表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い魔女の通過儀礼  作者: 籠り虚院蝉
Ⅱ 過ぎ去りし痕と遺された今
36/77

幕間d

「『民兵北上か スタブロシュ拠点に物資補給』……南の方角だな」


 主人不在の屋敷に届けられた隔週新聞の大見出しを見ると、どうやら南東の沿岸都市で民兵が補給のため立ち寄っているらしい。CXXⅡ(シークシー)という民兵、彼らの目的は不明、数十人で目下北上中、周辺都市や町村の住民は注意をするよう記事で呼びかけている。


 ここにもやって来ることは間違いない。森の中でも一際目立つこの屋敷は彼らもまた発見してしばしの(ねぐら)とするだろう。その時は多勢に無勢、切り抜けられる自信は無い。


 しばらくは地形の複雑な場所に身を潜めているのが賢明だ。近場だとおそらくアンルーヴ。


 あそこは周囲が崖で囲まれ、橋はせいぜい貿易するキャラバンの馬車が往来できる程度のもの。かといって絶望的なまでに閉鎖的な町でもなかったはずだ。崖のおかげで守備は強固、孤立することも考えなくていいだろう。なにより目的地でもある。


 この辺りの地理はよく覚えているし、歩いてひと月もかからない。


「……」


 新聞を元の位置に戻して、僕は食糧庫に向けて踵を返した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