ノアズアーク 6
前半戦もいよいよ終わりです!イザークとの戦いの始まり始まり!
俺が周囲の炎を剣で集めながら霧散させていき、ジャック・アールグレイはレイピアに風を集めながらそれを巨大なランスにしてイザークに向ける。
イザークはジャック・アールグレイの攻撃を体を炎にする形で回避し、ジャック・アールグレイに向けて炎の槍を投げ飛ばす。
それをジャック・アールグレイは霧を出現させる形でうまく受け流す。
俺は剣を後ろに一旦引き、突きだすための準備に入る。
剣に力を溜めながら大きな突きを繰り出すガイノス流の槍術の基礎技を俺なりにアレンジした応用技を繰り出す。
「牙突【箱】」
前から四撃しながら回り込み、更に斬撃と突き攻撃を箱の形になるように加えていく。とどめに強烈な一撃を更に一撃風の一撃を一機に叩き込む。
イザークの体から大量の血が放たれるが、イザークは執念だけで血を炎に変えていき、それを弾丸に変えていく。
「炎柱!」
炎の柱へと変貌する弾丸を地面に打ち付けていき、俺とジャックアールグレイは素早く左右に呼びながら回避していき、素早く鎧の形態を変化することとした。
黒を基本色とすり『星屑の鎧【漆黒】』に変更する。
四本の剣を出現させながら俺は両手に二本の剣を握りしめる。
ジャック・アールグレイからすれば初めて見る光景だったのだろうが、直ぐに何かを納得したらしくクスクスと笑い始める。
「そうか……黒竜と契約を交わしたのか。その力の使い方からすると風竜とも契約を交わしていそうだな」
攻撃を上手く捌きながら俺はイザークの視界にまわりこもうとする中、ジャック・アールグレイの方は細剣に風の力を捌きながら接近していく。
「文句があるのなら聞くけど?」
「いや………風竜や黒竜の性格を考えれば契約に踏み切るのは不自然ではないと思っただけだ。それより……正面に集中した方が良いぞ」
「炎球【太陽】」
太陽眩さと見かけをいている大きな球体が俺とジャック・アールグレイの間にひたすら降り注ぐ。
爆発するので俺とジャック・アールグレイはひたすら回避する為に走り回り、爆発を俺は剣で防ぎ、ジャック・アールグレイの方は風で熱風を防ぎながら接近していく。
ジャック・アールグレイがイザークの足元に斬撃を加えながら、俺はイザークの側頭部目掛けて蹴りつける。
不思議と俺はジャック・アールグレイの攻撃手段が分かるような気がして、ジャック・アールグレイも俺の攻撃を呼んで邪魔をしないような形で的確に攻撃を加えてくれる。
イザークは苛立ちを募らせていき、大きな叫び声を上げながら炎の竜巻を作り出し、俺は黒い竜巻を作り出す形で相殺しようとし、ジャック・アールグレイは炎の竜巻に睨みつけるように注意を向け、炎から逃げるように出てくるイザークに容赦ない突き五連撃を繰り出す。
イザークは反撃しようと炎の剣を作り出し、反撃しようとするが俺はジャック・アールグレイの背中から竜巻を周囲に向けて大きな風を作り出しイザークの攻撃の邪魔をする。
ジャック・アールグレイは風を追い風にして更に追撃攻撃を繰り出す。
俺は剣を足場にして跳躍していきイザークの体に六連撃を繰り出すために剣を大きく振り上げる。
「スラッシュ・ザ・6th!」
そのままガイノス流斬撃を俺が咄嗟のアイディアで改変したオリジナル技へと変える。
「漸【桜】」
桜の形をイメージした連続斬撃攻撃、合計四本の剣が無数の斬撃に変わってイザークを襲撃する。
体中から血が噴き出していき、俺はそれでも容赦なく斬撃を繰り出していき、イザークの断末魔を聞きながらでも俺の中にある怒りのボルテージが下がることは無い。
最後に一撃をぶつけていき、俺はそれを横に思いっきり切り裂いていき。
「アガァァ!?」
苦しみながら地面に落ちていき、俺とジャック・アールグレイは同時に地面にうまく着地すると、同時に周囲に炎が鎮火していく。
「どうやらあいつが作り出していたらしいな」
