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いつもココロにお弁当  作者: 双鶴


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1作目 癒し弁当

第1作 癒し弁当


朝、雨上がりのベランダで摘んだ青じそを、白ごはんの上にそっと乗せる。卵焼きは甘めに、ほうれん草のおひたしはだしの香りを残して。冷凍庫の隅にあった鶏むね肉は、塩麹で一晩漬けて、焼くだけで柔らかくなる。隅に添えた梅干しが、午後の疲れをそっと吸い取る。費用は300円ほど。手間は10分。でも、食べる人の心には、静かな森が広がる。


材料 ・白ごはん(炊きたて) ・青じその葉 2枚 ・卵 1個 ・ほうれん草 一束 ・鶏むね肉 100g ・塩麹 小さじ1 ・梅干し 1粒


作り方 鶏むね肉は前夜、塩麹に漬けて冷蔵庫で眠らせておく。朝、フライパンで焼くと、麹の香りがふわりと立ち上がり、肉は驚くほど柔らかくなる。卵は砂糖少々を加えて、ゆっくり巻く。ほうれん草は茹でて、だし醤油でさっと和える。ごはんは炊きたてをふんわりよそい、青じそを一枚敷く。もう一枚は、鶏肉の下に忍ばせる。


詰め方 弁当箱の左半分に白ごはんを。中央に梅干しを置くと、まるで静かな湖に浮かぶ赤い舟。右側には卵焼きを斜めに並べ、ほうれん草をその隣に。鶏肉は一口大に切って、青じその上に重ねる。色は控えめだが、整った配置が心を落ち着かせる。


食べている感覚 昼休み、静かな会議室の隅で蓋を開ける。湯気はないが、香りが記憶を呼び起こす。青じそとごはんを一緒に口に運ぶと、草原を歩いているような清涼感。卵焼きの甘さが、幼い頃の朝を思い出させる。鶏肉は驚くほど柔らかく、噛むたびに塩麹の旨味が広がる。梅干しの酸味が、午後への切り替えを促す。心が、静かに整っていく。


章末コラム:台所の静けさを信じてみる 忙しい朝でも、台所に立つと、時間の流れが少しだけ緩やかになる。塩麹に漬けた鶏肉を焼く音、卵を巻く手の感触、ほうれん草の緑が湯の中で鮮やかになる瞬間。どれも、静かな癒しの予兆だ。 この弁当は、誰かの心を整えるために作るもの。自分のためでも、家族のためでもいい。梅干しをそっと置いたとき、あなたの中にある優しさが、形になる。 「癒し」は、特別な材料ではなく、台所の静けさから生まれる。今日、ほんの10分だけ、そんな時間を信じてみませんか。

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