どちら様?
「近づいてきてるな…」
近づいてくる人影に警戒しながらも少しほっとしていた。右手に銃を持ち、近づいてくるのを待つ。
「やぁやぁ!随分珍妙なものが置いてあるね!君は旅人さんかな?」
3人組だ。鎧をつけた大柄な男性とローブに身を包んでいる人、小柄な女性、その中の小柄な女性が軽い口調で話しかけてきた。
警戒しながらも笑顔を作る。
(信用できる相手とは限らないし旅人で通した方がいいな…)
「えぇ、旅人のヒロキと申します。そちらはどういった方達でしょうか?」
「あぁ!ごめんね!先にこっちから自己紹介するべきだったね!私はエマ!盗賊のエマ!」
(シーフ…役職か…)
後ろにいる大柄な男性が口を開いた。
「こんな時間に失礼した、俺はリオネル、盾だ。そこのローブの男はエドワールだ」
「よろしくヒロキ、改めて俺はエドワール。魔術師をやっている狩人の称号があるから魔力切れでも多少は戦えるぞ」
(ローブの男…男だったのか、ローブで分からなかった…MPは切れても死ぬわけじゃないみたいだな。)
「えっと、エマさんにリオネルさん、エドワールさんですね。よろしくお願いします」
「ここにはダンジョンのレア素材目当てで来たのか?」
(ん?レア素材?旅人ってコレクターみたいなものなのか?話を合わせておこう…)
「はい、そうです。ですがあまり来たことのない土地で道がよく分からなくて…リオネルさん達もダンジョンに?」
「あぁ、ここは難易度は高いもののレア素材が多く出ているダンジョンでな、力自慢や一攫千金狙いの者が集まる所だ…って知らなきゃ来ないよな」
「そういえば迷ってるって言ったよな…おんなじ場所だし、よかったら一緒に行かないか?」
「賛成賛成!楽しそう!」
「え?いいんですか?」
「俺も歓迎だ、旅人は俺ら冒険者よりも知識が豊富だと聞く、良ければ話してほしい」
「ありがとうございます!
(優しい人たちでよかった…でも完全に信用するのはまだ早いな)
「エドワールそろそろフードを取れ、ずっと付けてるのは失礼だろう」
「わすれていた、悪かったね。」
そう言いながらフードを取った。フードの下から出てきた整った顔立ち、いや、それより尖った耳。まさかこれは定番のあの種族なのでは?
「言い忘れていたね、俺はエルフだ」
(エルフ…亜人種か?ますますゲームの世界だな)
「失礼、ここではそんなに珍しい訳でもないし失念していた」
(憶測だがもし別の亜人種族がいるとしたら、ダンジョン周辺には様々な種族が集まっているのだろう…驚かないようにしなければ…)
「いえいえ、お気になさらず!そろそろ夜も遅いですし私は寝ますね…」
「そうだな…俺らも野営場所に戻らないと」
「野営場所離れてて大丈夫だったんですか?獣とかに荒らされたりとかは…」
「なに言ってるの?魔獣除けの魔道具は必須アイテムでしょ!ヒロキって変なこと聞くんだね!」
エマは純水そうな瞳を向け、ヒロキの心を削っていく。
(変なことを聞いてしまったのか?そもそも魔道具てなんだよ…ん?魔獣…?この世界魔獣がいるのか…)
「すみません、眠くて頭が回っていないみたいです…一緒に行ってもらう身で申し訳ないのですがまた明日よろしくお願いします」
「そっか…もう夜遅いもんね!じゃあまた明日!楽しみにしてるよ!」
エマ、エドワール、リオネルの後ろ姿を見ながら、手元にあった銃をしまい次の日に備える準備をしていた。ふと魔獣という単語を思い出し、魔道具が作れるかを実験することにした。
魔道具の作成はどのような結果を生むのだろうか?
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後書きに書けばいい内容をここで失礼いたします。
私の作品を読んでいただきありがとうございます。
つきましては、この作品とは無関係の変更不能検索ワードにコロッサルハンターというものが付いておりますことをお詫び申し上げます。