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竜達の旅団≪ドラゴンズ・ブリゲード≫ 【呪詛の鐘の章】  作者: 中一明
ジャパン・クライシス
80/156

侵略者≪インベーダー≫ 1

敵サイドの物語をこの辺から入れていきたいなと思います。

 アメリカ中西部に位置する小さな村が山ごと焼かれるという悲運な事件が発生し、アメリカ軍と警察が鎮火に丸一日以上が掛かってしまった。

 そんな鎮火に協力した一人のアメリカ人が炎の中に佇む一人の人間を見たと証言した。

 これがソラが向こうに旅立ってから一か月後の事件だった。

 後にこの事件に放火犯の疑いがあるという事で事件を調べていると予想外の犯人が浮かび上がった。

 村人の一人にに十代後半の男性が犯人の可能性が高いという結果になり、男性の行方を警察などが調べているとその男性が以前から放火を周辺都市で繰り返していた犯罪者だと判明した、FBIなども参加しての重要な調べが入る事になった。

 しかし、FBIの部隊が焼き殺されるという悲惨な結果に終り、追撃に出た部隊も古屋に追い詰められそのまま建物ごと焼き殺されるという結果に終る。

 事態を重くとらえたアメリカ政府はたった一人に対して軍の戦力を投入する事にするが、アメリカ軍の戦車部隊やヘリ部隊が一人を捕まえる為に送り込まれた。

 しかし、男性は仲間を集い部隊を撃退させられてしまう。

 アメリカ軍の攻撃が過激化していく一方で男性の組織は『ノアズアーク』と名乗り組織化していた時は男性の放火事件から一年が経過していた。

 アメリカ政府はこの『ノアズアーク』のリーダーにして放火犯でもある『イザーク・ベルベット』を国際指名手配犯として世界中で追いかけていた。

 自らを『ミュータント』と名乗り『ノアズアーク』という組織を作った目的として『古い人類を殲滅する』と宣言した。

 『ノアズアーク』と名乗る組織の危険性は素早く世界中に伝播し、日本やアメリカを中心とした掃討用の部隊を送り込んだが、『ノアズアーク』を前に敗北する結果に終ってしまう。

 いつの日か各国の間で『侵略者インベーダー』と呼ばれ始め、更に年月が経った頃、ガイノス帝国から交渉要求が日本政府にやってきた。

 日本政府は『侵略者』との対策に頭を悩ませる結果になったが、いったい誰が言い出したのか―――――、

「ガイノス帝国に対処もやらせればいいじゃないか」

 そんな無責任な言葉と共にガイノス帝国交渉が本格化することになり、ガイノス帝国は既に『ミュータント』や『ノアズアーク』の情報までを完全に網羅しており、実は日本政府側は既に一歩遅れている状況であった。

 ノアズアークは既に日本国内に乗り込んでいる状況で、こちらも同じく各国政府の動きを完全に読んでおり、その上で動きが完全に読めないガイノス帝国への警戒心が非常に高い状況でもあった。

 そんな中ガイノス帝国が用心を寄越すという情報を手に入れた彼等だったが、実際の所何かが出来たわけじゃない。

 その理由はほぼ同時期に東京湾に巨大な建造物が出現したという話を聞いたのが原因だった。

 巨大なビルとその上にそびえ立つ逆さの街は異世界の建築物と言うイメージを瞬時に与えた。

 ほぼ同時期にサハラ砂漠に巨大な魚を目撃したという話までが浮かび上がる始末、『ノアズアーク』や各国政府人はこれがガイノス帝国が言うところの『竜達』であると判断し、とりあえず静観を決めつけることになった。

 事態は決して楽観視できない様な状況の中ノアズアークは『呪詛の鐘』の存在を知ってしまう。

 自衛隊や警察関係者の一部がそのアイテムの重要性を全く理解できず、そのアイテムの危険性を教えてもらえていなかったことが仇となり、ノアズアークに素早く情報が共有されてしまった。

 ノアズアークはその情報の有無と信憑性を調べた結果、『呪詛の鐘』の出現が『ミュータント』誕生の秘密だという情報を手に入れてしまう。

 呪術にノアズアークまでもが触れてしまう契機を与えてしまう結果に終ったとは思っていない日本政府、ノアズアークはゲート周辺の護衛部隊を襲撃する計画を立てる中、問題が内部に起こってしまう。

 ノアズアークの中に裏切り者が発生してしまった。

 裏切り者『歌姫』を追う事と『呪詛の鐘』を探し出すことを当面の目標とする事で合意した頃、ソラ達も別の方向から『歌姫』に接触するチャンスを知らず知らずの間にやってこようとしていた。


