おっさんのスタイリッシュマイルール
1000文字以下って難しい……(°∇°;)
朝一でビンゴゲームで使う数字の書かれた玉が入ったカゴを回し、今日も私はルールを確認した。一日に3つ、自分でルールを決め必ず守る。それが俺の日常であり俺の生き様だ。
「35、35……」
『35 犬のウンコが落ちていたら必ず拾う』
「42……」
『42 ズボンのチャックは開けっぱなし』
「最後は67」
『67 出勤前に酒を飲む』
私は今日のルールを確認し会社へと向かった。
朝は清々しくて好きだ。股間の涼しさもなお良し。出掛けに開けた缶ビールは既に空だ。
朝の満員電車に乗ると、子供が飛行機の玩具を持っていた。
私も昔は消防車になりたかったなぁ……なんて感情に耽っていると――
「ママ、靴ヒモが! 飛行機持ってて!」
「ダメ、ママは忙しいの」
忙しき現代のママは両手一杯に荷物を持ち、背中にもリュックを抱えていた。子どもはちょっと困った様子を見せ、キョロキョロとした後に私の股間へと目をやった。子どもの目線的にチャックが開いているのが直ぐ分かったのだろう。そして私の顔を見た。
(ニコッ)
私のスマイルに子どもは安心したのか、持っていた飛行機の玩具の尾翼を私のチャックの中へとグイグイと押し込んだ!
私の股間から聳えるジャンボジェット機。これには機長も思わず苦笑いだろう。
「着いたわよ。さ、何してるの!? 行くわよ!」
「あ、待って!」
子どもはママに手を引かれ、電車から降ろされてしまう。
残された私の股間にはジャンボジェット機が取り残された。流石にチャックだけなら目立たなかったが、ジャンボジェット機が生えているとなるとかなり目立つ。
しかし、飛行機を取るわけにはいかない。何故ならチャックを上げなければ不審者に思われてしまう! それは避けねばなくては!
私は鞄で股間を隠すようにして、会社へと急いだ。
オフィスへと着くと、私は鞄をデスクへと置いた。
「おはよう山口君」
課長が私に向かって挨拶をする。私は慌てて鞄で股間を隠す。
「ん? 君、何だか酒臭いぞ?」
「ルールですので……」
「昨日頼んだ書類は出来ているのかね?」
「鞄の中にございます」
「早く出したまえ」
「それが……のっぴきならぬ事情が御座いまして……」
「何だね?」
「股間に飛行機が不時着した上に鞄に犬のウンコが入っております」
読んで頂きましてありがとうございました!