5
ひえ!
かなり放置してたのですが…ブックマークを付けたり、評価の☆を入れてくれてて…
ビックリやら嬉しいやら…
終わりたい死に方へ目指せるか…悩んでたら…なかなか書けなくて…
足掻くとは思うのですが…
主人公がいずれ死ぬ予定です。それでも良ければ読んで下さい。
シリアス過ぎる事は目指してません、アルタは死ぬ為に生きてはいませんので。
「お前は、ダンジョンに行く為に俺を雇うのか?」
俺はバカな質問とは思いつつ、改めて確認する…
「はい、変かとは思うのですが、お願いします。」
アルタは俺に頭を下げる。
貴族の礼ではないが、深々と気持ちを込めているのは感じる…
意味が分からない依頼だが、勇気がいる。
神様のイタズラか、自然とこいつのペースに巻き込まれている…
アルタをマジマジと見る。
燃えるような赤の髪が目立つがそれ以外は普通だ…町ですれ違っても他の人に溶け込むだろう…
いやなにかしら違和感がある、改めて観察する。
こいつは飲んだくれ親父と二人暮らしだと言った。
服は下級冒険者の装備でかなりくたびれているが、洗濯はきちんとされ髪も肌も清潔を保っている?
下手な町娘より小綺麗だ…
まだ成人もしていない子供が自分で清潔を保っている…組織なんかがこいつを囲っている?
耳に意識を集中する、周りの気配を探る…
ん?
近くに隠れている気配は感じれないが、今目の前のアルタの気配が違和感がある。
目で見る情報量に対して、えらく希薄だ…脈うつ脈拍、呼気、心拍の音が…
意識して希薄にしているのか?訓練して出来るには無理がある程だ。
鼻を意識する。
1つのものから色んな匂いがするのは当たり前だ、汗の匂い、口の匂い、脂の匂い、武器の匂い、服についた食べ物の匂い…
ギルド内は匂いに気を付けない男達の溜まり場だから臭い、避けたい場所だ。
しかし、依頼を受ける時に必ず依頼人の匂いを確認する。
一緒に行動するなら匂いも情報だ。
犯罪の匂いがあるか依頼人や周囲の人間から依頼を受けるか判断する。
体臭は意外と誤魔化しがきかない、擬態とか変装など見破る事も出来る。
これにも違和感がある。
工作員が使う薬やこびりついた血の匂いはしないのは受け入れる基準だが、目の前のアルタから殆ど匂いがしない…
背中を汗が流れる…なんだこいつは?
こんなガキは見たことも会ったことがない…本当に人間か?
昔、俺を殺しに来た暗殺者を思い出す。
気配を消すのを意識してか、息を殺し過ぎて青ざめた顔の暗殺者…
何人も殺してきたのだろう、染み込んだ血の匂いを誤魔化す為に燻した香りをわざと身に纏っていた…
俺の鼻は誤魔化したり出来なかった…
獣人にも負けない嗅覚が俺にはあると言うのは知られていない…
後天的に学び、嗅覚強化を教えてくれたのは他国の人嫌いだ。
嗅覚で助かった事は何回もある。
気配で分かると誤魔化して、嗅覚対応されないようにしてきたが…
ああ…
俺も焼きが回ったな、このガキはヤバイ…関わっちゃならない存在だ…
受けると言った手前、安心出来る材料を探してたが、逃げたくなる理由しかない…
ギルドマスターを見る。
俺を可哀想な奴として見てやがる。
ああ、そうだよ可哀想な俺だ。
だが、ギルドマスターお前も可哀想な奴だなこんなガキを馬鹿な奴だと突っぱねる事が出来ないんだからな…