 イザークは苛立ちを目の前にいる捕まえた自衛隊のメンバーに対し向け、掌に真っ赤な炎を生みだしてそのまま自衛隊の顔面を鷲掴みにしてそのまま焼き殺そうとする。

「役に立たない上に『イリーナ』の目撃すらしていないとはな」

 体が燃え上がる自衛隊に特に興味は無く、もがき苦しむ自衛隊をその辺に放置して苛立ちを地面へと常に向ける。

 真っ赤な髪と鋭い目つきと白人特有の真っ白な肌が特徴的なイザーク、その後ろに黄色と黒のまだら模様の黒人特有の黒い目の肌とたれ目なのにどこかダウナーなイメージを与える女性が立っていた。

「アラウ!見つかったのか?」

 アラウと呼ばれたダウナーな黒人女性はダウナーにイメージ取りの声ではっきりと答えた。

「ええ。でも、すぐに逃げられて、あの能力は私との相性が悪く」

「っち!あの『歌姫』め。仕方ないここは俺が出るしかないか」

「それもいいけど、『呪詛の鐘』はどうするの?」

 イザークはアラウの落ち着いた声を前に言ったん思考を冷静に持っていき、顎下に手を当てながら周囲をウロウロと動き回る。

 下に転がる自衛隊員の焼死体を鬱陶しそうに蹴っ飛ばしながら狭い室内を動き回る。

 少しずつ室内に埃が立っていくとアラウがコンクリートの壁に背を当てながら口を手で覆う。

「誘い込めないか?出来れば自衛隊員と『歌姫』を同時に捕まえることが出来る状況に」

「ゲートの所まで追い込めばいいんじゃないかしら?」

 イザークは口元を上へと持ち上げながら近くに転がる焼死体を思いっ切り蹴り上げる。

「いいな!最高に燃えるじゃねぇかよ!!俺の魂を滾らせてくれるような戦いを望めるんだろうな!?」

「さあ?歌姫に期待すればいいじゃない。イザーク君が参加するなら私も参加するけど、歌姫との相性が悪い私には周囲の邪魔ものを排除しかできないから」

 イザークは室内を出ていくと別の部屋で尋問していた別の自衛隊員を一か所に集める。

 見下すような視線を送り、武器や防具を奪われた自衛隊員は怯える事しかできず、抵抗しようとしても両腕を後ろで拘束されている為それも不可能。

 出来ることはやって来た男を睨みつける事しかできそうにない。

 自衛隊員たちは全部で五人、コンクリートの部屋の中心に集まっており全員が下着姿で寒々しい恰好で集まっている。

 武器を隠している可能性が高いという事で下着以外は全部奪われている。

「もうじきここもバレる頃合いだろうし、見つかるまでの間お前達でストレス発散させてくれよ。簡単に死なないでくれよな。簡単に死なれたら困るし………おまえ達が拷問されているって分かったらさすがの自衛隊でも真剣になって俺達を追いかけてくるだろうしな」

 イザークは二メートルと三十センチを超える巨漢の大男に一人の四肢を拘束しているようにと命じ、巨漢の大男は無言で適当な一人を選び取って地面に張り付ける為に鉄の杭を四肢の先にコンクリートを貫通するほどの力で拘束する。

 他の自衛隊員達は顔面蒼白な表情を作り出し、イザークは指先に炎を作り出し自衛隊員の背中を焼き後で模様を作っていく。

 部屋を突き抜けて周囲に悲鳴が響くほどの声にアライは耳を塞ぎながら鬱陶しそうな表情をし、一部の自衛隊員はそんな光景に目を背ける。

 拷問を受けている自衛隊員は「助けてくれ!!」という痛烈な悲鳴を絞り出し、イザークは炎を棒状に伸ばし錬成しながらそれを自衛隊員の体を貫通させていく。

 絞り出されていく悲鳴と声にならない痛みの前にショック死寸前まで追い詰められていく。

 焼かれている所為で出血が少ないのが更に状態を悪化させている。

 自衛隊員は苦しみに耐えきれず舌を噛み切りそのまま死のうとするが、大男は自衛隊んの口を強引に開け下を抜き取りながら強引に酸素ボンベのホースを口の奥に突っ込む。

 死ぬことも許されず、死ぬまで拷問を受けるだけの時間がどれだけ続くのかと拷問を受ける自衛隊員は「早く死にたい」と思うようになっていた。

 拷問を受ける自衛隊員は目の前で自殺防止の為に猿轡をさせられながら表情を絶望で包まれている。

 救出されるのが先か、殺されるのが先か、まるで今の状況をゲームのように楽しむ彼らの存在が彼等には『悪魔』のように見えていた。

 救出部隊が到達したのはこの拷問が始まってから二時間が経過した頃だった。


今回のまとめは次で語ります。ですので二時間後に!

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