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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

全て思い出した出来損ない令嬢はナースを目指す

作者: タンポポさん

今回は結構長く書けました。

病気等についてが書いてありますが、調べは全て我流です。

間違いもあるかもしれません。

それでも良ければ楽しんで見て行ってください。




突然、強い頭痛に襲われた私は倒れその後、三日間の間高熱に襲われた。

私の名前はエミリア・マルティ。

侯爵家の令嬢で社交界では、“出来損ない令嬢”と呼ばれる落ちこぼれ。私の家は代々治癒魔法を専門とする聖女でもあった。

代々受け継がれるはずのその力は私には受け継がれなかった為、出来損ない令嬢と呼ばれるようになった。


その私はたった今、前世の記憶を思い出した。

私は前世、最年少のナースだった。

どんな人でも、どんな病気でも私は治して、感謝された。


だけど、ある日私は自分自身に原因不明の病気にかかってしまった。

だけど、私は諦めなかった。

他の患者さんの資料を見て病気の研究をしたり、自分の病気を研究したりと、きっといつか治ると信じて治療に励んだ。


だけどそんなのは淡い希望だったらしくそのいつか治ると言う思いは儚く消えた。


我ながらバカだと思うのは、私がなにもでき無かったことに悔いているのだろうか。

そんな私が転生したのは出来損ない令嬢。

今世でも幸せになれるかは全く無いに等しいだろう。

それでも、この世界でまた、ナースを目指したいと思った。


出来損ないなんかじゃないって、言ってやりたいから。



★★★



その日は聖女、治癒の助けを求める人が多かった。


「あら、出来損ないはそんなところにいないで頂戴」

後ろから聞こえたのは、私の妹であり昨年に治癒能力に目覚めた聖女であるエミリー・マルティ。


「エミリー………」エミリーは、こんな子じゃなかったのに。

手の平を返したようだわ。


「あら、貴女にエミリーと言われるだなんて汚らわしいわ」


その時、バチンっと音がして、怒鳴り声が聞こえた。


「お前の様な平民は聖女様の邪魔だ!!出ていけ!!」

「ですが!!この子は……私の弟は………どこか悪いんです!どうか助けてください」そしてまた、強く叩かれる。

それはどこまでも鳴り響いている様な強い音。


「帰れっ!!」そして、弟?を抱えた女の子は、こちらに気付く。そして、妹の方に来る。


「お願いです、聖女様!どうか……どうか……弟を治してください!」泣きじゃくったそのかおは誰が見ても心が痛む。


「は?平民風情が私に頼るなんて言語道断。まあ?どうせ私がいなければ治せないのだけどね!」


これを妹は辛辣な言葉を吐いた。


「…っそんな…ぁ………」絶望しきった顔。


そのかおに私は感化された。



「………私で良ければ、面倒を見ましょうか?」

「え?」その人は急に涙が止まる。


「まあ、嫌でしたら、断っても大丈夫です」

きっとこの人は出来損ないの私を知っているだろう。

だから、当然断られる可能性も視野にいれていた。


「お願いします……もう、頼るところがありませんっ」

「貴女がこの平民を治せるのかしら?汚らわしいのが写ってしまうわねぇ」



「取り敢えず、家に案内して貰えませんか?」

妹はとっとと無視した。

「はい」



★★★



「私はエミリア・マルティ。貴女は?」


その人は少し警戒するように言った。


「エリーゼと言います。弟はデュランです」

「そう、言い名前ね」

「い、いえ」

「………知っていると思うけど、私はマルティ侯爵家の出来損ないと呼ばれてるわ。私見たいなのと面倒を見ても大丈夫と言ってくれたのは予想外だったわ」


「そうなんですか……私はもう、宛がないので」

「……デュラン様は見た所、チアノーゼを起こしているのね」


「チア……?」

「チアノーゼ。血液中の酸素の不足が原因で、皮膚が青っぽく変色する事よ」

「初めて聞きました」

「そうでしょうね」

