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第八十五話
「旅行は二泊三日だけど、俺と茜と山岸さんに会えるのは3日目だけだ。」
「夏の間にできなかった、兵庫のテーマパークでのデート。」
「冬だけに思い出を作るのはもったいない。秋も楽しまなくちゃ。」
「康太・・。」
「まあ、140キロの球を放れられるというのもあるけど、中学時代全国制覇をしたのと、茜の実家での修行で頑張って来たのと山岸さんが思う力の意味は全く一緒だと俺は思う。」
「人生、協力が必要だから。」
「康太・・。」
「いつでもどこでも輝いていたいじゃない?」
「皆が笑顔でいることはできないけれど、皆で涙を流すことはできるから。だから・・だから茜も山岸さんももっと仲良くした方がいいと思う。」
「そうだよな。」
「茜。」




