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8.大勉強時代でも削除を休ませたくない男...8幕目

今話と次話で...西山直哉を...路頭に迷わせます。


今話は次話へと繋げる橋渡しと思って読んで下さい。



総合評価がとうとう10,000 ptへと突入しました。...信じられん。

「...ハハ...ハハハ...。」


中学2年生12月。西山光葬式から1週間後...。俺の目の前には、赤く塗りつぶされた『週刊阿澄』がある。


...下らない。...下らない。...下らない。


俺は右手に持っていた赤いボールペンで、次にもう1冊の『週刊阿澄』の雑誌のとある2ページの余白(無駄なスペース)をたった一単語で埋め尽くし、中学初で最後の帰省の日とその次の日について振り返った。


...『削除(シネ)』という単語とともに。


俺の床には既に...3枚の赤い書状が落ち、椅子のキャスターで踏みつぶされていた。


◇◇◇


中学2年生12月。西山光葬式から4日の日...。


俺は...阿澄文一郎とともに...西山家を訪ねていた。


「な、何だ...これは...。これが人の住む家なのか...?」


西山家は異様に綺麗だった。しかしながら、閑散としていた。そこから滲み出る不気味さを阿澄は感じていた。


...まるで荒れた海の堤防に立っている気分。


...これから大きな高波が来る予感を感じさせる。


俺は呼び鈴を鳴らした。


応答はない。


再び呼び鈴を鳴らしたが、応答はない。


その後も10回は鳴らしたはずなのに1度も応答の気配がなかった。


そこで意を決してドアノブに手をかけると、扉が簡単に開いた。


「おいおいおい。なんて不用心な...。この家の家主は大丈夫か?」


単なる閉め忘れか?


いや、他人に妻のものを触れさせたくないあの男が...他の男を家に上げるなんて真似をする筈がない。


「...早く。」


俺は阿澄を急かして、家の中を探索した。


久しぶりの我が家。


俺と親父の2人で協力して暮らしていた記憶がギギギという床を踏みしめる音とともに蘇っていく。だけど、


...最後にはあの理不尽な仕打ちへと帰着する。


...思い出したくない。思い出したくない。思い出したくない。


...病院でのお母さんのお見舞いの記憶だけを思い出せれば...いい...のに。


俺と阿澄は家の中を順番に歩き回った。リビング、台所、トイレ、風呂場にはいない。


ただ、どこも生活用品がなくなっていて、既にもぬけの殻。


そして、最後の部屋である寝室の中に入った。


「...まじかよ。」


阿澄は開口一番、そう言った。


俺は...何も...感じていなかった。心の何処かで予想していたから...。


まただ。また、保身だ。せこい奴のやり口だ。麻日と同類、いやそれ以上に悪質。


...寝室は...全て空だった。直哉(屑野郎)は...逃げたのだ。麻日(あの女)と同じように


...俺に見つかることのない安全な場所に素知らぬ顔で逃げたのだ。


...そしてなにより、お母さんの遺品までも丸ごと搔っ攫って。


...許さない。許さない。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。


ユ ル サ ナ イ !!!


「アイツは...絶対に...見つけて...。」


「『殺す』までは言うな...。それを言ってしまえば、目の前の惨状を起こした凶悪犯と同類になっちまうぞ...。まだ少年とは2日しか行動を共にしていないが、少なくとも今は、警察にお世話になるようなタマじゃないことは分かっている。焦るな!タイミングを見計らうんだ!!反撃のチャンスはいくらでもある!!!」


阿澄にはまた恩が出来たようだ。


だけどもう今は、心のブラックホールに穴が空き、不安定になっている...。


お母さんの生きた証を金に換えようとする光景を思い浮かべると...殺気が湧いて...くる...。


しかし、阿澄はそんな俺の肩に手を乗せ、これからの計画について述べた。


「ただ、決して昨日と今日の手間は無駄にはせん。魚を捕らえるにはまず、泳ぐ範囲を狭めていく必要がある。昨日、俺に提示してくれた通帳の記録、学校の先生方の証言、そして今日の西山家周辺の取材。...まぁ、通帳の振り込み額だけで判断すれば、最低限の生活はギリギリで保障されている。が...その後の証言やこの家の惨事の写真があれば、西山直哉の悪辣な一面の掲載までこぎつけられるだろう...。そうすれば、岩場に隠れている魚は必ず、その姿を晒す...。もしのこのこと姿を現せれば、俺達ジャーナリストがアイツを取り囲み、少年への悪行を直に聞き出すさ。...それに、7年間もその姿を見せない場合は失踪宣告で死亡扱い...。どんなことが起ころうと、こっちで掲載してしまえば、西山直哉はどの道ジ・エンドというわけだ...。」


...なら、いい。一度も顔を合わせることなく...関わらなくても...勝手に自滅するなら...それに越したことはない。


俺は、携帯にある着信履歴から、西山直哉の番号をブロックした。


...後は、来年の誕生日を迎えれば...15歳。そうすれば...『西山』を捨てることが...出来る...。


...少なくとも苗字だけは...直哉(ムダの第ニ核)から断ち切ることが...出来る...。


...この、『週刊阿澄』による取材が...その第一歩となる。


帰省を終えた俺は...阿澄の様子から、奴の包囲網は少し時間がかかると予想していた。


しかし、西山家育児放棄についての掲載は思ったより早くなる。


決め手は...西山直哉の取材を何処からか嗅ぎつけた北見川からの情報提供。


大手からの情報が...西山直哉を...『週刊阿澄』のネタへと退化させ、路頭に迷わせることとなる...。

お読みいただいてありがとうございます。


2章のざまぁも終盤に差し掛かりました。


次話は北見川に殴り込み、次々話で学校全体にざまぁします。


ブクマやこの下の星でポイントをつけて応援していただけるととても嬉しいです。


どうぞ、よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 路頭に迷わせんでも、元々の実家の財産管理用の木偶人形として父親管理下にしとけば良いのに(まあ本人トンずらだからなあ)。 正直、小学彼女はざまあ対象なのかはあるかな個人的には。中学時代の連中…
[良い点] 逃げたな、あの親父ぜったいにがしたらあかんで!!
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