13話 資金調達
短いな……。
紫色のその鹿モドキは石を投げられた事で怒り狂い夕日に向かって攻撃しようと突進してくる。
「咲耶っ!!」
桜の枝を手に取り、叫ぶと、
「我を信じろ」
と返される。
信じる者は救われる系なのだろうかと思いつつ、
「――分かった。当てにする」
そう告げる。
その言葉に合わせるように、
ぽんっ
ぽん ぽぽん
「うわっ⁉」
桜の花が咲き出す。
策だけだと思ったら、俺と夕日を守るように桜の花びらが――半透明だから実体じゃない様だが――咲き乱れ、その鹿モドキの視界を防いでいる。
「うわぁ~!!」
紫と桜。
グラデーシェンの様で綺麗だなとか思いつつ、
「ね~むれ。ね~むれ」
咲耶。聞き覚えのある子守唄を歌ってるんだけど……。
こてっ
「あっ!!」
寝た。
「……」
「………」
俺と夕日がその光景に信じられないものを見たという感じで顔を見合わせる。
うん。シリアス返せという感じだ。
「――何を言うておる」
お構いなしという感じで、
「そなたらの望んだ事じゃ」
我は神だからだからな。
えっへんと威張る仕草に可愛いと萌えてしまったら負けなんだろうなと思いつつ。
「とりあえず……縛るか」
また起き出したら厄介だし。
「そうですね……」
夕日も小屋を見て、小屋の中に縛れそうな縄を見つけて――泥棒になるけど、手頃なのが無かったから――小屋を開けて縄を取り出す。
「で、どうする?」
これ。
「まだ生きてますよね」
寝てるけど。
「街で売って資金になるのではないかぁ?」
資金。
この見た目に突っ込みたい外見でももしかしたらこの世界では常識なのかもしれないし。
「じゃあ、売ってみるか」
それで、服とかを買えればいいだろうし。
「言語とかの問題があるから夕日に交渉は任せる事になるな」
「分かった……」
責任重大だと判断して、街を目指す事にするが、
「咲耶」
「追手は来てないよ」
今のところ。
「なら、街に向かってみるか」
そう判断して、山を下りた。
NG
「ね~むれ。ね~むれ」
音痴
残念。鹿モドキはますます怒り出した




