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第七十話
「監督。」
5時間後、彼は、父親と監督、そして担任の先生から7分半の面会時間をもらった。医者の先生にしても、全国大会、体調、今後の心理的負担の軽減のため許可が出たのだ。
「茜。」
父親が言う。
「父さん・・。」
「今日はしっかり休もう。」
監督は言った。
「茜君、無理をさせて本当にすまなかった。」
「監督・・。」
茜の父も言う。
監督は頭を下げた。
「山岸さんは・・。」
「今担任と太田と話している。」
「山岸さんの担任も責任を感じている。・・茜君、甲子園はテレビで見るもの・・。今の茜君はわかるよね。」
担任は言った。
「無理はいけないわ。」
「はい。」
担任は茜に言った。
山岸は担任からそう言われた。
「茜君のためにも。」
「はい。・・でも、倒れてしまうなんて。やはり、一年生に・・。」
「山岸さん!」
「太田君。」
「すいません。でも、山岸さん・・。」




