第六話
「茜。」
学校へ向かっていると第二棟から同級生で野球部の山口が声を掛けてきた。
「おう康太、おはよう。」
「今日もいい天気だな。」
山口康太。この人物、去年の硬式中学野球の全国、ラビットズカップで優勝を経験した、北海道から来て2年目の天才高校生ピッチャーである。
「都内はいいな。寮があるから朝もごく快適。」
「140キロのストレート男、ここに学校に登りす。」
「はは。みんなそう言うよ。そうやって。」
山口は微笑む・・。
プロの選手になるためにこの学校に入学した生徒は多い。しかし、それを支える人物はもっと多い・・それを理解している大人の客を相手にしている茜に天才投手山口はごく仲よく接していた。無論、中学時代からの知り合いで、偶然学校が同じになったのだが・・。
「今日も茜のくれたコーヒー豆の袋詰め130回握って来たよ。」
「コーヒー豆の引きだす、指の末梢神経をカフェインによって緩和される。ひじにも優しいトレーニング・・。」
コーヒーのトレーニングなど、自然派の強いところが出るのが高校生・・だった・・。
無論、ラーメンではそうはいかないけれど、やはり、原点はそこだ・・。
「うちの部の二番手投手が良くできるか知っているね。」
山口は言った。
「先輩にたてつくつもりでも、康太をたてるわけでもない、ただマネージメントは数字。ここぞというときの栄養補給がゆくゆくはその個人のベストな成績を残せる。これが部や個人の成長する同時手段・・。」
「さすが。」
山口は言った。




