表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪夢  作者: 中井田知久
4/4

僕。いい子だよね

目が覚めると部屋は真っ暗で、ぼくはベッドにひとりぼっちでいた。ぼくは泣いていた。

夜の暗さに恐さを感じた。ぼくはあわててベッドを抜け出して、急いで階段を降りて、明かりの点いている居間のドアを開けた。

 お父さんとお母さんが居間の椅子に座っていた。

「どうしたの?」

お母さんはぼくに近付いて言った。

「怖い夢をみたんだ。」

と、ぼくは泣きながら言った。

「そう。もう大丈夫よ。」

と、お母さんは微笑んで言った。そして、抱きしめてくれた。おなかの赤ちゃんの体温を感じたように思った。

「ぼく、お父さんとお母さんの子供だよね。」

とぼくは泣きながら言った。お母さんは驚いて、言った。

「ええ。あなたはお父さんと私の子供よ。」

「ぼく、いい子だよね。」

と、お母さんに言った。

「ええ。あなたは世界で一番いい子よ。」

お母さんはぼくを抱きしめながら言った。

「遊園地に連れて行ってくれる?」

と、お父さんの方に向かって言った。

「ああ。お母さんから聞いたよ。明日、みんなで遊園地に行こう。」

と、お父さんは優しく言った。

「喉、かわいた。」

と、ぼくが言うと、お母さんが冷蔵庫からペットボトルの水をだして、コップに注ぎいれてぼくに渡してくれた。ぼくは一気にそれを飲み干した。涙をお母さんは拭いてくれた。

やっと、ぼくは安心した。

「今度、生まれてくる赤ちゃんは女の子だよ。」

と、ぼくは、お母さんに言った。

「あら。女の子がいいの?」

と言って、お母さんは笑った。お父さんも笑っていた。ぼくも笑った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