第八十八話
真樹は明日の相馬への朝のメールを待ちながら静かに微笑んでいた。
音楽と成績表は外せない。
真樹は部屋に帰った。
「甲子園の応援歌を聞きたい?」
真樹の質問に相馬が答えた。
「相馬君、東東京大会準決勝まで本当によく頑張ったよね。」
「康太には勝てないよ。」
「あいつはもう兵庫へ向かっている。この夏が終わってからまだ一ヶ月もしていないんだぜ。」
「相馬くんだって頑張った。東京大会でスカウト三人組全国制覇と銘打ってもらったじゃない。」
「二年後の全日本チームの代表入りの早すぎるマスコミの対応..山口の高校で栄養士兼ラーメンPRの相堂君も含め本当によく頑張った。」
「でもなぜあそこでフオークを投げなかったのか..。」
「サインには本当に北海道を感じた。」
「一年生のフレッシュさを失ってはいけない..先輩キャッチャーからのメッセージだったんだろう・・。それに変化球の調子・・。けがの程度以上に、コースのコントロールだった・・。康太のいとこも演劇に出て有名になったし、出身チーム千葉ライアンの投手小川も二年連続全国制覇を目指し頑張っている。」
「そんなチームの状況と俺の話し方を見て甲子園の応援歌が聞きたいって言ってくれたんだよね。」
「さすが相馬くん。」




