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第七十九話
中村の妹、真樹は言う。
「決勝戦と言うところにみそがある。中学野球ではなかった高校の野球の戦い方がここにある。」
「でも山口くんが登板していないじゃない。」
「山口君がいいな。」
「それは中学の頃の一年間しか真樹は知らないんだ。そう思うのも確かに感じるところはあるが、これからが勝負だ。」
「決勝戦が終わっているのに?それに山口君は最新技術で治ると相馬くんからは聞いているけど。」
「野球好きは違うんだよ。」
「やだ、親父っぽい。私は山口君と連絡が取れないのが悲しいな。」
「いいじゃないか、相馬君と楽しめば。」
「要するに野球は二の次の私には所詮関係のない話しか。」
「真樹..。」
「さっ合唱の練習しよう。」




