7.大勉強時代でも削除を休ませたくない男...7幕目
かつて...日間現実世界〔恋愛〕ランキング 1位を手に入れたどん底成り上がり作者、sii15。
彼の疲労際に放った一言は、読者をこの小説へと駆り立てた。
作者「話の続きか?読みたければ更新しよう。下へドラッグ(スマホならスワイプ)だ...話の続きをそこにおいてきた。」
読者は話の続きを追い求める。この小説はまさに大更新時代!!!
というわけで、今回はサッカー部をさらに転校生エース、ジャーナリストとともにざまぁします。
『2.大勉強時代でも削除を休ませたくない男...2幕目』だけでは...物足りぬだろう...?
「ハハ...ハハハ...ハハハハハ。」
中学2年生12月。西山光葬式から1週間後...。俺の目の前には、赤く塗りつぶされた3枚の書状がある。
...素晴らしき光景。やはりあの時...こうしていれば...もっと...。
...いや、それはお母さんの望まないことだ。阿澄には感謝だ。感謝しかない。
...一度でも犯罪を犯してしまえば、お母さんのいる天国に向かうことは出来ない。
俺は右手に持っていた赤いボールペンで、次に『週刊阿澄』の雑誌の最初の2ページの余白をたった一単語で埋め尽くし、麻日に落とし前をつけた後を振り返った。
...『削除』という単語とともに。
◇◇◇
中学2年生12月。西山光葬式の2日後...。
麻日への落とし前をつけ、俺達は次の取材場所へと到着した。
次の取材場所は『東雲中学校』から5分の場所。ここは、瀬川の住むマンションで、俺達は麻日が語った証言を裏付けに来た。
俺が車で提供したネタについては阿澄が『週刊阿澄』に持ち帰り、取材日を定めてから突撃しにいくらしい。
この1週間で終わらせてくれれば...世間でいう忌引が終わる頃には落とし前が全部つけられるから...。
お母さんに...いい報告が...出来るから...。
「よし!着いたぞ...!ここが」
「...早く...。」
「少年...。人のセリフは遮るものではないぞ...。まぁ、いい。手間をあまりかけずに行くぞ!」
俺は阿澄とともに、落とし前先へと出陣した。
呼び鈴を鳴らし、扉が開く。だが、開けたのは瀬川ではなく転校生だった。彼は肩で息をしていて切迫した様子で俺達を見つめていた。
「に...西山君!?それにあなたは!?」
「すまない。瀬川等という人物はいるか?」
「はい。この際、西山君達がどんな理由でここに来たのかは問いません。むしろ猫の手も借りたい状況なんです。俺はさっき警察の方に連絡をしました。俺がここに来た時には...。お願いします!瀬川を助けて下さい!!!」
俺と阿澄は、転校生に連れられて部屋の奥へと踏み入れた。そこには床に尻もちをついている瀬川とそれを取り囲む3人のサッカー部員、いや愚ッカー部員がいる。
彼らは瀬川の周りを囲み、批難していた。そこにはもう...かつてのサッカー部の姿は存在していなかった。
「おいおい、先生。開斗の言うことを聞いて俺達の言うことは信じないんですかぁ~?『生徒は平等に』という口癖は嘘だったんですかぁ~!?この、嘘つきめ!!!」
「廃部にしたいんですかぁ~?サッカー部を廃部にすれば、先生も下手したら教師人生に傷がつくことになるんですよ~?それ、分かってる~?」
「ああ。それ、よく読んでいる小説のアレかぁ~。『追放』ってやつ?廃部にしてしまって、真実を知らない学校から理不尽に辞めさせられるってパターンだろ?ギャハハハハ。」
...愚図め。
「これ以上進んだら容認できなくなるぞ。本条、四条、八条...。先生はお前達を犯罪者にしたくはない。今なら引き返せる。ここで止めるんだ。」
...無情。あの3人にはもう、恩義が欠如していた。
3種の愛情を捨てた俺は...非情だ。遠慮が削除され、『人と関わりたくない』という願望が生まれた。今でも俺の心はその願望で一杯だ。今すぐここから立ち去りたいとさえ思っている。
