵12時くらいに寝る。


それが三時近くまで起きてるのはおかしい。


近づいて盗み聞きしてみる。


ドア越しなのでよくは聞こえないが耳を凝らす。


「きょ、きょ、、け。た、すけて、、」


何とかそれだけ聞き取れた。とにかく由愛が助けを求めていたのはわかった。


しかし、鍵が閉まっている。鍵を探す暇が無いので、俺はドアを蹴る。


「こんな事に時間食ってる暇はねえんだよっ!」


ドアがぶっ飛ぶ。


「由愛!大丈夫か!?」


由愛はベッドの近くで倒れていた。


「恭、、介」


弱弱しく言う。


「どうしたんだ?由愛」


俺は由愛をお姫様抱っこする。


パジャマ越しでも伝わる熱。


「熱いな、、。」


異常な熱。


こんな場合どうすれば良いのか俺にはわからない。今まで病気にかかったことがない。


「くそっ!何でこれについて勉強しなかったんだ!?」


悔やむ。二人暮らしで看病の知識がないと何かと不便なのに!


「悔やんでる時間もねえ!由愛、ベッドに寝かせるぞ。」


俺は由愛をベッドに寝かせる。熱が高すぎる。


「タオルを使わせてもらう。」


俺は急いで濡れたタオルを由愛の首筋に当てる。額のほうが良いのかわからない。


前に読んだ本に首筋にタオルを当て熱を下げると言うことがスポーツ本かなにかに書いてた気がする。



「これで良いのか?」


一応由愛に聞いてみる。


「ええ、でもおでこにもタオルをあてて。」


俺はもう一枚濡れタオルを用意する。


「これで良いか?」


「ええ、ありがとう。寝てれば直るわ。」


いや、病院行けよ。今は深夜だから無理だけど。


「明日にでも病院行くぞ。もしかしたら重い病気かもしれないだろ。」


俺は言う。


「嫌よ!絶対、それは駄目なのよ、、。」


、、?明らかに反応がおかしい。


「駄目だ。無理にでも連れて行く。」


「、、、わかったわ。」


諦めたのか観念したように言う。


「今日はここで見ておく。お前無茶するからな。」


「ありがとう。」


由愛は疲れたのか眠りについていった。


俺は寝る事ができないので本を読んで過ごす事にする。


タオルを変える必要もあるしな。



朝になった。由愛はまだ寝ている。


熱は多分下がってるはずだ。


俺は今のうちに食べられやすい料理を作る。


「確か、風の時は粥と相場が決まっていたな。」


本で読んだだけだが。


十分くらいで出来た。簡単だったが味はわからない。


一応味見をしてみる。


「塩がほしいな、、、。」


病気の時に塩分とって良いのか?確か、、塩分についての記述はしてなかった。


「塩を入れたほうが圧倒的にうまいな。」


何倍も美味しくなっていた。


米だけじゃあれなので、梅や、シソなどを入れる。


食欲があるかわからないが、食べれない事は無いだろう。


最近咳きなんてしてなかったから風邪ではないと思うが、、。



無理のし過ぎだろうな。



部屋に戻ると、夢が起きていた。


「大丈夫か?」


「まだちょっと気分が悪いけど、ましよ。ありがとね。寝ないで看病してたんでしょ。」


知っていらっしゃった。


「良いんだよ、お前が苦しそうなのを放って置くほど男として腐ってないぜ。」


「ほんと、良い男よ、恭介は。」


、、、。冗談で言ったつもりが誉められるとは。


「これ食べて元気出せ。」


俺は忘れていた粥を机の上に置く。


「ありがとう。後で病院に行くわ。」


「わかった。用意しておく。」


俺は由愛の服などをある程度準備する。


由愛は朝が弱いから、俺が用意する事はしょっちゅうあった。


「私服で良いよな。」


いつもは制服なのだが、今日は学園を休ませるつもりだからな。


俺は由愛に似合う服を頭の中でイメージしイメージにあった服を選んでいく。


この能力を使うのも久しぶりだ。ここに来てすぐの時は由愛のためにしてたっけ。


「今日はこれだな。」


熱が出てるのであまり厚着にならないように選ぶ。


今は冬だ。半そでは流石に駄目だ。


俺はいつもの服で良いとして。(スーツ)


「ここに着替え置いておくぞ。」


それだけ言うと部屋を出る。


「今のうちに病院の場所を調べておくか。」


生憎結構近い所にあった。ここの立地良すぎね?


