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ローレライ炎上

大変長らくお待たせしました。新人賞の応募が終わったので執筆再開しようと思います。


文章力ェ……

 まさか、ここでこんなに足を引っ張られるとは思わなかったぞ。計画は大きく変更しなければいけなくなった。

 まずギュンターは殺す。当然だ。生かしておくと禍根が残る。それに、部下をたぶらかしてくれたんだ。許すわけにもいくまい。それからドロレスにも死んでほしい。具体的には、混乱の中で蜂起した市民によって死んでもらう。流石に貴族を直接的に手を下すわけにもいかない。ただ、それが不可能だった場合は少なくとも傷を負ってもらう。そうして痛み止めの麻薬で廃人に追い込む。あまり好きな手ではないけれど。

 それから、ローレライは燃やす。もうこの街に利用価値はなくなった。むしろ現在は足枷でしかない。第二王子派に流れるくらいなら別に問題はなかったが、反乱を起こしそうな勢力になるのなら容赦はできない。


 さて、それでは始めるか。まずは、ギュンターの手勢を動かして、ドロレス側へと攻撃を仕掛ける。その上でギュンターを殺害。対立を煽る。あいつだけは必ずここで殺す。

 変装は、こんな感じでいいかな。ギュンターの勢力の中でも結構上位に位置する人物に化けた。その上で指令を飛ばす。


「お前ら、攻撃命令が出たぞ! どうやら奴ら俺たちに戦争を吹っ掛けたらしい! 既に別の場所で犠牲者が出てる! 横っ腹から女狐を食い破ってやれ!」


 大義名分さえあれば。向こうから攻撃してきたという大義名分さえあれば、攻撃するのに躊躇は必要ない。たとえその情報が嘘だったとしても。そうして、こぼれたミルクは元に戻らない。攻撃が始まってしまえば、もう関係ないのだ。敵味方入り乱れての戦いになる。

 これでこっちはよしと。はあ、問題は、恐らくヴァイネスに俺の居場所がバレることなんだよな。まあまず間違いなくリリアーナ王女にはバレるとしても、このタイミングでヴァイネスにバレるのはまずい。後他にもいろいろ俺を警戒している奴もいるはずだ。ローレライは大きい街だったしそっくりニルスの手に渡したかったのだが。

 まあ、過去を恨んでも仕方ない。けじめはつけさせてもらう。


 冒険者ギルドに火を放つ。ローレライでは徹底的に火を放つと決めた。それから、ルーベンバッハ侯爵家の傘下にある商会にも。

 あちこちから怒号、さらに新たな火の手も上がる。民衆の動きというのはそう簡単には止まらない。ああ、そうだ。一応リアも回収させてもらおう。余計なことをされると厄介だ。


「な、なんですあなたは!」

「邪魔だ」


 先ほども来た商会に押し入る。今度は正面から。警備員が来る前にさっさと突破、リアの下へ向かう。

 いた。忍び寄って首元にナイフを突きつける。そうしてフードを少しだけめくった。化粧はさっき落とした。


「え、ジャック……様? どうして、ここに……」

「そうだ、俺だ。キーワードは『ニーナダインの誓い』」


 これは何人かの部下に伝えてある、俺を示す言葉だ。ニーナダインは俺が初めて訪れた都市だ。


「本物……、なのですね。しかし、どうしてここに」

「その話はあとだ。ついてこい」

「しかし、避難誘導をと。それに、今は内紛の真っただ中です」

「後にしろ。これからギュンターを殺す。ついてこい」

「わ、わかりました」


 どっちにしろローレライはもう終わらせるのだ。リア一人いなくなっても回るはずだ。

 それから、ギュンターは腐っても有名冒険者だ。正しくは元だが。俺が後れを取るとも思えないが、戦力は多い方がいい。リアにはいろいろ仕込んであるしな。いろいろと繋がっていたようだが、リアの俺に対する忠誠心だけは本物だろう。俺がキーワードを知っていたとなれば、ギュンターを裏切ることに躊躇はないはずだ。


 その後のことまでは言わないけどな。


 窓の外から屋根の上へ。道はもう使えないと思っていいだろう。正面戦闘で後れを取るとは思わないが、数は力だ。暴徒の中には加わりたくない。逃げるのなら別だが。


「杖は持ってるか?」

「あ、はい。いつもの短杖を持ってます」

「なら簡単だ。俺を援護しろ」

「分かりました」


 屋根の上を走りながらリアに伝える。屋根の上にも人間がいないわけじゃないが、無視して蹴散らす。


 いろいろと問題を起こしたリアだが、俺は忠誠心だけは疑っていなかった。こいつの盲目的とまで呼べる忠誠心は、そう簡単に上書きされるものではない。有能さは少し微妙なところがあるのでスフィアほど優遇しているわけではなかったが、忠誠心だけで行けば俺の部下のナンバーワンを争うだろう。

 だから、戦闘では役に立つ。当り前だ、背中から刺されるかもしれない奴を連れて行けるわけがない。背中を安心して預けられる。それに、リアとて一応幹部クラスの実力の持ち主だ。戦闘能力が低いわけでもない。