この言葉は私が前世を思い出した期間内で調べあげたけど、一切のって無かった。この世界は医療の技術が上がってないのね。



そして、家のなかに案内して貰い、デュラン様の体調に合わせながら寝かせた。


「大丈夫ですか?」私はそっと声をかける。

「……ん………んあ……?」微かだけど聞こえた。


「エリーゼ様。最近のデュラン様の容態はメモなどに書いてありますかね?」

「あります。…それと、私の事はエリーゼで。デュランはデュランと普通に読んで良いですよ?たかだか平民の分際で様だなんて……」

どうやらさっきの妹の軽率な発言が効いてしまっているようだ。


「私にとっては、たかたが平民ではありませんわ。私にとっては大切な患者様です」


そのかおは、大きく目を見開いていた。


「……ありがとう」さっきまで強張っていた顔が解れていた。

それに感化されたのか、私も何となく微笑んだ。


「デュラン様は、私が命を懸けて助けて見せます」

「頼りにしてますね」

「ええ、頼りにしていてくださいね」

「ふふっ」


そして、私はふと、エリーゼ様の頬に目がいった。


「ごめんなさい。痛かったでしょう?」

「え?ああ、頬ですか?大丈夫ですよ、このくらい。デュランの方がもっと辛い思いをしているんですから」


ニッコリと微笑んでいるが、そのかおには苦痛の色が滲み出ている。


「無理なんて、しなくて良いですよ。今、治しますから」

そう言って私はエリーゼの頬に手を当てる。


「ヒール」軽くエリーゼの頬に流す。


そしてみるみる頬の傷が治る。


「これって!」それを見たエリーゼは驚いていた。

「ふふ。まだ、練習中の身だけどね」


「それでもすごいです!」熱唱して言ってくれるので少々照れる。


「……いえ………」

「それにしてもわエミリア様は、魔法には目覚めていないと……」

「ええ、そうよ」

「じゃあ、どうやって……」


「普通、魔法は自分の体内にある魔力を使うでしょう?」

「はい、そうですね」

「でも、私が使うのは魔術よ」

「魔術?」


その答えに私は少し、頷く。


「私は魔力が全く無いから、空気中にある魔素と言うものを使うのよ」

「魔素?」

「ええ。魔法は魔力があればあるほど沢山使えるわよね。魔術は魔力が少ない程、制御が簡単で、誰にでも使えるの。まあ、それには魔術の発動時のイメージと魔素制御と魔力の少ない、無い人におすすめよ」

「へぇぇ。エミリアさんて、凄いんですね」

「そんなことは無いわ」魔術については本で見たんだもの。


「さて、デュラン様の体調変化について、知っていること、心当たりのある事を教えてください」

「ええ。最初に体調が崩れて来たのは、一ヶ月くらい前だったわ。体重変化……かな…?」


「それは減少?」

「はい」

「あとは……呼吸が苦しい…感じとか……あとは、倒れたけど、数分したら戻って…」


「呼吸困難と失神ね」

「あっ!はい」


そして私はデュラン様に目を向けた。


「デュラン様の容態を先ほど見させて貰いましたが、あとは黄疸(おうだん)、それと、腹水も見られるわ」


「黄疸?腹水?」訳が分からない顔をしていた。

「黄疸は外見上、黄色くなる状態です。腹水は腹部に水がたまり膨張する事」


「は、はぁ…?」やっぱり良く分からなさそうだ。



そして私は気を集中させ、魔素を集める。集めすぎによる爆発が起きないよう、恐る恐る、透視をイメージする。


(出来た……)


そして私はデュラン様の体内の様子を視て、解除する。

そして耳を澄ませて、デュラン様の心臓部分な当てる。


(心臓の雑音に心臓の肥大……確定ね)


「エミリア様、どうですか?」

「ええ、これでもうデュラン様の治療に取り掛かれるわ」


そう言うとエリーゼの顔がパッと明るくなる。

その顔を見て何となく私は安堵した。


「デュラン様は『心臓弁膜(しんぞうべんまく)(しょう)』で間違いないかと」

「心臓……弁膜………しょう?」

「ええ。デュラン様にはチアノーゼが生じられて、心臓の音を調べた所、心臓弁膜症、特有の雑音が見られ、透視をした所、心臓が肥大していました。それらから、心臓弁膜症と判断しました」


