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「悪いが、辺境卿に会ってはくれないか?」
ギルドマスターが俺に聞いてくる。
ギルドマスターの顔を見やる、
確かに情報はとても大切だ、だが、今それが必要か?
「会う必要あるか?こいつの過去は興味がないし、明日の朝には出るから暇はない。帰ってからで良いだろう。」
「え?」
ギルドマスターは困った顔で固まった、今辺境卿に会う意味がないように感じる…
アルタの持つ異常性を、言葉で表す事が出来るか?
辺境卿に話を聞いてくれと言ってたが…聞いた話だろ?アルタから分からないなりに直に聞く方が早い。
ギルドマスターでさえよく分かってなさそうだしな…
ダンジョンがある方へ意識を回す…
これが、なんなのか…嫌な予感だけが首の後ろがチリチリする…
俺がこんな感覚を感じるなんて…
レッドドラゴンを見つける前にした感覚に似ている…
S級に手がかかるくらいから、この感覚を意識出来るようになった…
隠しても隠しきれない魔力や殺意なんだと思われる。
魔法を使うのは貴族か、魔方陣で起動する魔術師くらいだ。
俺もダンジョンでドロップした魔剣で火魔法を使える。
理屈はよく分からないが…
魔法を魔剣に頼っている俺が魔力が分かるっても変だが、経験値の差だと思われる。
魔力を視覚や感覚で感じる、そんな力があるなら欲しい、手に入れれたらそいつは一流になれる。
何回か実践でも感じる感覚をS級の冒険者や宮廷魔術師にそれとなく聞くが、魔力を感知する話はバカにされた…
しかし、一番物知りであろう、魔法バカには実験台になりそうで言えてない…
ふと考える、もしかしたらスタンビートか?ダンジョンから魔獣が溢れるやつか?
何回か救助要請で駆けつけたことがある…
スタンビートなんか始まる時なんか分からない、突然溢れる。
かつて駆けつけたダンジョンからも似たような感覚を感じた。
もしかしたら、異変は前もってあったのかもしれないが、今までスタンビートの前兆を把握出来てただろう町や人はスタンビートに滅されて、なかなか研究されてない。
ダンジョンの近くに冒険者の荒くれ者達の町しか作られてない。
農村など近くにはない。
ダンジョンの恩恵があるが、冒険者でも突然のスタンビートに逃げるしか出来ない…数の暴力に対抗出来ない…
この辺境の町は外壁を高く強固に作り、スタンビートに生き残っている稀有な町だ。
スタンビートの情報を辺境卿から聞けるのか?それならギルドマスターで充分だ。
もしかしたら、この感覚をアルタは分かるのか?
ダンジョンがピリピリする感覚を発するなんて…他の奴にどう説明したら良いか…
もし、アルタが生き残り、スタンビートならば、魔法バカにアルタを会わせても良いかもしれないな…
あの魔法バカなら理解出来るかも、悪い奴ではない、俺が苦手なだけで…
まあ、アルタはほっとくのはダメな存在だ…
ああ…なかなか話が進みません…
まだらっこしいですが…ここまで読んで下さり有難うございます(^_^)