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竜達の旅団≪ドラゴンズ・ブリゲード≫ 【呪詛の鐘の章】  作者: 中一明
ジャパン・クライシス
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辿り着いた未来 12

辿り着いた未来もいよいよ十二話目。最終日で最後です。お付き合いください!

 翌日。七夏祭五日目。

 いつもの朝を潜り抜け、出店までの道のりを向かうことも無く、今日一日は暇な時間を過ごす羽目になったのは奈美が急に手伝うなんて言い出したのが原因だったりする。

 その上イリーナと一緒にやりたいと言い出し、そこに万理とメイちゃん達が参加すると俺には既に参加する余地なんて存在しなかった。

 という事もあり今日一日はやることも無く、ジュリもレクター達すら出店ややることがあるという事もあり、本当に一人なのである。

 士官学校の方の出し物を手伝うというのも一つの手段、しかしそれは俺の何かが嫌だと告げているので却下。

 いつもは行く機会の無い西区の方にでも向かうかというぐらいの簡単な気持ち、それに最近再開発を受けたという西区に行ってみたいという思いでトラムに乗り込む。

 ゴンも父さんについて行っており、母さんもどこかへと出かけてしまい、一人で寂しく開いた席に座って流れる景色を見ながら西区へと向かう。

 ドンドン多少の汚さが残る街並みが現れると、一旦トラムを降りて別のトラムに乗り換えて西区の中心目指してドンドン進んで行く。

 確かにお世辞にも綺麗な場所とは言い難い街並み、西区中央駅の回りすらも少々汚さの方が目立つ。

 西区中央駅前広場に降りて最も人の集まっている出店が展開している場所を散策する為に人混みをかき分けていく。

 不良じみた人間がたくさんいるイメージの西区だが、意外と真面目そうな人間が多い。

「まあ、それこそ西区が不良のたまり場なんて勝手な推測なのかもしれないけど」

 しかし、いたるところに軍の監視がある事を想えば、軍が異常にここに人員を割いているのは事実。

 おいしそうな食べ物をつまみながら広場を見て回っていると、俺のフードがゴソゴソと動いているのを感じてため息を吐き出す。

「いつからいたんだ?」

 俺はフードからエアロードを取り出して語り掛ける。

 どうやらついてきていたらしく、おいしそうな臭いに反応して我慢できなかったのだろう。

「最初っからだが?あんな場所で缶詰のような扱いを受けるぐらいならお前についてきた方が得そうでな」

「お前がここに居てシャドウバイヤがここにいいないわけないよな?」

「いや、あいつはお前の母親について行ったぞ」

 なるほど。道理で見当たらないわけである。

 まあ、今日一日ぐらい隙にすぎしてもいだろうしなんて思いながら俺は手元に持っている大学芋に似た食べ物を一口エアロードに与える。

 エアロードは俺の肩に捕まりながら差し出される大学芋を口に入れる。

「西区って治安の悪いイメージだったんだけどな。旧市街地ってスラム街ってイメージだし」

「それこそ勝手なイメージでもあるだろう。実際、小汚さは感じるがそこまで悪そうではなさそうだぞ」

「いや、路地裏へ行けば悪いと思うけどな。多分落書きとか多くあると思うぞ」

 だから行かないというのもあるんだけど。

 近くの出店でジュースを二人分注文し広場から出ていって、新市街地の方へと歩き出す。

「カジノというのがあるのだろう?行ってみたいぞ」

「未成年立入禁止だよ。俺入れないし興味もないから」

 博打関係はあまり興味が無いんだよな。やりたいという気持ちもわいてこないし、実際大学生がカジノに行こうとする場面に立ち会ったことがあるが、興味もわかなかった。

 レクターああいった性格なのでどうも興味はあるらしく、大学生について行こうとしたことすらある。

 しかし、興味が無かろうが西区の見どころ何て繁華街ぐらいしかないのも事実、結局歩いて移動していると繁華街の1つ、カジノや遊び場が集まった場所まで来ていた。

 大きなカジノの看板が正面に一つ、それ以外にも演劇場やゲーセンみたいな場所もある。

「ほほう。ここが繁華街という場所か?」

 俺が入れる場所なんて演劇場とかゲーセンぐらいなのだが、ゲーセンに興味はゼロ。なので自然と演劇場に入っていく。

 受付でエアロードが弾かれるかとも思ったが、意外と寛容なのかすんなり入ることが出来たのだが、同じように入っていた母さんと意外な再会を果たした。


「母さん?どうしてここに?」

 俺の質問に母さんは父さんと腕組みをしながら振り返る。

 というか父さんの姿が見えなかったんだけど、いたんだな父さん。今日は仕事だって踏んだんだけど。

 しかし、ならゴンはどこにいるんだろうか?