「それで…治療法は?」少し分かりにくかったようだが、やはり治療法を聞くようだ。


「あるわ。まず、デュラン様の症状は軽度なので、薬の投与で様子を見ましょう」


そのかおは、心から安堵していた。


「明日から、また様子を見に来るわね」

「はい!」


その日は薬の投与の時間帯や注意点を教え、薬を渡してお開きとなった。


★★★


「あら?帰ってきたの?」帰って早々に妹に出くわした。

「ええ」

「貴女の事だから、きっと失敗したんでしょうけどね」

「あら、そんなことは無いわ」

「はっ。冗談として受け取っておくわ」


そう言って、エミリーは離れて行った。

何だかこの生活にも慣れてきたわ。


でも、私は出来損ないだから、いっつも、一人。使用人も嘲笑うから、本当に不愉快極まり無いわ。



その日の夜、私はデュラン様の容態を日記にかいたりした。

デュラン様の容態が、改善してくれると良いのだけど……。



★★★


「お邪魔します。エリーゼ様。デュラン様の容態は?」

私がノックをしてから開けると、エリーゼ様は、嬉しそうに立っていた。


「デュラン、とても良くなってるの!!」


その言葉を聞いて、一安心する。


そして、そのさきには昨日までは起き上がれなかったデュラン様が起き上がっていた。


「あんたが………」ん?


「なあ、姉ちゃん。本当にこいつが俺を診てくれたのか?」

「こら!こいつだなんて読んではダメよ!」

「だってよ~何か間抜けそうだし、貴族だし~~」んん??

「デュラン!!ごめんなさい、エミリア様…」


「い、良いのよ」何だかムッとしたのは抑えて置こう。


「さて、デュラン様。熱を測らせていただきますね」そう言って、私はデュランな額に私の額を合わせる。


(うんうん。温度は昨日よりも落ちている方ね。良かったわ)


「おおおおい!」突然引き離されるもんで吃驚する。

「な、何ですか!?」吃驚するわ!

「何でって……お前な……もう!姉ちゃん。やっぱこいつは無理だよ!」

「エミリア様、気にしないでください。きっとデュラン、照れてるんですよ」確かに顔が真っ赤だもんな。でも、これで熱が上がるのはちょっと………


「すみませんでした。額の方が体温をチェックしやすいので。それにしても診ていた全員かこの反応なんですよね?何でなんだろう」


((それは自分でも分かっているはず……!))

エリーゼ、デュランがそう思ったことは口に出さないで置こう。




それから一週間。

私は必ず診察に来ていた。

デュラン様の病気がまだ、軽度で良かったと思う。

薬の投与のお陰もあり、日に日に良くなっていた。


「そろそろ、薬の投与も様子を見た方がいい頃ですかね」

「そうですか、ありがとうございます」


「そう言えば、エミリア様は、どうして誰かの治療をしたいんですか?」突然の質問だった。


「ん~~?人それぞれによるけど、私は楽しいからかなぁ」

「楽しい?」

「うん。誰かを治して、元気になったら嬉しいじゃないですか。そのときに誰かに感謝される時がとても嬉しくて止められないの」

その言葉を聞いて、エリーゼ様は、目を輝かせていた。


「そう……ですか……!」

何だろう?


「デュラン様の容態を見てきますね」

「はい」


何だか、ため口になってきて気がする。


「デュラン様。大丈夫ですか?」

「ああ、早く外で散歩したい」

「まだ、リハビリが終わってませんよ?」

「そうだったな」


「ふふ」

「何だよ」デュラン様が怪訝そうに私を見つめる。

「いえ。ただ、最初の頃よりも素直になったなぁ、と」

「嫌みか?」

「まさか。少しずつだけど、心を開いてくれてるから嬉しんです。デュラン様には、早く病気を治して元気になって貰いたいですから」


「それはナースとしての?」

「使命です。絶対に、治して見せます」

「なので、デュラン様も、決して諦めては行けませんよ?病は気からって言うので」


「病は気から?ってなんだ?」

「え!?いや……何でも」この世界ではこの言葉はないのか!

