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12.大勉強時代でも手を休めたくない男...2幕目

阿澄が終業式以降、どう動いていたかが明らかになります。


また最後に重大なネタバレ...。

1月25日。


時刻は...18:30。30分後までに...下校して...マンションで...勉強を...。


俺は上体を起こし...ベッドから立ち上がろとすると...扉が開き...2人の女性が入って来た。


1人は俺のクラスの担任の先生で...もう1人は...1人は...。


「...新年あけましておめでとうございます、影様。私のことは覚えていますか?」


「...陽。」


そう...。陽だ...。彼女には...一生かけてでも返せない恩が...ある。


彼女は...お母さんの手紙を...俺に渡し...今の俺の存在意義を...与えてくれた。


「...じゃあ私は。」


「...覚えていないです。」


「ひ、酷い...。私には...東海美里(あずみみさと)という名前があるのに...。去年の4月の自己紹介の時に紹介して」


「恩義を感じて...いや...待って...下さい。先生には...弁当を貰った恩義が...ある。はい...美里。今度から...覚えておきます。」


そう...。彼女には...先ほど...弁当を分け与えてくれた...恩義がある。だから...名前を...覚えないと。


「う...うぅぅぅ。心が...痛い...。」


「そんな姉様の心の痛みなど...今の影様と比べれば矮小なものです。」


「陽まで!?酷い!!西山さん...絶対に忘れないで下さいね!?」


時刻は18:45。


そろそろ...帰らなくては...。


マンションに帰って...今日も...。


「頭の中を勉強で...効率化させないと...。体の中身もそろそろ...運動で...効率化させないと...。」


今もどんどん...時間が無駄に...。頭の中にも...無駄な知識が...。


「...駄目です。これから影様に将来のことで話があります。大丈夫です。部分的にならば無駄が生じるかもしれませんが、総合的にならば大変な効率化が認められます。」


「...分かった。」


保健室に集まった3者は車でとある場所へと向かった。


◇◇◇


1月24日。最恐が母の葬式以来の涙を流した日の前日。


阿澄文一郎は、とある場所へと足を運んでいた。


...『東海法律事務所』。


彼はここの事務所の弁護士と、明日からの行動について話をしていた。


「これで勝てそうか...陽太。」


「ふむ。欲を言えば...証拠がもう少し欲しい所だ。が、100点満点中90点。これでほぼ確実に勝訴へと導けるよ。」


阿澄文一郎と対面する形で席に座るこの男性の名前は東海陽太(あずみようた)。彼は娘の職場の1つを裁判所へと訴える準備をしていた。


...『東雲中学校のいじめ』完全解決に向かって。


「贅沢言うな。これでもあちこちから証拠を集められるだけ集めたんだ。1月8日の少年の始業式とともに告訴かと思ったら、今度は『より犯罪性の高い証拠をもう少しだけ集めて来てくれ。』と無茶ぶりを言わされて、更に数週間の手間がかかったぜ全く...。」


「まぁ、これで春になる頃には決着がつくんだ...。それに、娘の美里が主とした加害者の親への説得で、より円滑に裁判まで持ち込む見通しも立っている。数か月もの間に問題を先延ばしにさせた家庭もあったようだが、1月に入ってようやく観念したと美里から聞いている。『あんなのは示談なんかでは生ぬるいわ!裁判に訴えて徹底的に叩き潰してやるのが一番よ!!』と美里から聞かされた時はひっくり返ったもんだよ、あはは...。まぁ、後は...。」


「少年次第、か...。」


...ネットやSNS上の誹謗中傷の記録、金品の要求を記述する書き込み、暴力、被害者本人の供述、目撃者の証言など全ての証拠は阿澄の手によって揃っている。


...陽太による発信者情報開示請求、学校の先生方の努力による加害者の特定もすんでリストアップまで終えている。


...東海陽太という弁護士も選定している。


後は西山影が決断すれば、内容証明郵便の通知書の送付による示談、刑事告訴、捜査などを経て裁判へと流れるようにして進行する。


...『東雲中学校』に蔓延する無駄の完全削除までもう僅かであった。


それを確認した2人は話題を別の方向へとシフトチェンジした。


「しかし少年も少年だ。元々が異常すぎている。剣道、サッカー、勉強、WordPressでの天才性。最近では、SEOも1級をとれる段階まで差し掛かっていやがる...。やはり...。」


「ああ...。陽が最近発見した少年の容態...。こんなものを生まれた時から背負っていたとしたら...。周りから隔絶されていじめへと発展するのもまた...。」


「...後半の発言は取り消した方がいい。『少年の健康状態を1分刻みで管理したい』願望を持つ看護師(ヤベー奴)が飛んでくるからな...。」


彼らは陽から提供されたとある診断書を見てため息をついた。


それは...去年の12月23日に判明したとある少年の診断結果...。


その少年の父親と同様に『太陽病院』の精神科からのものだった...。





































患者の名前は『西山影』。


診断結果は、自閉スペクトラム症(知的障害なし)。


特徴は、臨機応変な対人関係の不得手、及び自分の関心・やり方・ペースの維持を最優先させたいという本能的志向の異常な強さ。ただし、恩義や信頼を感じた者に対して関心を持つことがあり?特に死ぬまで裏切らないと確信できる相手、自身の関心を真に理解してくれる相手、及び死の直前に救済した相手には愛や情を向ける可能性が存在する?西山直哉の『恩義を感じたら確実に恩義で返す』という気質、及び西山光から受け取った手紙などが関心の範囲を広くしていると考えられる?


患者の関心は、『無駄を省くこと』、『効率化』、『合理化』、(『恩義や信頼を感じた者』?)。

お読みいただいてありがとうございます。後、2章も残り2話となります...。


ギャグを見たいという声も出てきているので...次話で主人公の氏名変更や裁判などを終わらせ、次々話でエピローグを述べる流れでいきます。


2023/1/26には3章のギャグパートを始めたい...。


ブクマやこの下の星でポイントをつけて応援していただけるととても嬉しいです。


どうぞ、よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 父親が精神病で、息子もそれならまあ症状違うにしても要入院だと思うんだが。 [一言] 実際の学校現場では被害者側が余程動かん限り(動いても山形マットやら旭川見たいな下手したら地域ぐるみ…
[一言] 始解に卍解に虚化…でしょうか??
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