しかし、恩義に報いたい気持ちは未だ存在している。それは、お母さんの手紙がそうさせてくれた。
そして、今は阿澄の取材の手伝いをしている。彼には、『天国行きの資格が剥奪されそうになった』俺を止めてくれた恩がある。
だからこそ、麻日の落とし前をつけた後もこうして彼の取材に同行している。
...彼らのように、恩義も削除して無情とならないように。
...天国行きの資格を剥奪されないように。
...お母さんに会えるように。
「ハァッ...。これはまた...忙しくなるなぁ...。手間をかけたくないが...お前ら!もう落ちる所まで落ちてしまったなぁ...。これじゃあ確実に『週刊』行きだ!さすがに擁護は出来ねぇぞ!!」
「「「て、てめぇ等!?」」」
俺達に気づいた3人は動揺。阿澄は既にスマホで写真を撮り、証拠を押さえていた。
...敏腕。阿澄は僅かな隙を突いていた。
...至高。1%の無駄もない、精錬された動き。
彼は視線を動かすことなくポケットからスマホを取り出し、ロックを解除し、そして写真アプリを起動させて証拠を押さえてみせたのだ。
「お、俺達を警察に突き出して、サッカーを取り上げるつもりか?冗談じゃない。早くその写真を消去しろ!」
「俺には、サッカーしかないんだ。なのにマネージャーは退部、顧問は謹慎。サッカーが...サッカー部が...俺達の全てなんだ!!!なのにもう、この部は存続すら難しくなってしまった。」
「西山だ。そこにいる西山が悪いんだ。最初は俺達と同じだった。平等にボールを蹴り合うだけの仲だったんだ。なのに、県大会でお前は3年生からエースを任された。エースとなってボールを奪っていった。俺達はお前にパスしてボールを届けるだけの作業員になった。俺達はただ、仲良くサッカーがしたかっただけなのに!!!」
この時、脳裏にある言葉が蘇る。
『なにが才能だ!お前のその才能は他人を不幸にするのに特化しているのか?コイツの道徳の評価を5にする学校も学校だ。もううんざりだ。』
そう、あの直哉が俺を家から追い出す前に言った言葉だ。それを彼らが再び、俺に突き付けたのだ。
...お前らに...何が...。
俺はサッカー部に誘われ、生活の一端を支えて貰った。
その恩に報いるために、皆の足を引っ張って仇で返さないために、皆の期待を裏切らないために、俺は人一倍努力を重ねただけなのに。
...お前らは俺の苦労を『才能』という言葉で否定する。
...嫉妬だけで、俺の恩返しを水の泡にする。
そんな俺の気持ちを代弁する存在がこの場にいた。
「何が...。何が『俺には、サッカーしかないんだ。』だ!『平等にボールを蹴り合うだけの仲だったんだ。』だ!『エースとなってボールを奪っていった。』だ!『ただ、仲良くサッカーがしたかっただけなのに!!!』だ!ふざけるな!!そんな台詞をお前達が吐くな!!仲間への信頼を捨てた時点で、サッカーは終わりなんだ!!選手と選手との間に信頼があるからこそ、ボールはパスで繋がる!!そうして皆の信頼を乗せたボールがあって始めて、エースは輝ける!!エースは、そんな皆の信頼を裏切らないために日々努力する!!それが何故分からない!?お前達は...彼の何を見て来たんだ!!?」
開斗は...怒った。
「もう...いい。こんなのはサッカー部ではない。即刻、廃部にするべきだ。瀬川先生。あなたもです。どうしてこんな選手を1年半も放っておいたんですか?選手の性格は試合に現れるんです。いくらでも...彼らの内面は見れたはずです。なのに...そのチャンスを不意にして...あなたは...失格だ!顧問失格だ!!恩知らずだ!!!」
「...返す言葉がない。」
怒ってくれた。これは...恩だ。返さなければならない。
この後警察が現れて俺達は事情聴取を受けた。そして、開斗の目撃証言と阿澄の証拠写真の2つが決め手となって、本条、四条、八条は警察のお世話になる。
彼らが警察に引き渡された後、麻日が語ったサッカー部の真相を、俺と開斗と瀬川は阿澄から聞かされた。
「...酷い。」
開斗は率直な感想を述べ、