「ソラはどうしてここに?」

「いや、暇だから見にでも来ようかなって。それにそれはこっちのセリフだよ」

「母さんと父さんと偶然そこで出会ったからここで見ていこうって誘ったの」

 という事は完全に偶然という事になる。

 俺達はそろって劇場内の二階にある個室フロアへと移動し、指定された席に座る。

「ここって有名なの?俺知らないんだけど」

 興味ないから全く知らないのだ。

「母さんは昨日知ったんだけど、ここの演劇は有名らしくてここの演劇見たさに帝都に来る人が多いんだって。皇帝陛下御用達で、今日は天皇陛下と一緒に見に来ているらしいよ」

 ならどこかで護衛が入っていると思ったが、丁度対面に位置する席には皇帝陛下と天皇陛下が座って演劇を見ようとしているのが見て取れる。

 なら父さんがここで見ていることも決して仕事をさぼっているわけじゃないわけだ。

 さぼっているなら後でチクろうと思ったけど。

 俺は先ほど母さんが購入したパンフレットに目を通し、演劇内容を見ているとこちらはミュージカル演劇らしく、内容は帝国民なら親しいのあるソーリン家の一日だった。

「ソーリン家の一日とはなんだ?」

 エアロードが俺の耳打ちで話しかけてくるのだが、一瞬心臓が高鳴るぐらい驚く。

「帝国が古くから続く演劇項目の1つで、ミュージックから普通の演劇まで様々な項目を持っているんだ。基本は存在しないソーリン家が過ごす愉快な一日を描いていて、これはモチーフがあると聞いたことがあるけど……」

 詳しくは知らない。

 見るのは俺も初めてだし、本も見たこと無いから本当に噂程度である。

「ソーリン家のモチーフになったのは今は落ちぶれたノーム家の事を指す。昔まだ貴族制度があったころの演劇だ。どちらかと言えば喜劇だなこれは。コメディタッチで描かれていて、メジャーなほうだなこれは」

 という事はおそらく初めて見に来る天皇陛下に対しての配慮をしての事なのだろう。

 ガーランドの演劇もこれをモチーフにしてほしいものである。

「ガーランドがこの演劇が嫌いでな。昔デートで身にきて憤慨していたのを覚えている」

「なんで?面白いんでしょ?そう聞いたことがあるよ」

 士官学校の生徒でも見たことがあるといっていた生徒を何人か知っている。

 金持ち生徒は大体見ているらしいし、貧乏な生徒も話ぐらいなら聞いたことがあるぐらい面白いらしい。

 そんな話のどこに憤慨する所があるんだろう?

「この話の元になったのがノーム家だったと話したら「何故ガーランド家をモチーフにしない?」と尋ねるから私が「ガーランド家は面白くないからじゃないか?」と言ったから」

「それはきっと演劇に怒ったんじゃなくて、父さんの言い方に怒ったんじゃないか?」

 絶対に演劇に対する憤慨ではない。

 父さんの余計な一言に怒ったのだろう。

 まあ、これに関してはどう考えても父さんが悪い。

 ノーム家は昔貴族のリーダーであったと二か月以上前に聞いたのだったか、俺がテラと戦ったあの時に。

 そういえばこの西区にテラは今でも住んでいるという話だったか?

 あの事件以降学校に来ておらず、家に引きこもっていると聞いている。

 まあだからなんだという話だが、俺は少しでいいからノーム家の事を知りたいという気持ちも存在する。

 今から始まる演劇に正直気持ちの高ぶりを感じていた。


どうでしたか?今回は前半はソラの堆虎達への想いが描いています。後半は再びギャグタッチ風に描いています。そろそろ次回作の構想を練っている最中なのですが、終わらないので中々執筆が進みません。まあ、それももう少しで終わりです。最後は空とジュリに閉めてもらおうと思っています。では次回!

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