4話 少女に見せ付けられた事実
ようやく本名出せました。
労わる様に撫でられる手。
「よく頑張ったね」
慰める温もり。
傷に触れる手。
痛いと思ったのは一瞬。痒みと熱が感じられ痛みが引いていく。
「――もう大丈夫じゃ」
その声はあの少女のモノ。
「………」
ゆっくり、目を開く。
冷たい空気。
鮨詰め状態に押し込められている人々――。
「こっちに来て」
ひょいっ
そんな人々を飛ぶように超えていく少女の後をヒトを踏まないように慎重に付いていく。
――扉は鍵が掛かってなかった。
(不用心だな)
まあ、今回は助かったけど。
「こっち。こっちじゃ」
案内されて時折、
「止まるがいい」
と、告げられて止まると、行こうとした先に見回りらしい人の声がしながら去っていくのが分かった。
「もう大丈夫じゃよ」
引っ張られるように案内されて向かった先には、
「何…これ…」
積み上げられた沢山の死骸。
腐臭が漂う。
「よく見るのじゃ」
言われて気持ち悪さに――死体の目がこちらを見ている気がしてくる――耐えながら見ると、死体は何かに入れられて溶かされる。
溶かされて、どろどろになったそれを缶詰の様に詰められている。
「これは……何……」
「次も、見るか? 迷うのなら……」
尋ねてくる瞳はどちらでもいいよと告げていた。
「いや……」
正直見たくないというのが本音だった。でも……。
「見せたんだよね……」
頷かれた。
「そうじゃ」
「なら、……見るよ」
告げるとこっちじゃと案内してくる。
そこは明かりの点いた部屋。豪華の作りでいかにも高級品と言う感じだった。
そこに腰を下ろしている者達の一人はあの俺を捕らえた女性。
「”――どうだったか?”」
女性に声を掛けるのは老年の男性。
「”大当たりでしたわ。お爺様”」
二重に声が聞こえる。
「”そうか。もう欲しいと予約が殺到しているからな”」
「”異界から来て生き残った者は不可思議な力を持って渡りますからね。ホントいい売り物ですね”」
本当はもっと狩り出したいんですけど。
女性は楽しげに笑う。その手元にはあの缶詰。
かぱっ
缶詰を開いて……。
それにフォークに似た物を刺す。
限界だった。
「すまないな」
背中を摩られる。
「あの中身は……」
「……お前と同じ連れられてその途中で息絶えた者じゃ」
やっぱり……!!
少女はそっとこの場から去る様に、力無い俺を引っ張っていく。
「あいつらは……」
「異世界の人間を攫っている…予想が付いただろう」
「……」
答えられないのはその通りだから。
「――成程」
少女が何かに気付いたように呟く、
「――大室鷹也」
「っ⁉」
名を呼ばれる。この世界に来て、名乗っていない名を――。
「あ奴らはお前を能力なしと判断したが、おそらくそれは無いじゃろ」
断言。
「我は、ただの一枝。なのに神格を得るのが異常な事じゃ。じゃが」
じっと見つめられる。
「おそらく。そなたの力は我に関係しておると思える。じゃから」
少女の声は強い力を宿して、
「――その油断があるうちに逃げるのじゃ」
迷いのない言葉。
だが、それは同意見だった――。
NG
少女の後を付いていく。
ふみっ
スタッフ
「ふんじゃ駄目だよ~!!」
鷹也
「すっ、すみません!!」




