2.
「リオン、目覚めてくれて本当によかった。身体はしんどくない?」
お母様が優しく頭や頬を撫でてくれる。
私はこの感覚を知っている。
強い魔獣を魔法無しで倒したとき。
お母様に一本いれることが出来たとき。
本当に頑張った時にしっかり優しく褒めてくれるお母様。
「あなた3年も目を覚さなかったのよ。」
「えっ?」
3年?!一体何があった!
私はお布団の気持ち良さしか覚えてないけど。
「レオンからは感謝の言葉と一緒に謝罪の言葉もあったが、受け入れてはいないよ。ベルハルトとの婚約解消は一応保留のままだ」
レオン様はお父様の弟の国王様だ。
感謝と謝罪??ベルハルトとの婚約解消??
あ。そんな事がありましたね。
思い出した!
私は【一応】婚約者のベルハルトと同じ学園に行っていて、そこでベルハルトが真実の愛を見つけたと男爵の娘と仲良くしてたんだっけ。
しかし娘さん、王子の側以外にも男の子と距離が近かったり、まだ制御できない魔術を使ったり、めちゃ高い宝石やドレスを婚約者がいる男の子にねだったりなど色々やらかしたので
上手にやるにはのアドバイスをしてたら、私が虐めてると王子や取り巻きに詰められた。森で。魔獣の出る森で。
そこまではいい。むしろ大勢の前とかじゃないだけ頭を良く使った。
しかしその時運悪く魔物?黒い霧?が襲ってきた。良く覚えていないけどかなり不気味だった。
王子達も多少は戦えるが、いきなりの大物。
しかも、男爵の娘を守りながらなんて無理だった。
ベルハルトと男爵の娘に狙いをつけた。
やられるっ!と思ったら体が勝手に動き全ての魔力を出し切って、、、までは覚えているけど。
「警備団が駆けつけた時には、お前が倒れて居て他の子達も多少の怪我はあったが無事だったよ。よく頑張ったね。」
お父様も優しく撫でてくれる。
「そっか、全員無事だったんだ。良かった」
「良かったではありません!そのせいでお嬢様は、お嬢様は、3年も、」
「アン、心配してくれてありがとう。また今日からよろしくね。」
「お、お嬢様〜!」
「お父様も、お母様もセバスも。心配かけてごめんなさい。そしてあらためて、おはようございます。」
「あぁ、おはようリオン。」「おはよう。」「おはようございます。リオン様。」
うん!いい目覚めだ!