「ああ、でも……集落は使えないだろうな」
俺は息を大きく吐き出しながらイザークが落ちた用水路の方から視線を俺の家の方へと向ける。
ジャック・アールグレイが立ち去ろうとする中、ジュリや奈美、イリーナの声がかすかに聞こえてくる。
俺は三人の方へと意識を向けると三人が指を用水路の方へと向けると、今まで見たことも無いほどに真っ黒焦げのイザークが立ち上がっていた。
「お前ら……殺す」
「その傷で俺達に勝つつもりか?言っておくが、ジャック・アールグレイや俺に勝てるとは思えないぞ」
イザークは炭になったような体からドンドン炎が生み出されていき、俺はもう一度剣を握りしめつつ意識を微かに向ける。
ジャック・アールグレイの方はすっかり敵意を失ったらしく、「やれやら」と言いながら立ち去ろうとしている。
きっと俺と同じで勝てるとは思っていないのだろう。
「お前達……を…ぶっ殺す。もう……………どうでもいい!」
体の形状を維持できずに体が今にも崩れそうになっていき、俺はさすがにこれはやばいという気持ちが湧き上がっていく。
「おい!そのまま力を使い始めたら体がもたないぞ!今にも崩れそうだぞ!」
「もう……それでもいい。その代りお前達を道連れにしてやる!!」
体が崩れ去り、イザークの体がただの灰になって地面に落ちていくと俺は言葉を完全に失ってしまった。
どうしようもないようなほど一瞬の事だったが、唖然としている表情のままで固まっていると灰が空へと舞っていく。
空一面が灰色で満たされた気がしたが、俺の心には複雑な気持ちで一杯だった。
すると、灰が一面の炎に変貌すると空に炎で埋め尽くされて、イザークの顔が不完全ながら作り出される。
「フム。信念だけで………このままでは世界中を覆いつくす可能性があるな。殺してやることが優しさだと思うが?お前は世界の人々とあの男を天秤にかけて悩むのか?」
「本当に嫌な言い方をするな」
俺は星屑の鎧を元の色に戻し、緑星剣を一撃必殺の形態に変化させるために意識を集中させる。
俺は大きな弓であるロングボウへと変更し、糸を大きく引きながら俺は作り出された風の矢をまっすぐにイザークの方へと向ける。
イザークは高笑いを浮かべながら苦しみの表情、高笑いを同時に浮かべていて、どうやってもまともな状況ではない。
俺が殺してやることがある意味で優しさになるのだろう。
風の矢はイザークの口の中に入り込んでいき、周囲の空気を圧縮し炎を一点に集めるとそのまま霧散させる。
不思議と怒りが湧いてこなかった。
おかしいとという気持ちは直ぐにやって来た。
俺はマリアに「万里は病院に現れた?」と告げるが、マリアは「いいやおらんが?」と言うので奈美の携帯を借りて万理に電話をするが全く出てくれない。
俺はバイクを真直ぐ中学の方向へと向け、嫌な予感を振り払うように走らせていく。
駄目だ。
嫌な予感がするという気持ちがどうしても拭いきれず。
夕暮れ色に染まる空と周囲の復興へと歩き出す人々の声とは裏腹に俺の心はどうしよも無く不安にさらされている。
中学の前に辿り着くろ俺は真直ぐ体育館のドアを思いっ切り開ける。
すると、そこには血だらけで倒れていた万理が俺の視線に写り、素早く駆け付けて抱きしめる。
「万里!万理!!なんでこんなことに!?」
俺は竜の欠片の力を活用し応急処置をするために傷口に両手を当てる。
血で真っ赤に染まる両手を前に、俺はあの時には無かった新しい椅子に『袴着空』と書かれた紙を見付けた。
「おまえ……なのか?」
俺は『王島聡』と書かれた椅子の方を強く睨みつけ、怒りを宿しながら俺は叫ぶ。
「お前のせいなのか!?王島聡!?」
どうでしたか?最後に万理のエピソードがありましたが、次からは万理、海、奈美、空の四人のエピソードとラスボスである『王島聡』のエピソードを書きながらラストへと向けて進めていきます。では次回お会いしましょう!




