第五十四話
甲子園は始まった。
二回戦、坂下高等学校。
「いやー、二回戦の先発はプロ野球スカウトの注目するメジャーの新球を取得する川中ですか。」
「川中君の後に右腕を投入すると一気に責め上がれる場合が考えられての登板だと監督は言っていました。」
「彼はスライダーも得意のようです。」
相馬はテレビを見ていた。
「しかし、あれだけあらしあばれした坂下高校の野球打線が山口君が登板してから結果が変わりましたね。」
「それも、今日の山口君の登板時に結果がわかる・・・。」
「そう監督は記者の取材に答えてくれました。」
「意外性を持った、試合になるかもしれない。」
「そのような試合になると言う人もいます・・。」
「こちら、アルプススタンドです。エース山口のお父さんは、息子がこの夏を惜しみながらも計算をまたそろばんを打つように言葉を伝えてくれました。試合を見守るだけ、です。」
取材に行っている若手アナウンサーが答えた。
「第2回戦、試合を始めます。」
「よろしくお願いします。」
サイレンが起こり坂下高校2回戦は始まった。
おそらく、来るであろう最後の白球をとるため、甲子園のずっと上にいる野球の神様に選手は皆帽子をとり祈るのだ。
「最近の2試合目は乱打戦が多いですね。」
「投手の、配球を考えた、先に取りに行く攻め方で勝ち上がったチームで全国で二試合目・・。」
「早く取りに行きたいと思われがちですが1球1球を大事にした守り攻める試合を展開していけるかですね。」
「一回の表、坂下高校、先発、川中君。」
応援歌に負けるなと、背番号3をホームベースを背に配球を読んでいた。




