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第七十五話
「よかった。」
山岸の父は悲しみながら安堵をしていた。
(登ってくる)
山口は甲子園のオーロラビジョンを見た。
キャッチャーの方を見る山口。
(勝つ)
山口は一球目をキャッチャーに放った。
「坂下高校、決勝進出決定から丸2日、決勝戦の姿に、エースと一年生の投手の姿はありません。ベンチの方も、決勝に行ったからと言って、負傷し、登板できないのは監督としても厳しい坂下高校でありますが。」
アナウンサーは言う。
「もちろん、内野や外野、強いて昔はキャッチャーまで投手で活躍させた時代があります。話題の選手やプロ匹敵の一年生、メジャーの変化球を放る投手を持ちながら、采配するのは非常に難しいと思います。しかし、今の時代、怪我を治す方法はいくつかある、単に勝ちに行くのではなく、気持ちで負けないことが、先陣のプロで活躍した選手の姿でもあります。ショートのキャプテン、事前のお話として、返すものはたくさんある、そう言いました。坂下高校、初の甲子園決勝、誰もわからない決勝戦になりましたね。」
「確かに。」