「貴様!? いったいどこから!?」

「答えろ。ギュンターはどこだ?」


 冒険者ギルドの窓を割って侵入する。そして、近くにいた側近にナイフを突き付けて脅した。


「貴様のような賊に……」

「ならいい」


 スッとナイフを滑らせた。時間が惜しい。別の人間に尋ねよう。そうして、ナイフを突きつけながら、脅して回る。そのうちに知っている人間にたどり着いた。どうやら、ギュンターは自らが子飼いにしている麻薬組織の本拠地に向かったらしい。


 すぐに、リアを引き連れて向かう。リアはローレライに詳しい。先導させる。


 いた。ギュンターを見つけた。後方の建物から指示を出している。比較的安全な場所だ。


「突入する。邪魔者は殺せ」

「はい」


 窓を割って侵入する。


「貴様!? まさかジャックがこの街にいたのか!?」

「ご名答。そして死ね」


 そして、戦闘が始まった。俺がギュンターとその側近。リアが残り二人を担当だ。

 恐らく、自分の思い通りにいかないことが多すぎたせいだろう。ギュンターは俺がこの街で糸を引いていると気づいたようだ。だが、もう遅い。死んでもらわなきゃ困る。


 とは言え、ギュンターも元有名冒険者だ。当然、その戦闘能力が低いわけでもない。故に、弱い方から倒す。あるいは、敵を盾にする。短剣や弓、そして少しの闇魔法が使える俺の方が手数が多い。




 そして、戦闘が終わっていたとき、その場に立っていたのは俺とリアだった。

 恐らく勝因は、ギュンター以外の三人が比較的弱かったことだろう。ギュンターの眼窩、頸動脈、心臓にナイフを一度ずつ付きこんで、死んでいるのを確認する。


「あ、あの、ジャック様……?」

「さっさと脱出する。話はそれからだ」


 リアが不安げに俺を見つめる。指示されたことが終わって落ち着かないのだ。次の仕事があるのかないのか。

 ギュンターと組んで最後まで成し遂げられれば俺を説得できる。そういう算段だったのだろう。だが、途中で俺が来てしまった。

 まあ、その不安がどうなろうと、俺は俺のやるべきことをやらないといけないのだが。


 火を放つ。ローレライにもう価値はない。なら、ギュンターとドロレスの亡霊を無くすべきだろう。ドロレスはまだ死んでないが。

 ローレライを脱出する前に、ドロレスの様子を少し見に行く。ルーベンバッハ侯爵軍の指揮官を弓で射抜いておいた。指揮官を潰せば、軍は瓦解するはず。ギュンターの手勢の方が優勢みたいだし、ドロレスの命運は尽きたも同然だろう。


 城門は既に壊れている。脱出するのはそう難しいことではなかった。遠くからローレライの様子を眺めると、火の粉が宵闇の中に舞っているのが確認できる。人けもない。


「さて、と。ここなら大丈夫そうだ」

「ジャック様……」


 俺は短剣をリアの首筋にあてた。信賞必罰ってな。俺の指示に背いてギュンターと繋がりを持ったのだ。その責は問わなければならない。


「答えてもらうぞ。俺はギュンターと関りを持つなと。どうして、それに背いた?」

「それは、ジャック様を持ち上げてくれると……」


 不安そうだった。自分にどんな処分が下されるのか、不安で仕方ないのだろう。体が震えている。お世辞にもポーカーフェイスが得意とは言えない。

 リアはギュンターの台詞が本当だと思ったのだろう。だから、命令に背いてまで、利益を拡大しようとした。何度も言うが、忠誠心だけは疑ったことがない。だが、忠誠心が高いイコール害悪にならないわけではない。


「あいつは俺達を一度裏切った。俺の部下を悪意盛って殺した。そんな人間を二度と信用するものか」

「ですが、私たちに利益があったのも本当です」

「そう見せかけているだけだ。あいつはローレライだけじゃ納得しない。別の街にも手を伸ばしていたはずだ。その証拠だって見つかるだろう」


 だから、俺は糾弾しなければならない。リアに情を持ってもいいが、それによって俺の目的の邪魔を許すわけにはいかないのだ。


「それに言ったはずだ。何度も気をつけろと。その結果がこれだ。ギュンターが力を持つくらいなら、ローレライはいらない。手駒を一つ失った。それを分かっているのか?」

「……はい」


 消え入りそうな声だった。反省はしているのかもしれない。それが何かになるわけではないが。


「さて、処分を決める前に、何か申し開きはあるか?」

「なにも、ないです」


 リアが震える。俺は、少し遠くを見た。


「ジャック様の命令に反して先走りました。それは、事実ですから」

「そうか。それにしても、お前とも長い付き合いになるな、リア」


 一瞬、理解できないと言った顔をする。そして、すぐに安堵の表情が浮かんだ。もう一度チャンスを与えてくれるのかというように。だが、それは間違いだ。


「それだけに、俺も残念だ。こんなところでお前を失うことになるとはな」


 たぶん、リアはその言葉の意味を理解しなかっただろう。その前に、俺が短剣を走らせたから。


 血しぶきが舞う。


「許せ、リア。失敗を許すわけにはいかないんだ」


 俺は、部下には篤い。そう思われている。実際、部下に悪意を持って接する輩を許す気はないし、無茶な命令もできるだけしないようにしている。が、だからこそ、命令に反して行動した部下には厳罰をもって対処しなければいけない。そうでないと舐められるからな。




 はあ、ローレライで時間を使ってしまった。早くミャスライへ向かわなければ。

主人公外道! 必要なのはわかるが!

サイコパスのタグつけとけばよかったかなあ……

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