「そんな...。」
瀬川は膝から崩れ落ちた。
信頼していた部員がマネージャーを脅迫していた事実...。
退部にするべき対象を擁護してしまった過ち...。
彼は...全身で実感していた。そして彼の行動は...。
「に...西山。すまなかった。本当にすまなかった。俺は...顧問失格だ。教師失格だ。」
謝罪だった。
だけど...それはもう...いい。俺の...欲しい物は...そんな誰でも分け与えることのできるものではない。
「...俺は、辞職すべきだ。そうでなければ、教師としての示しが...。」
「違う...。」
俺は...許さない。あのせこい奴と同じことをしようとする奴を許さない。俺の...欲しい物は...。
「違う...。それは、示しではない。...逃げ。...保身。本当に償いたいなら、学校の問題を全て収めて下さい。先生には、飯をおごってくれた...恩がある。それを、辞職で仇にしないで下さい。せめて...俺に関わることなく...俺の卒業を...見届けてから...辞職して下さい。」
そう。俺の欲しい物は...『人と関わらない』生活だ。
...毎日毎日やって来る嫌がらせ。
...嫌でも人と関わらなければならない生き地獄。
それを1日でも早く削除すれば...問題はない。
「それじゃ、俺は『週刊阿澄』に戻る。今日の取材は終わったからな。...少年が車の中で提供してくれたネタのこともあるからな。」
この後、俺達4人はここで解散し、開斗には俺の気持ちを代弁してくれた恩返しとして...俺のサッカー部で培ってきたシュート技のコツやテクニックを教えた。
夜になり、別れ際に開斗は声をかけてくれた。
「今は...そのままでいい。いつか『人と関われる』ようになって、他人を信頼できるようになったら、今度は俺とサッカーをしよう。俺はお前に教えられたことを実践して強くなるから...。俺は...1日でも早くお前の復帰を願うからな。」
もう...充分だ。その言葉も、俺の心のブラックホールに飲み込まれて消えてしまうだろうが...。今は、そんな言葉でさえ、次の落とし前への活力となる。
そしてサッカー部の落とし前をつけ終わった5日後、サッカー部は廃部となった。
お読みいただいてありがとうございます。昨日の話のいいねが100件、感想が20件超えました...。感想のほとんどが『更新してください』でした。そこから作者はこんな感じに読者の意志を読み取りました...。
多くの読者「じっと待てない。ざまぁ足りない。作者の色を、失わないで!!!one 、two 、three 、four...let's continue!!!」
ということで、昨日はお騒がせして申し訳ありませんでした。少しパソコンとスマホから離れ、1人で考えていました。そして決めました。更新(設定ぶっ飛ばし)でいくと。
ですが、感想もやはり見ます。この小説は、『人との関わり』。それを描く作者は、読者とのつながりの場である感想から逃げてはならないのです。
そう、恩には報わないと...。
作者「叩かれてなんぼの...執筆に候!!!」
ということで、作者なりの精一杯の更新します宣言いかがだったでしょうか?あ、『この小説の削除』という『無駄』は『削除』したので心配しないでください...。
1日1話となっているのは、ざまぁに気合いを込めているためです...。
ブクマやこの下の星でポイントをつけて応援していただけるととても嬉しいです。
どうぞ、よろしくお願いします!
[追記]
『5.大勉強時代でも削除を休ませたくない男...5幕目』の最後の『そこに思わぬ訪問者が来ることとなる。』の『訪問者』は誰ですか?
という質問がありました。答は『近衛開斗(転校生エース)』です。影との対決の後にサッカー部に主人公の本当の評判などについて詰問し、サッカー部の真実を知った後、彼はそれを伝えに瀬川のいるマンションに訪問したということです。
つまり、近衛開斗は主人公を助けようとする同年齢の数少ない味方です。