「言え」

「え~~でも、良いですよ。まず、落ち込んでいたら、病気になりやすいって事です。まあ、どんな病気でも絶対に、生きると言う思いがなければどんな病も治りません。生きる希望さえ持っていれば、明日も生きようと、生きたいと思えるんです」


前世では、ずっとそうだったから。

でも結局願いは叶わずに、死んでしまったけれど、人生に悔いはなかった。だって、こんなにも自分自身のいきれる希望が生きていたんだもの。私は決して忘れたりはしない。


「例え、叶わなかったとしても、その気持ちさえあれば十分。

まあ、私が病気を治すので心配はしないでください。私が絶対に、デュラン様を元気にしてあげます」

そう、微笑みながら言うと、デュラン様は、少し、目を見開いて安堵したような顔とすこし照れていた。多分


「じゃあ、期待してる」

「勿論」


「それでは、デュラン様の体内の確認をしますね」

「ああ」最初よりも抵抗がなくなっていた。


(心臓の肥大は大丈夫そうだわ……あと、他……!…嘘…でしょう?)


私はあるものを見て、体内の確認を止めた。

そして急いでエリーゼ様の元へ向かった。


「!?あら、どうしたの?エミリア様」急には入ってきたので吃驚していた。

そして、私は頭を下げた。


「申し訳ございません」

「え?何?」



そして、私は軽く息を吐く。






























「デュラン様のもう一つの病気を見落としていました」














「え………じゃあ、病気は分かっているの?」

「はい。恐らくは『原発不明癌(げんぱつふめいがん)』かと」

「原発不明癌?」

「はい、そうです。体内にがんが存在しているにもかかわらず、それが最初に発生した臓器や組織がわからない癌のことを、原発不明がんと呼びます」


「……大丈夫なの……?」


「っ……原発不明がんの発生頻度は悪性腫瘍全体の1~5%とされています。すでに転移しているため、手術や放射線で根治できる時期を過ぎている場合がほとんどです……治るかは、癌の原発場所から突き止めなければなりません」


[悪性腫瘍(あくせいしゅよう):生体内の自律的な制御を受けずに勝手に増殖を行うようになった細胞集団]


[腫瘍:個体の中に発生して、自律的な異常増殖をする細胞の集まり]


「そう………エミリア様は、デュランを助けてくれますか?」

「…!勿論です。私の見逃しが原因なのですから、最後までやり遂げるのが、私の役目です」


きっぱりと言うと、そう、と言って、微笑んだ。



「私はこれで決心が決まったわ。エミリア様には、デュランの専属ナースになってくれますか?」


「へ」間抜けな声が出てしまった。


でも、この選択は一択。


「勿論」

「良かったわ!」そして、エリーゼ様がパンパンと音を立てると、急に人が入っていた。


「な!何なんですか!!」

「大丈夫よ。この人たちは、私たちのみかたですから」

「は?」

「さあ!デュランを連れて隣国へLet's Go!(レッツゴー!)


「よく分かりませんが、大丈夫なんですか!?」

「大丈夫。こっちで話はつけとくから」



「と、と言うか、今まで何で平民として…!」

「それは、まだ秘密と言うことで」



「は、はぁ……?」



そしてガチャりとドアが開く。

現れたのは、車椅子に乗って、あの人達が押して来た。


「やっと、正体現したんだね、姉さん」

「ええ、改めて自己紹介するわ。隣国の第二王女、エリーゼ・リゼルと申しますわ」その姿勢はとても貴族令嬢らしい。

それにしても、今までの平民の様子は物凄く演技が凄い!


「デュラン・リゼル、隣国の第一王子」


ん~~?あれ?そう言えば、王女?王子?隣国?ん~~?

もしかしてだけど、私、隣国の人達と気軽に話してたの!?!?


嘘でしょう…?


「嘘だと思うなら、着いてきてね!」

「本当に強引……」少し、デュラン様は、引いていた。

「いいのよ。本人には了承貰ったし」

あ、そういうことね。


前世の記憶を思い出したきっかけで転生した出来損ない令嬢、エミリア・マルティ。エミリアのナース物語が始まる。





最後まで見て頂いてありがとうございました。

参考資料はドクターファイルです。

気になったら、見に行ってください。

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