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1章:5TIME MACHINE

毎度稚拙な文章でごめんなさい。今回、出来るだけ読みやすく、状況接写を詳しくしようと試みてみましたが、かつて無い程の長文になってしまったため一時断念。おいおい修正します。

18日午後4時、雨宮 京―――


「随分と派手にやったな?」


先程、敵の小隊が使用し、一帯から魔力を奪った謎の白い箱型の装置を調べながらニヤリと笑い話し掛ける山久。

派手にやったとは50人近くいたサイボーグ達を短時間で消滅させたことを指している。

痕跡を消した後は直ぐにアジーンとの同調を解き、人の姿に戻った。


「消しておかなければ後々面倒だっただろう?明日の出発までに干渉してくる不確定な要素は排除しておきたかった。それに俺がこれから依頼を成功させれば此処に来たことも無かった事になる」


赤嶺から受けた依頼は過去に戻り、今回の事件の元凶を排除して過去を変える事。

もしそれが成功すれば、俺は此処に来ることもなく、先程の奴らと衝突することも無いだろう。


「確かにそうだが、あの子達を過去に連れていくのならこの事があの子達の記憶に残るぞ?」



装置を調べ、ふむ、とあごに手を当てながら再び問い掛ける山久。


「それが何か重要なことなのか?一応此処に来るまでの道中で依頼次第では人も狩ると言った。今さら隠してどうする?」


とは言ったものの、直接現場を見せていない辺り、自分にも言動に矛盾を感じる。


「不器用な奴だな・・・」


何か哀れむような視線を向けてくるが京にはその意味が分からなかった。


「ふむ、こいつは随分と手が加えられているようだ・・・」


あれから全員再び地下施設に戻ったが、自分だけ一人外を散策してからかなり遅れて帰った。

後から山久に聞いた話ではサイボーグ達は神楽の説明では京の能力で異次元に飛ばされた、ということになっていた。

皆、道中で京が車や武器を異次元から呼び出したりしていたのを見ていたため、疑いもしなかったらしい。

別に事実を知られても何とも思わないのだが、さして不便もないため話を合わせておいた。



18日午後7時―――


風呂上がりにズボンだけ履いて上半身は裸のまま電気も付けずに誰もいない中、ベッドに倒れ込む。

他の面子は隣の部屋で騒いでいるのだろう。

ふと、体からエネルギーが枯渇していることに気付き、空間に魔力の塊をぶつけ、個人的に使っている異次元とのゲートを繋げ、緑のラピスを取り出し口に放り込む。


「・・・辛いな」



きついミントのような味でとにかく辛い、それだけしか味がしなかった。

だが、摂取して直ぐに効果が現れ、先程より格段に体が軽くなる。


「ふぅ・・・」


自然とため息が出る。

久々に一人になり、張り詰めていた意識の糸が切れると、そのまま意識は薄れていった。



午後7時30分―――

「・・・・く・・きて・・み・・・く?」


何だろう、誰かが何か言っているようだが、いまいち意識が半分以上ないため認識出来ない。


「・・みや・・ん」


軽く体を揺らされ、意識が覚醒する。


「・・・起きて、雨宮君?」


なにやら泣きそうな声に、異常を感じ慌てて目を開け、跳び起きると顔を赤くした聖がベッドの横に立っていた。


「キャッ!」


それに合わせ叫び、そのまま気絶してしまった。


「おぃっ!?どうした石崎!?」



一体どうしたのだろうか?何か持病でも―――?


