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第九十七話
「北海道に帰りたいけど、どう言えばいい?」
山口は茜に行った。
「なるほど、北海道へ帰りたいか・・。」
「栄養士つけます?」
山口、茜、マネージャーは監督にそう言った。
「やはり考えていたんだな・・。しかし、北海道へ帰るのはいいが帰った後マウンドに登る気持ちが焦せりはしないか・・。」
「怪我の治り具合は順調です。」
「どうしても行くか?」
茜は言った。
「マウンドはボールを渡す場所だがマウンドにあがる投手の意見の交換が行われてるんだよ。」
「あっ相馬君。また北海道観光のチラシ見てるの?」
「ああ、康太がいつか帰りたいって言ってたから・・千葉ライアンと北海道ホエールズの皆で応援したいなって。」
「やさしいね。」
「真樹ちゃん程じゃないよ。」
「もう。」
真樹は笑った。
「143キロのストレート。」
相馬は中村真樹にそう書いた硬球ボールを渡していた。
「やっぱり、行くんだな。」
「思い出を振り返る、秋の北海道..。」
「秋か・・。」




