スマホと時計とまた商談
(とりあえずお金の事も分かったしまぁいいだろう…今何時だ?あ…スマホ使えないんだった…時計でも作るか…)
《時計作成成功。アイテムボックスへ収納。》
「あ…でかいの作っちゃった…」
(作るなら腕時計だよな…ミスった…)
《腕時計作成成功。アイテムボックスへ収納。》
「これでいいか、大っきい方は女将さんにでもあげよう」
女将さんに時計を渡すために一階へ降りていく。
「時計ってなんだい?」
「…え?」
想定外の返しに戸惑いながら答える。
「今がどの時かわかる道具のことだよ…これ」
女将さんはしばらく見た後に驚いた顔をしていた。
「何処で手に入れたんだい?そんな便利なもの」
(便利?この世界には無いのかな…)
「普段は教会の鐘の音で動くんだけど目に見える方が使いやすそうだねぇ…」
少し悩んでような顔で話し始めた。
「ただ、便利なのはいいんだけど教会がこれを知ったらどうなるかがわからなくてちょっと怖いんだよ…」
「教会って…なんで教会が怖いの?」
「時間は教会の鐘が主な判断基準だから何かイチャモンを付けてくるんじゃないか心配でね…」
(え…教会悪者パターンの世界⁈)
「まぁこんなボロ宿にまでこないだろうから気にしなくていいかね!」
(色んな意味でポジティブだな)
「ありがたく貰っとくよ!あと見方だけ教えておくれよ」
(あ!そっか、存在しないんだから見方がわからないのは当たり前か)
「忘れてた、こう見るんだ」
弘樹は見方を軽く教えた。
「なるほど、こう使うのかい…教会の連中も最初見ただけじゃわからないだろうし心配要らなかったね」
(そんな事より女将さん覚えるの早すぎないかな⁈てかこの世界の時間と合ってるか見るの忘れてた…うん、説明に時間が合ってるってことが書いてあるね!相変わらず甘いな…)
「あ、そうだ、あと二回教会の鐘…いや、この時計で6時だっけかい?になったら夕飯の時間だから食堂においで」
「わかった、ありがとう」
(時計を渡すだけの筈がまさかこんなに情報を得られるとは…)
時計を渡した後に弘樹は部屋に戻り出かける準備をし始めた。
「全部アイテムボックスの中だし戻る必要なかったな…」
部屋に帰りあることを思い出した。
「ん?時計作ったよな…バイクも作れるんだから…スマホ作ればよかったんじゃね…?」
即座にスマホを作成し始めた。
「え⁈MP消費500⁈たっか‼︎この世界にないからか?いや、それなら時計もバイクも高い筈…相変わらずわからないな…まぁ作るけど…」
スマホ作成を終えた後にもう一台作成する。
「うーん?2回目だとMP消費が下がるのか…」
消費MPが250に下がっていた。
「電話できるのかな…電話番号ついてるぅ…魔法が使える世界だし色々と無視して繋がってもおかしくないよな…うん…」
弘樹はあらゆる不思議なことは魔法のせいだ…と自分に言い聞かせていた。
「表記が全部よくわからない記号だ…Ωだの∑だの…全く数学とは関係ない表記だよなこれ…ボタンまで代わって…変わってやがる…」
とりあえず繋いでみた。
「おぉ…繋がった!…でも通話する相手いねぇわ…」
弘樹は少し落ち込んだ様子だった。
「てか暇だし教会について調べるか…なんかラノベって教会について調べたりすれば進展があったよな」
…適当過ぎる…弘樹は友人に読まされたラノベを過信している。
「よしっ!行くか!」
特に行く場所もなく外へ出た。
「うーん…女将さんに聞けばよかったな…」
「おぉ、弘樹!」
弘樹は再びカナールと再開した。
「カナールさん、商談は終わったんですか?」
「あぁ、バッチリさ!」
弘樹は二台作成したスマホのことを思い出した。
「あの、良かったらこれ片方持ってていただけませんか?これで連絡が取れるんですよ」
「ん?上級魔道具なのはわかるが…連絡?」
「えぇ、こう使うんです」
弘樹はもう一つのスマホの方から電話をかける」
「振動してる?遠隔操作型の魔道具か⁈この揺れで合図を送る…とかか⁈凄いぞこれは!」
「いえ、それで話すんですよ。この緑のを押してと…ほら繋がった」
カナールは自分の想像の斜め上を行かれて絶句していた。
(この人俺と会うたびに絶句するな…)
正気に戻ったカナールは商談たくましく、すぐさま商談へと持ち込んだ。
最後が雑で何が悪い!!(開き直り)