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1章:4SYNCHRO

今回、少しスランプに陥りました。

ペースを重視して無理矢理文章を書いた為に結果、何時もより駄文の感が強くなってしまってます…

即興で書いてる為、途中設定の矛盾に気付いたり、新しいアイディアが浮かんで添削したりしている内にカオスな文になってしまいました。

このような馬鹿の文章を読んで下さっている皆様には申し訳ないです。


感謝!

18日3時50分、雨宮 京―――


「では―――試合開始!!!」


戦いの火蓋が切って落とされた。

続々と義体内に仕込んである銃火器を露出させるサイボーグ達。

観察していた限りでは打撃系の機構を作動させる者はいない。

その数はざっと50程度といったところか・・・その中には先程騒ぎを起こした連中もいた。


遠距離からの牽制か?

兵法としては間違っていないが、そんなもので俺に圧力をかけれると思ってもらっては困る。

・・・来る!!!


体内に蓄えていた魔力を操り、体表に動く刃を纏い、体から青いオーラのようなものが立ち上る。

先程使った時より纏う魔力を視認可能な普段使用する域まで密度、質を高めた結果、純粋な魔力が可視出来る程までになる。

それと同時に大気中の魔気を取り入れ、精製し、魔力を作り出す。

が、器の容量を越えた魔力が辺りに溢れ出す。


あぁ、どうやら本気で殺すつもりらしい・・・


打ち出された無数の魔力を纏った銃弾が体に触れる直接で刃に捌かれ、霧散する。

それらを打ち出している隊員達は内心怯えていた。

ただ佇んでいる男からは強大な魔力が途切れる事なく溢れ出している。

その魔力に圧倒され、裸眼では直視するのが厳しい、まるで台風の間近にいるように感じる。


「サプライズ」


一帯に撒き散らした魔力に刺激を送り込む。


ガカァアン!


「グァアアア!!」

「ウグゥウ・・・」


散開していた者の中の男達の数人の義体が突如爆発、金属片が飛散し、周りの隊員に襲い掛かった。

先程、気絶していた男達に仕込んだ魔力塊に、撒き散らした魔力にの導体の役割をさせ、爆破したのだ。


「何をしやがった!?」


慌てる隊員達。

練度は高いが、実戦経験が少なく、ちょっとした事態で恐慌に陥る、致命的とも言える欠陥がある。


「落ち着け!第一分隊は装置の起動を急げ!第二第三分隊は攻撃の手を休めるな!第四分隊は負傷者の手当てだ!」


敵の隊長が怒鳴る。

彼を消せば統制は乱れ、楽に勝てるだろうが、それでは面白みがない。


戦いを最高に楽しむには、相手の持てる力、戦略を全て引き出してからでないとな。


自然と口角が釣り上がるのを手で隠す。


いかん、戦いの最中に感情を表に出すとは・・・


その時だ、バシュと言う音と共に、舞台と外界が完全に遮断された。


ほう・・・これはなかなか頑強で強大な結界だな?

しかし・・・四隅の魔力石を用いた産物か・・・魔力石を直接破壊するか周辺の術師達を殺せば消える。


が、面白そうなので好きなようにさせることにした。

そこまで考察したのとほぼ同時に負傷者が回復し、続々と戦線に復帰する。

義体が破損した者は隅に運び終わり、砲撃の嵐が止む。


・・・何をするつもりだ?


「ティターノマキアー、作動!」


不意にガラスの割れるような音と共に体を覆う魔力が崩れ去り、同時に体からもどんどん魔力が失われる。


「ほぅ・・・」


外から取り入れようにも魔気が無くなっている。


ドゥン!


敵小隊長の右腕に仕込まれていた対物ライフルが火を噴き、無防備な京の眉間に命中し、無慈悲な轟音と薬莢を排出する音が響く。いくらSSS級とはいえ、生身の眉間に撃ち込まれれば即死は確実―――京の上体は大きく後方に倒れ込んだ。