そこで京は自分の体を見てその理由に気付いた。

服を着ていない。


「あぁ、服着てねえな」


思い出してベッドに放り出されていた服を着る。

そういえば疲れてそのまま眠ってしまった、服を着てなかったことを思い出す。

京の体を見て羞恥のあまり卒倒してしまった聖。

肉親以外では初めて見た男の身体である。


さらに、18歳と若々しくかつ執拗に常軌を逸脱するほど鍛え上げられている京の肉体は艶美で妖しい色香を放っていた。

だが京自身はその事には気付いていなかった。


その後原因を理解してなかった京は聖が持病で倒れたと思い込んでいたため、光属性の回復魔法をかけ、そのまま背負って隣の部屋に運んだ。

女部屋に入ると島が顔を赤くしている聖に目ざとく気付いた。


「おぉっ!?石崎、なんか顔赤くね?」

「うぉい!?本当じゃ!!京に何をされた!!?」



「マジかよ!?雨宮ってそういうことに興味なさそうな顔してやることはしっかりやってんのな」


それに便乗し、掻き回す山久。

言われのない誹謗中傷である。

確かに、落ち度はあったが・・・


「はぁ?確かに些細な失態は犯したが俺は何もしてないぞ?」


些細な事故。

島と山久が付け入るには十分だった。


「おぉっ!?事故に見せ掛けて押し倒したのかっ!?」


「若いのう・・・だが、お嬢ちゃん達、騙されちゃいかんよ。こいつは至近距離で対戦車ライフルの直撃を受けて生きてるような男じゃ、ただ普通に転ぶ等、有り得んよ」


対戦車ライフルの直撃を受けたとは、先程の昼下がりの出来事の事だ。

アジーンと同調した状態では魔力を纏わずとも純粋に甲殻だけで核爆発並の威力すら凌ぎ切る。

対戦車ライフルなど、訳もない。


ブチッ


なにやら切れてはいけない物が切れた音がする。

と、同時に地に屈する二人。


「「グェェェ・・・」」


京が得意の重力魔法を発動させたのである。


「安心しろ、殺しはせん、俺は慈悲深いからな。そのかわり、死なない程度の威力で長時間悶え苦しむがいい」


床で潰れている二人に冷酷に言い放つ。

どちらかと言うとさっさと殺したほうが慈悲深く見える状態だが、誰も二人を助けなかった。


程なくして意識を取り戻した聖はいきなり質問攻めに遭う。



「聖ちゃん、何があったの?」


極自然な感じで紗耶香が食器を運びながら聞く。


「えっ!?・・・あの、その・・・雨宮君を呼びに行ったら、上に服着ないで寝てて・・・」


あたふたとそこまで言って思い出したのか、顔を赤くして俯き黙り込む。


「な〜んだ・・・それだけかぁ・・・」

「聖に期待した私が馬鹿だったわ・・・」


大袈裟にがっくりと肩を落とした舞と美伶。

だが、その目は妖しく光を放ち、口角を吊り上げて笑っている。


「「教育が必要ね!!」」


揃って何やら訳の分からない事を聖に宣言する二人であった。


やたらと豪勢な夕食の後、珍しく改まって話し出した山久。


「京、急で悪いのじゃが・・・日程が決まった」

「ほぅ・・・?いつだ?」

「日付が変わると同時に、じゃ」


予想はしていたが・・・また随分と急な日程だ。


「随分急だな・・・?昼の事が原因か?」


予想は的中しており、昼にテストと称して戦いを挑んで来たサイボーグ1個小隊を葬り去った。

このことがどうやら軍部上層の耳に入り、露骨に圧力をかけてきているらしい。


「そうか・・・。で、俺は半年前の魔界に行くわけだが・・・結局お前達はどうするんだ?」


今まで、皆分かってはいたが、ずっと先送りにしてきた問題。

京に付いて魔界に行くか、はたまたこの怪物に支配されつつあるこの混沌とした今の世界に留まるか。

簡単に出せる答えではない。

だが、皆はもう答えを出していた。

ちょうどさっき京が一人で眠っていた時に、山久と香奈芽にも相談しながら。

京には言ってなかったのだが、香奈芽は京に付いて行くらしかった。

山久の差し金で京に断られたとしても無理矢理付いていくことになっている。

そんなちょっとした安心材料も加わり、答えは即決した。


「付いていくに決まってるだろ!?此処まで足を突っ込ませたのはだれだよ、おい!?」


島が言いながらキレる。


「むぅ・・・俺はそんな事をさせた覚えは無いが・・・それはお前達の総意なのか?」


分かってはいたが、と一応念を押す。


「当たり前でしょ?こんな大事なことは多数決じゃ決められないわ。それに、聖の貞操に危機を与えた責任はちゃんと取ってもらわないと。ねぇ、聖?」


前半真面目な表情で話していた舞だが、最後には山久のような好色じみた顔で聖をからかう。


「そうそう、うちの聖の貞操は高いよ〜?」


二人にからかわれ、聖の頬が再びリンゴのように赤くなる。

