黒猫は明日に彼女を瞳に映す。
【Twitter企画17作目】
僕が見ている風景はこの黒猫の見ている風景とどんなに違うだろうか。
僕の見ていた風景は彼女の目にはどんな風に映っていたのだろうか。
明日に無くなってしまうかもしれないあやふやな存在はこうして明日も無くならずにのうのうと暮らしていけるだろうか。
僕の明日はもうない。
みんなは当然のように「おはよう」と言う。挨拶をして返されなくても挨拶をする。なぜならそんな心配をしなくても挨拶し返されるからだ。
矛盾だろうか。いいや、違う。違うはずだ。
僕にとって挨拶は不要なものであった。必要であったとしても使わないものであった。
挨拶をしたところで僕は誰からも挨拶されないからだ。
別にひとりぼっちな訳じゃないんだ。
僕はひとりぼっちと同じような、でもまったく違う。そんな状態に陥っている。
残念だ。ただ単にひとりぼっちだったらどれだけよかったか。
僕のこの状態はいろいろな事情が複雑に乱雑に適当に絡み合って、出来上がった精巧なものだった。
誰が仕組んだ訳でもなく、なるべくしてなったもの。
僕にはなにも出来なかった。強制的に強いられた。助けられなかった僕の時間が次々と消えていくことをただ感じていた。
このまま死にたいぐらいだった。
目の前を黒猫が通った。
猫はそのまま草むらに向かって走っていった。
そういえば黒猫が通ると死ぬとか、そんなことを聞いたことがあったな。
僕にとってはそれがとても重いことなのだ。
たぶん僕が死ぬのは今日だから。
夜空を見上げたら三日月だった。
星が綺麗だね。月が綺麗だね。
でも、星が綺麗なほど、月が綺麗なほど、僕の世界は暗く、重く、黒いのだ。
同じような空の下に彼女はいるだろうか。
────黒猫の瞳に映る景色に彼女はいる。
ども!お久しぶりです!
やっと企画再開です!
あ、そういえば僕今日誕生日なんですよー!
いやー。すみません。わたくしごとで。
まぁ、それよりも。
最近この短編企画の中から連載小説にできるような短編を選んでみようかなと思ってるんですよね笑
まぁ、思い付きなんですけどねー。
そんなわけでこれからもよろしくでーす!
また、次の機会にどーぞ!