第八十七話
「野球部は準優勝し、わが校の力になってくれました。また、食文化でも話題に取り上げられた夏で、生徒の皆さんにも我々先生にも勉強になる、皆さんの進学就職に繋がっていく教育力を学校の名前に乗る生徒が増えてくれることを校長先生は願っています。いや、ありがとう。」
この言葉に先生方は拍手した。
「まあ、よく怪我をした山口にも先生方は拍手するな。」茜は言った。
「まあ、そういうなよ。プロ野球選手だって一年で年俸が変わるんだからな。」
「記憶に乗るだけの風のようなものさ。その個人の活躍だって・・。」
「康太の怪我が治ってきているから言うが本当なら正直納得がいくかどうか・・。でも、先生だしな・・。」
「まあ怒るなって、茜だって倒れたじゃないか。」
「なるほど。」
女子生徒は山口の振る舞いに一喜一憂していた。
「こんな感じ?」
「そう言えば、いとこのミュージカル見に行った?」
「あー、いやだからそれは取材旅行で..。」
「そうか。」
「山口君、また兵庫に行くんだって。」
中村の妹真樹は言った。
「ああ、そうらしいな。相馬も彼女ができてよく話すようになった。将来が心配だ。」
「いやだ、親父っぽい。」
「誰と行くのかな・・。」
真樹はジュースを探しに冷蔵庫に足を向けた。
「あっ明日の朝、秋刀魚か..。」
野球部員の妹も大変だ。さて私も楽譜を確認してから寝るとするか。