この二人、かなりのくせ者である。

そんな感じで最後にはまた馬鹿騒ぎに戻り、あっと言う間に時は過ぎていった。


「そう言えば、報酬はどうやって払う気だ?過去を変えたら依頼自体がなくなるだろう?」

「ああ、そのことか。ほれっ」


ポイっと山久が何かの端末を何処からか取り出し京に向かって放り投げる。


「何だ、これは?」


端末には訳の分からない数字とアルファベットの羅列が表示されていた。


「今年度のうちの支部の特別報奨金枠のパスワードじゃよ。お前の端末からそれを入力すれば、自動的に支部の電子マネーがお前に動く。勿論足はつかんよ」



19日午前零時地下20階時空転移室―――


山久を除いた先程のメンバーがこじんまりとした部屋に押し込められていた。

魔界には物を持ち込めない、と皆手ぶらだった。

魔界について余り知識のない香奈芽が銃火器を持ち込もうとしたが、向こうには持ち込めないと京に止められていた。

基本的に物は異界へは持ち込めない。

どういうわけか分からないが、次元同士を繋ぐゲートは無生物は基本的に通さない。

衣服すらも、だ。

その部屋の中央には訳の分からない奇抜な装置が据えられており、その中央には6つの魔力石がセットされていた。

この奇抜な形は過去に存在した時を自在に操れたという大悪魔クロノスを模したらしい。

この山久の開発した装置は時空を歪め、過去や未来に時空航行が可能だと言う。

だがエネルギー事情や倫理的観点等の色々な問題から使用されたことは一度も無い。


「大丈夫なのかこいつは?」

「理論上は完璧だそうです」


懐疑的な京の疑問に山久からの受け売りを話す香奈芽。

理論上は完璧。

過去に何人の科学者がそう断言して失敗したことか。

下手をすれば自分達は事故に巻き込まれるかもしれない。

そう考えると背筋が凍る思いがするが、もしかすると自分達は歴史上初の時空航行を体験する人間になるかもしれないのだ。

無理矢理考えを切り替え事を進める。


「・・・まぁいい、で、どうやって起動するんだ?」


未だ渋い顔をしたままの京に香奈芽も苦笑いしながら答える。

どうやら彼女も釈然としないようだ。


「起動自体はあの中央にあるスイッチを押せば良いらしいのですが、現在の状態では魔力が不足していて起動が困難らしいのです。ですので、先ずは魔力石に魔力を注ぎ込んで、それからスイッチを入れれば・・・」


と言いながら中央にある赤いクリスタルを指差す。こんな装飾や造形に無駄な開発資金をかけるならそれを魔力石の用意に充てろとこの場にいない山久に対して怒りが沸き上がるが、この場にいない者に対して憤怒を撒き散らしても仕方がない。


「分かった。じゃあ誰が―――」

「よっしゃ!じゃあ俺がやってやるぜ!!」


突然島が会話に乱入し、魔力を注ぎ込む役を引き受ける。

機械に向かって右手を突き出し左手をそれに添え、いかにも、といった感じのポーズをとる。


・・・魔力を精製しているのか?


京がそう感じ取った時だった。


「ウォリャァァァ!!」


ボワン!


右手から何かぼんやりした今にも消えそうな白い煙のような球体が打ち出され、直ぐさま機械に備えられた魔力石に吸い込まれる。


「よっしゃ!こんなもんか!!」

「「えぇぇぇぇ!?」」


4人共驚いて声も出なかった。

散々魔法とやらを見せ付けられて存在は受け入れていたが、まさか身近にいる人間が使うとは思いもしなかったのだ。

だが他に英司も少しながら魔法を使えたりする。

実は昨晩、寝静まるまでの間に男部屋で島と英司が遊び半分本気半分で魔法を微小ながら発動させていたのを京が見つけ、それならばと少し手解きされたのだった。


「どうよ?」


と自慢げに香奈芽を見る島。


「はい―――」

「うんうん」

「魔力が―――」

「うんうん」

「全然足りてませんね」

「うぉい!?」


思わずずっこけた島の体を張ったリアクションだが、華麗にスルーされる。


「必要な魔力の10%程度にしかなってませんね」

「んな阿呆な・・・俺今全力でやったぜ、おい!?ってか俺の体を張ったアクションは無視ですか!?」

「いえいえ、魔力の存在を知ったのが数日前で魔力石の10%もの魔力を操れるのは凄いですよ?私でも90%程が限度ですし・・・」


島は実際には10%以上の魔力を放出したのだが、何分魔力のコントロールが下手で半分近くがあらぬ方向へ放出されていた。

その結果殆どの魔力が吸収されずにこの数値と言う訳だ。

香奈芽の90%と言うのは魔力を操れる人間としては非常に優秀な通常のBランクのハンターに匹敵する数値で、若干23歳にしてAEIOの軍人として最前線に配置されていた事を如実に物語っていた。


