第二十三話
「ああ、あのサンタクロース作戦ですか?」
「知っているのか、すごいな。うちの高校が発祥なんだ、サンタクロース作戦。」
「3年前のテレビで、たまたま坂下の生徒の人がつぶやいたんで後で先輩に聞いたら、先頭打者のトナカイ、サンタ、プレゼント、の三段階の打者の3球でプレゼント、ピッチングの内容がある程度見えてくる、投手としても大変な3球です。」
「準々決勝まで行けば、この作戦でよかったと思います。」
「さて準々決勝、アルプススタンドでは多くの声援が両チーム共盛り上げています。」
「どうやら、山口が先発のようです。」
マウンドにあがるとシャッター音がたく。
坂下高校では歓声が響く。
山口は中学時代の同期相馬に電話をしていた。
「相馬。」
「山口、今回はラビットズカップの同期がこの大会を盛り上げてるな。」
「信だって中継ぎ、打者で2、83じゃないか。スカウトも打者としても信を見ているそうじゃないか。」
「しかし、山口と友達の相堂茜君?の美術展の作品、すごかったな。見たよ、坂下の人から写真をもらったんだ。同じ千葉ライアンの先輩だ。」
「じゃあ、甲子園で会おうぜ。」
千葉ライアンで全国制覇を果たした中学生は、全国にも、そしてプロにも、それにメジャーでも通用する野球選手になりそうだ。
電光掲示板に坂下高校のマークがでる。
「がんばるぞー。」
「おー。」
「試合、開始します。」
「康太、康太。」
マウンドに登り康太はキャッチャーに右手を少し挙げた。
「かなり高いとこ望んでますね。」
中継ぎのピッチャー、田中は隣の選手飯田に言った。
「坂下の山口の路線のフォームや投球の仕方もしていますし、問題はありません。」
「しかし、準々決勝で山口を登板するとなると・・。」
「カキン。」
坂下の打線は調子がよかった。
「坂下準々決勝突破、山口3回を無失点。」
「本当に猛打の勝ちになったよ、こりゃ並大抵の動きじゃないわ。・・いや、待てこの動き・・。」