「道は把握したが、金は要るのか?」


無料って事は無いと思うが、、


一応この二ヶ月で稼いだ金を全部持ってくことにした。



「行きましょ、恭介。」


着替えた由愛が部屋から出てきた。


「ああ、わかった。」


俺はしゃがむ。


「なに?」


「おぶってやる。」


「じ、自分で歩けるわよ!」


「駄目だ。病気が悪化したらどうする?」


俺が譲らないと悟ったのか遠慮気味に背中に乗ってくる。


こんなとき胸があたってる!?とか言うらしいが、由愛は胸が無い。


そう思ってると、後ろからしばかれた。


「小さいうるさいわよ!」


なぜ心を読む。


「それじゃ歩くぞ。」


病院に向かってるときに視線を感じたが、なぜだろう。由愛が美少女だからだな。


病院は大きかった。それはもう施設とまでは行かなくても、でかかった。


「受付はどこだ?」


「あそこよ。」


由愛が教えてくれた。


俺は急いで受付に行く。


「すまん、ここが受付であってるか?」


「はい。どんな症状ですか?」


「熱が出てる。後ろのチビだ。」


怒られると覚悟をして言う。



「体温計を渡しますね。それからこの項目に当てはまる所をチェックしてください。」


紙を渡される。


「金は要るのか?」


足りるか分らないので聞いてみる。


「いえ、今は医療は全て無料です。」


なんでも、新しい改革で決まったらしい。


「助かるな。今見てもらえるのか?」


「いえ、診察は順番です。」


当たり前だろと言う風にこっちを見る受付。


「す、すまん。」


なぜか謝ってしまった。


「由愛、座るぞ。」


後ろで頷く。


「この変な紙は俺にはわからんから由愛が書いてくれ。」


「分ったわ。」


相当参っているのか、口数が少ない。



書き終えると、熱を測り受付に持っていく。



「しばらく座って待っていてください。診察時間になるとお呼びしますので。」


と言われたので座って待つことにする。


「いつから調子が悪かったんだ?」


「昨日よ。」


何でだよ、、


「原因は思い当たるか?」



「無いわね」


「お前規則正しいからな。」


正直無理をしてると言っても、それほど体調に出るくらいの無理はしてないだろう。


「見神楽さ~ん。診察時間です。」


と、時間が来たので一旦中断する。


診察室には俺も入る。


診察室はベッドやらなんやらいっぱいだったが。


「今日はどうされました?」


初老の男が言う。


「ちょっとした熱よ。」


由愛が言う。


「最近急に新しい病が流行ってましてね、もしかしたらその病かもしれませんので一応そのベッドに寝てもらいますか?」


「流行り病?どんな。」


俺が聞く。


「まだ治療法が見つかってないんですけど、定期的に熱が出たり、筋肉の衰えだとか、一番酷いと脳が急に腐ったりして最悪死に至る病気です。」



なんか物騒な病気だな。症状が様々って事か。


「彼女さん?最近歩くのが辛いだとか、食べるのにも苦労したりとかってあります?」


「無いわ。」


冷静に言い放つ。


「ただの熱よ。」


一応診察したが特に流行り病に掛かってるって事もなく診察は終了した。


「学園はしばらく休みだな。」


「大丈夫よ。」


家についてから薬を飲んで安静にして過ごした。                                                                                      

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