「では、僭越ながら後は私が」


香奈芽が前に進み出て機械に向けて魔力を放出する。


「ハァッ!」


気合いの入った掛け声と共に、島の時とは違いはっきりとした魔力の塊を断続的に魔力を放出し続けているため、その様は白いビームを手から放っているようだった。

放出と同時に周囲の魔気を精製する。

そうして新たに魔力を作り出しながらもそれも惜しみ無く出し切る。

体に貯まる邪気がもう限界かという時、最初にスイッチと言った赤いクリスタルが強く光を放ち輝き出した。

それを見て香奈芽も魔力の放出を辞める。


「ふう、なんとかイケましたね」


くるりと京達の方に向き直り、満足げに微笑みながら言う。

京がこくりと頷いてそれを肯定すると香奈芽はクリスタルに手をかけた。


「では、皆様いいですね?装置を起動すればもう後戻りは出来ませんよ?」


皆の目を見ながら問い掛ける香奈芽に一同は力強く頷く。

それを見て香奈芽は何となく諦めたように頭を振った後、クリスタルを強く押し込んだ。


バチッ・・・バチバチバチバチッ!!


セットされていた魔力石同士が共鳴し合い、物凄い光を放つ。


バチバチバチバチッ・・・グォーン・・・バシュンッ・・・


何かが破裂するような音がして急に身体が上に引っ張られるような感じがする。

たったそれだけだった。

同時に中央の装置も消えていた。


「えっ・・・これだけ!?まさか失敗したの!?」


拍子抜けしてしまい、舞が香奈芽に問い掛ける。



「いや・・・どうやらそうではないようだ」


と自分の情報端末を見ていた京が答える。

端末は1月4日午前0時を指していた。

日時はリアルタイムに更新する電波時計なので狂いは無い。

予め設定されていた日時ちょうどだ。


「って事は俺達は人類史上初の時空航行者になるのか!?これで俺達もかのロシアのガガーリンみたいに有名人に・・・!!」


一人浮かれて騒ぎ出した島に京が無情とも言える事実を告げる。


「確かにそうかもしれんが、これから依頼を達成すれば未来の俺達は過去に戻る必要が無くなる。つまり公式にはこの事は記録されないな」

「No〜〜!!」


文字通りOTL状態になる一名。

だが誰も相手にしない。

これから魔界に行くと言うのにそんな馬鹿に付き合う余裕は無いのだ。


「では、ゲートを開く。・・・少し離れていろ」


7人を壁際まで下がらせると、先程まで、正確には未来に装置があった空間に進み出て、先程香奈芽が放った魔力とは桁違いの魔力を右手に集める。

その魔力には圧力をかけて圧縮されており、物凄いエネルギー密度を誇る。

それを目の前の何かもない空間に叩き付け、圧力から解放する。

圧力から解放された魔力が叩き付けられた衝撃で激しく振動し、無秩序に飛び回り魔力同士が衝突を繰り返し瞬時に莫大なエネルギーを生み出す。


バリバリバリバリッ!!!


