第九十二話
真樹が携帯の画面を見ながら言う。
「何?」
中村は言う。
(この狼男め)
「ブーン。」
「お掛けになった電話番号は現在使われていないかもしくは背番号1を目指しているものでございます。」
中村は山口に電話した。
「いい加減初恋以外に手を出すな。」
「ずっと仲間だよねって打ったんです。」
「何?」
「まっまあ。」
「二股なんてできません。」
そう言って山口は電話を切った。
(二股ねえ・・。)
「まったく、あいつは何考えてんだか・・。」
中村は少し笑みを浮かべた・・。
「ああ、またメールでトラブル?」
「相馬くんと仲良くするのに一緒に戦った寂しい仲間と再びお仲間になれるようにこい願ったんです。」
7分後..。
茜と山岸はキスをしている画の前にいた。
「..。」
「キス。」
山口は言った。
「できません。」
「康太、軟膏ぬる時間だぞ。」
「はーい。」
4人は美術館のブースを出た。
「すごい数ね。」
山岸は二人に言った。
「康太、ありがと。」
「ああいいんだよお礼なんか言わなくて。」
「背番号1に仲間はお礼は言わない..。」
「康太..。」
「さっ野球の時間だ。」
「ありがとう。」
そう書いてある文字を二人で見上げる。
「監督、スーツでありがとうって言ったら嫌われれますかね、高校生が..。」
「甲子園出場投手だったらマスコミが来るよ。」
「博物館だからいいか。」




