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1.朝掃除でも手を休めたくない男

3章...始まります。


1章を書いていた時の感覚を取り戻しながら、ゆっくり書いていきます。

ピピピッという目覚まし音で俺は目を覚ます。何故か2週間くらい眠っていた気がするが、気のせいだろう...。


時刻は7:30。


ここは、高校生活とともに購入した一軒家...。


北見川の社長(北見川灯(偽光)の父親)が預かっていた西山直哉(クソ親父)の遺産を使って購入したもの...。


その遺産はかつて、阿澄文一郎という『週刊阿澄』のジャーナリストとともに北見川会社で今年の2月に受け取ったやつだ。


ああ、くそ。イライラする。『今の自分がいかに小さい存在であるか』を直哉(クソ親父)に突きつけられている感じでムカつく!!!


考えるな!考えるな!!まずは制服に着替え、いつもの日課である掃除から始めるぞ。


掃除。それは、日常の空間に侵入しようとするゴミを除去しつつ、雑念(無駄)余計な考え(無駄)を洗い流す神聖な儀式。時間の無駄に一見思えるかもしれないが、実はその無駄を上回る効率化。言わば、食事と同様、重宝されるべき無駄なのだ。


...そして朝掃除。これこそ、至高!


1日が始まる朝は作業効率が良く、かつ時間が作りやすいまさに作業の狙い目。これを習慣化することで、週末のお掃除や年末の大掃除など本格的なお掃除の負担をも軽減できる!


...それに、お母さんの仏壇に埃1つ被せたくないし、被させない!


ああ、なんて効率に満ちた朝なんだ。まさに、


Beautiful morning!(訳:美しい朝)


Full of hopes!!(訳:希望の光)


そんな希望の(お母さん)に満ちた幸せな時間...。4ぬまで続いてくれれば、俺は、俺は...。


ピンポーンッ!!!


...。


...。


うぁぁぁあああああ!


だーれだぁぁぁあああ!!


俺の幸せな時間に水を指す愚か者は誰じゃぁぁあああ!!!


無駄のビック・バンを起こすんじゃねぇぇぇ!!!!


俺はドタドタと駆け足で玄関に向かい、扉を開けた。


「はい。どちら様ですか...。」


「あ、おはようございます。私、阿澄文(あすみふみ)と申します。本日はあなたのことを取材しにここに」


「すみません。今は応対が出来ない状態なので来た道を引き返してください...。それでは。」


バターンッ!と俺は扉を閉める。一瞬『浪人アナウンサー』がいた気がするが、気のせいだし幻覚だろう。


...そもそも今は掃除中だ!埃や汚れのある家に人をあげるわけにはいかないんだよ!!


俺はそのまま掃除を再開した。


...折角の朝効率化を台無しにした戦犯(無駄)は省くのみ!


それから30分かけて掃除をし、時刻は8:00。


俺は台所でコーヒー(頭のガソリン)を淹れ、脳を目覚めさせようとしていた。


ピンポーンッ!


再びインターホンが鳴る。


...隣のおばあちゃんが回覧板でも持ってきたのだろう。


今度はゆっくりと玄関の方に行き、扉を開けた。


「もう。いきなり扉を閉めるなんて、ヒドいじゃないですか?」


...こ、こいつ30分も家の前で待機してやがったのか!?


...そもそもコイツは何処から湧いて出たんだよ!!?


「ヒドくはない!俺は朝掃除をしていたんだ。客人をもてなす場所を常に綺麗にするのは、ビジネスにおける基本中の基本だからな。後、訪ねるにしては早すぎだ。家主が寝ていたらどうするつもりだったんだコラ!!!」


「そ、それは、すみません。ですが、今日はあなたへの取材だけでなく、大切なことを伝えにやって来たんですよ。」


...。


...。


...ハァァァァ~。


「...生憎、今はコーヒーしか出すことは出来ない。それでもいいなら、中で要件を聞こうじゃないか...。」


「はい!むしろ紅茶よりコーヒー派なんです!!」


...正直胡散臭いし、無視したいところだが、氏名から見て『阿澄文一郎』と関係はあるし、もし外で待たせると相手を静止(タイム・スルー)させ、相手の時間を無駄にさせかねない。


...それとコイツがどうやって家を特定したかを聞き出さねばならないからな。


俺は目の前にいる浪人アナウンサーを家に招き入れ、先ほど淹れたコーヒーを振舞った。


「それじゃあ、いただきます。」


ズズズッ!!!


...音を立てながら飲むな!耳に響く!!静かに飲め!!!


「聞きたいことは山ほどあるが、時間の効率を考えていくつか絞って質問をする。...まず、どうやって俺の居住地を聞き出した!?」


近所には、俺の住所とかを勝手に教えないようにくぎを刺している。


...まさか昨日の夜に尾行された!?


...ストーカー!?


...それか近所以外の奴らに俺の居場所を!?


「はい。それは、この手紙をあなたに渡せば察してくれるとお父さんが言ってまして。」


俺は目の前にいる浪人アナウンサーからその手紙を受け取り、内容を読んだ。


『影へ。これを読んでいるということは、俺の娘と接触していることで間違いはないだろう。『週刊阿澄』の現ナンバー2のお前だ。事情は察していると思うが、念のために要件を書いておく。これは俺からクライアントとしての依頼だ。


娘の教育係をしてやってくれ。webライターの知識を叩き込めばまずは構わん。陽から課された試練の手助けと思ってよろしく頼む!こっちは今、取材が立て込んでいる最中だからよ...。


...後、お前から娘に手を出したら、容赦はしないからな。まぁ、今のお前ならその心配は皆無だがな。それじゃあ、またヘルプを頼みたい時は電話かメールに一報入れとくから、しっかりやれよ。阿澄文一郎。』


...ア、アハハハハ。


俺は全てを察し...。


「ハァァァァァ~~~。」


目の前に座っている浪人アナウンサー、いや、(ふみ)を見て盛大な溜息を吐いた。

お読みいただいてありがとうございます。


ブクマやこの下の星でポイントをつけて応援していただけるととても嬉しいです。


どうぞ、よろしくお願いします!

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