スタンドでは聖の悲鳴が響き渡っている。

取り乱す舞達を香奈芽が宥める。


「まさかここであの装置を使われるとは・・・」

「大丈夫ですかね、雨宮のやつ?」


驚いてはいるが心配はしてない様子の山久。


「よく見てみろ、上体が後方に反り返っとるだけでまだ立っておる。死んだならとっくに崩れ落ちとるはずじゃ」

「え!?」


慌てて京を見ると、確かに立っていた。

それどころか、全身がさっきとは違い黒いオーラに包まれ、徐々に上体が起き上がっていた。


「ちょ・・・あいつ、顔がなんかヤバくなってね・・・!?」



半ば倒れかかった状態で静止していた体をゆっくりと起こす。

その途中で眉間から潰れて平になった銃弾が地に落ちる。


「なっ!?契約者だったのか!?」


心底驚いた様子の隊長。

それもそのはず、起き上がって来た京の顔が異形の物と化していたからだ。

起き上がって来た顔は黒い金属のような光沢がある甲殻に覆われ、カッと見開かれた眼は鋭く、瞳が紅くなりさらに爬虫類のように縦長になっていた。


ギリギリだったな・・・

危うく頭を撃ち抜かれて死ぬところだった・・・


纏う魔力の刃を剥ぎ取られ、全身の魔力も奪い取られ、絶体絶命の状況に追い込まれ狙撃を受けた。

既の所でアジーンと同調し、肉体を変化させていなければ確実に死んでいただろう。


周辺の魔力を奪う装置か・・・面白い。


久々に死を身近に感じる程の戦いに興奮が抑えられない。


ゆっくり大きく脈打っていた心臓。

その加速する鼓動1回毎に興奮が高まり―――思考がブレてゆく。

深く、ゆっくりとした規則正しかった呼吸。

息遣いは徐々に浅く、荒くなり、思考が加速してゆき、時が徐々に引き延ばされ―一時が減速してゆく。

平熱だった体温。

代謝が激しくなりそれに伴い徐々に体温が上昇―――理性が薄れ狂気に捕われてゆく。


ゆっくりと前に歩き出す。

1歩1歩自分の姿を見せ付けるようにして。


「「どうやらお前達は本気で俺を殺すつもりで来たようだな。いいだろう、俺をここまで追い込んだんだ、礼を尽くして本気の姿を見せてやろう」」


芝居がかった言い方で、わざわざ本気を出す旨を伝え、恐怖を煽る。


「いくぞ―――シンクロ率100%」


体に纏うオーラが濃く大きくなり、完全に周りから京が見えなくなる。

黒い濃霧の直径6メートル程にまで膨れ上がった球体を前に小隊が静まり返る。


身体が変化していくのがわかる。

全身が刺々しい黒い甲殻に包まれ、骨格が変化する。

それに伴い身体が大きくなり、肩甲骨の辺りから翼が飛び出し、長い尾が伸びる。

手足に鋭い爪が伸び、感覚が桁違いに鋭くなる。


バサッ!


不意に球体を突き破り一対の巨大な翼と四股が飛び出し大きく広げられ、2本の足で地を掴み、球と化していた黒いオーラは完全に霧散し、その全貌が顕になる。

同時に、球体を突き破った頭もゆっくりと擡げられる。


「なっ!?・・・まさか・・・竜族か・・・?」


隊長はそれだけ呟いて立ち尽くす。

自分達では到底手に負えない敵だと悟ったのだ。見るのは初めてだったが相手は竜族だと直ぐに分かった。

見上げる程の巨体に、圧倒的魔力。

先程の人の姿の時の比ではない。

人外の体躯から魔獣族では?と希望的観測をしたが直ぐにその考えを捨てる。

魔獣族には無い、その身体から放たれる強大なプレッシャーは抗う事を許さず、身じろぎすらできなくなる。

訓練所で、悪魔族さえ単体では勝つことは難しい、戦う事になったら即逃げろ、と常々教えられていた。


全高9メートル、翼幅18メートル、全長23メートルの巨体ながら、その身体はシャープで、急所等所々が甲殻が厚くなっているだけで、空力学に則った体躯だった。

その全身の甲殻は漆黒で刺々しく、全身が刃に覆われているようなものだった。

唯一紅く光る瞳は魅入られるような魔性を放ち、見る者を捕らえて離さない。

頭頂に生えた一対の角は冠のようで、力の象徴だった。


・・・行くぞ。


前方への強烈な踏み込みと共に、無唱で強烈な光魔法を発現させ、一瞬にして京の姿が消える。

刹那、前方にいた男達の身体が強烈な衝撃で宙を舞い叩き付けられそれを知覚する間もなく瞬時に絶命。

同時に発生したソニックブームによって、結界内の全ての人間が吹き飛ぶ。

その内、男達に身体が再び地に着くまでに強烈な打撃を加え、痛みを感じさせる事なく命を奪う。

ハンターの男女はそのまま捨て置いたが衝撃で気絶している。別に殺さなくとも十分軍部に対する牽制になるだろうし、女を殺すのは忍びない。


呆気ない。


遺体を無唱で発現させた強力な炎で跡形も無く消し去る。

残った鉄塊は魔力で次元を切り裂き、異次元に飛ばした。

スタンドにいるクラスメート達への配慮だ。

消えた京を次に島達が視界に捕らえた時には全てが終わっていた。

島達には目が光で眩んで何も見えず、目に光が戻った時にはあれだけいた男達が一瞬にして消え去っていたという異様な光景に映っていた。


「なっ・・・一体何が起きたんだ!?」


茫然とした様子で島が言う。

山久と香奈芽は途中で結界が破られていたため、魔力を身体で感じ何が起こったかだいたい分かっていた。


ここまで圧倒的だなんて・・・


香奈芽は京がアジーンとシンクロし、変異して結界が破られた時からその力を感じ戦慄していた。

強大なプレッシャーは矛先こそ自分に向いていなかったが、先日の魔族の器と化した怪物に自分の所属していた小隊が壊滅させられたあの忌まわしい記憶が鮮明に蘇り、身体が固まって動けなくなってしまった。

その矛先を向けられた小隊は恐らくあの時点で意識を保っていた者は殆どいなかっただろう。

フラッシュバックから立ち直った時には強力な魔法で何かを焼き払っているのが分かった。

フラッシュバックといっても一瞬の出来事で、それだけの間に全てが終わっていたことを悟り、改めて純粋な魔族と人間との戦闘能力の格差を強烈に認識させられた。


「少しこの場を頼めるか?儂は下に下りてくる」


横を見ると6人はまだあの強烈なプレッシャーから立ち直れ無いでいた。

最初に襲われたと言っていた時の事を思い出したのか、顔が恐怖に染まっている。

唯一、島だけがそんなに影響を受けていない様子で、気分が悪そうにしていた紗耶香を介抱していた。


今は彼女達を助けてあげるのが私の仕事かな。


そんな気がした。

力強く頷くと山久は魔法で柵を軽々と飛び越えて下の舞台に向かって行った。


さぁ、一仕事になりそうね。


唯一まともな状態の自分に喝を入れて立ち上がった。

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