叩き付けた次の瞬間に突如縦横2メートル程の黒いゲートが現れ、その境界では常にバチバチと放電が起こっている。

これでゲートが繋がったのだ。


「これが・・・ゲート・・・?」

「私も初めて見ました・・・」


繋がれたゲートからは魔界からの濃厚な魔気が溢れ出しており、今まで魔気や魔力を感じられなかった舞達にもその圧倒されるような気を感じ取った。


「ゲートは人里から離れた場所に繋げた」


淡々と言うその声に感情は篭っていない。


「どうしてよ?町とかにした方がいいでしょ!?」


と言う舞に皆そうだと頷くが、京の一声でそれが正しいと分かった。


「伊沢・・・お前、いきなり全裸で街中に飛び出したいか?」


もちろん誰もそれ以降反対しなかったが新たな問題が持ち上がった。

仲が良いとはいえ、異性に裸を見られるのは嫌だ、ということだった。

島は問題無いの一点張りだったが、舞に説得もとい折檻され、最終的には意見を改めた。

途中助けを求めるような視線を京や英司に向けるが、汚いものを見るような目で見られたり、舞に怯えた英司は目すら合わせなかった。


「当面は魔法で隠す。その後近くの街か村まで行ったら俺が服を買ってくる・・・それでいいか?」

「いいけど、どうやって雨宮君は街に入るのよ?それにお金は大丈夫なの?」


確かに魔法で隠してるとはいえ、それで街などに入るのは問題がある。

おまけに金だ。

何をするにも金が必要な現代で育った舞達には無一文とはかなり不安なのだ。


「アジーンと同調すれば問題無い。皆、魔人族とでも思って気にも留めんだろう。金も心配するな、換金出来る物を持っている」


全身甲殻に覆われた状態なら誰もそんな事は気にしないだろう。


「へぇー。で、換金出来る物って?」

「・・・色々だ」



答える時に若干目を伏せる。

何やらとんでもない物のようだ。


「と、とりあえずだな・・・先ず最初に俺がゲートをくぐる。それから・・・1分は待ってから、神楽、女子4人、男2人の順に来てくれ。あー・・・神楽、4の分の魔法を頼めるか?」

「魔法、と言いますと?」

「身体を隠す魔法だ。光を歪めて見えなくしたり、霧を纏うなり、いろいろあるだろ?」

「あ、はい。分かりました」

「じゃあ頼んだぞ」


それだけ言い残してゲートを潜り消える。


「なんで一分待つんだよ!?」

「おそらく、周囲の安全確認の為かと・・・」

「安全確認だぁ?」

「えぇ、魔界にはいたるとこに魔族、主に魔獣族が棲息してますので。魔獣族の中には人を襲う害獣指定されているものが多いんです」


魔界の生態系の大部分の中下層を閉める魔獣族、その魔獣族をさらに細かく分けた種に区分したものの内、人に害を成すものには危険種や害獣種などまた違った分類をされ、魔界のハンターの討伐対象になったりする。


「えぇぇ!?それってかなりやばいんじゃ・・・」

「確かに、遭遇すれば危険ですが、そういった種は滅多に人里には近付きませんし、そういった街等にはそれなりの自衛手段がありますので。そろそろよろしいですね。ではこれから私もゲートを潜りますのでみなさんも少しずつ間を置いて来て下さい」


そう言って香奈芽もまたゲートを潜り消えてしまった。

それから少し間を置いてゲートをくぐろうとする4人。


「うぅ・・・今更だけど怖いよ・・・」


そう言って躊躇う紗耶香だが、無情にも美伶に押し出され、ゲートに突っ込む。


「美伶、なんだか最近黒くない?」

「確かに黒いね」

「そんなことないよ?」


ニヤリと笑いながら答える美伶は口では否定していながらも説得力がなかった。


そんな3人もゲートを潜って消えてしまう。


「しかし雨宮のやつ、舞達の一糸纏わぬ姿を見れるとは、羨ましいぜ、チクショー!」

「雨宮君てなんかそういうことあんまり興味がなさそうな気がするよ。経験ありそうだし」

「確かに、あいつ結構モテてるって噂だし裏で喰いまくってんじゃね?」


言われなき誹謗である。


「ありそうで怖いよね〜・・・ってかさタカちゃん経験無いの?」

「そんなもん、ねぇよ!!チクショー!!そう言うお前はどうなんだよ!?おい?」

「無いに決まってるでしょ〜。でも意外だね、タカちゃんが童―――」

「うるせぇ!!」


バシッ!ゴンッ!!


「イタッ!イタタッ!!」


島が英司を引っ叩き、そのまま縺れ合う。


「俺だってなぁ、俺だってなぁ・・・チャンスさえありゃあ!!」


そのままヘッドロックをかけ、暴れ回りゲートに突っ込む。


「うぁぁぁぁぁあ!!?まだ心の準備がぁぁぁあ!!??」

次回からはいよいよ魔界での話です。やっぱり男は下心丸出しのエロエロなキャラがいないと面白くありませんよね?え?そんなことないって?さいでしか・・・以後気をつけまし・・・

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