第四十話
在学中の学校の甲子園出場は地元横浜の実家でも話題になっていた。特に、当時の野球部5年ぶりの勝利という偉業を達成した仲間達は連日、夏休みになって来ていた。店の売り上げもこの3年で倍増し、店のレイアウトも変わっていた。
「でも、この写真は違うな。」
それは3年前の偉業達成し2回戦まで駒を進めた記念の写真だった。
「それでは茜君の一週間の横浜ラーメン店復帰を記念して、ここに集まる仲間達と共に、良い夏休みを過ごしましょう、頑張れ茜。」
「まったくそんなこと言っても何も出ませんよ。」
「ん・・?」
週刊高校ベースボール、その記事を見せられたとき驚いた。表紙は山口、そして4ページには茜が写っていった。
「これ・・。」
「話題のコンビ、茜も野球雑誌に載るとは、ラーメン界でも珍しいね。スポーツのあるところに、ラーメンをとは全く持って若々しい姿だ・・。」
「・・あのときのインタビューの時の写真ですね・・。事前に学校連絡なく、備考で入れるとは・・。」
「まあ、喜んでいる生徒としては合法だな・・。」
「いや、そりゃそうですけどね。」
「横浜の高校野球・・どうなるんだ・・。ああ、東京のイメージ着いちゃったな完全に・・。」
「いいじゃないか、学生と掛け持ったっていう証拠さ、今回は・・。」
「そうですけどねえ・・。」
茜は言った・・。




