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15話「唯との花火大会」後日談

 日本人は、意中の相手にしっかりと告白という儀式をして恋愛関係になる。

 それに対して海外の人たちは、特に告白という儀式をせずに、自然に恋愛関係になっている場合が多い。

「俺たち付き合ってるんだよね?」といった確認をして初めて付き合っていると確信する場合が多いらしい。


 もしかしたら、俺と唯が海外で生まれ住んでいたら、自然と恋愛関係になっていたかもしれない。

 花火大会でせっかく良い雰囲気になっても、日本人の恋愛で必須な、告白ができなければ、このまま平行線なままだ。

 といったことを、俺の未来の孫である松村由夏に力説していた。


「……ふーん、十分に分析できてるじゃない…って! それがわかってるのになんで唯おばあちゃんに告白しなかったのよ!」

「……い、いざとなると踏み出せなくてな…」

「……まあそんな簡単にできてたら、私がわざわざ過去に戻してないものね…でもまあおじいちゃんは今回私との約束果たしてくれたからそこは褒めてあげる」

「だろ? だろ? もっと褒めてくれ褒めてくれ!」


 バシッ

 頰を平手打ちされた。


「ちょーしにのるな! まったく何回このやり取りしてんのよ!」

「痛てて……お約束かと思ってな」


 打たれた頬を押さえながらそう答える。


「それにしても……星の指輪ね〜」

 由夏が俺の顔を覗き込むように見てくる。

「な、なんだよ?」

「別に〜」


 ニヤニヤした顔で由夏は答える。

 そして、由夏は耐え切れなかったのかいきなり笑い出した。

「おもちゃの指輪って……ぷっははは。子供じゃないんだから……くはは」

「な!唯だって喜んでくれてただろーが!」

「うーん、そうなのよねえ〜唯おばあちゃんの趣味がある意味特殊なのかもしれないわ」

「……お前それ俺に失礼な!」


 ループ前に真柴に選んだ時結構喜んでたっぽいし!

 俺のセンス悪くねえし!

 ……だよな?


「だって……ぷっふふふ、バイトした意味ないじゃん。有料席もあげちゃうしさ〜」

「……うるせえ」

「まあお人好しのおじいちゃんも悪くないけどね!」

「お!まじでー? おじいちゃん今回頑張ったからごほーびちょーだい!」

「またおじいちゃんは打たれたいみたいね?」


 由夏の右ストレートがスタンバイしていた。

「ごめんなさい。冗談です。」

 土下座のポーズを思わずとる俺。

「よろしい」

 由夏は腕を組み頷いた。


「あとおじいちゃん。下駄履いた女の子にあんなに走らせるとかどうかと思うよ。本当にそういうとこ配慮足りないよねおじいちゃん」

「ぐぅ……ごもっともです……」


 実際、靴擦れしてたからなあ……

 そこは反省しなきゃいけない。


「次のおじいちゃんの目標は「自分磨き」ね。自分を磨かないと、唯おばあちゃんに相手されなくなるわよ。言っとくけど、まだ相川さんフラグ折ったわけじゃないからね」

「自分磨きねえ……なんとまあ抽象的なやつですな……」

「まあとりあえず、せっかく過去に戻ってきてるんだし昔やりたかったことやってみればいいんじゃない? 唯おばあちゃん関係なく。恋愛だけじゃなくてね」

「やりたいことねえ……」

「まあ、せいぜい頑張ってねおじいちゃん。じゃあね〜」


 そう言うと由夏は姿を消した。


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