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第百九十四話
「茜くん..。」
「応援だって仕事だ。」
「はい。」
茜ははっきり答えた。
3日後。
「茜。」
校舎の美術室に山口が入ってくる。
「康太。」
「茜の先輩が、甲子園の絵を描いたから見に来るようにと..。」
「康太、これだ。」
「上空写真から撮った甲子園..。」
「七色の球場が甲子園を表している..。」
「俺の感覚とは360°違うな..。」
「俺だったらセピアにするけど..。」
「140キロのストレートを理解するのに普通の学生では無理..。」
「それを先生は言ったんじゃないか。」
「ああ。そうかもな」
「マスターのところに行きますか。」
茜は言った。
「本当?」
1時間後..。
「いやあ、来てくれてありがとう。ずっと甲子園に差し入れして運んで..。」
「はっはっは。」
「9月は赤字だ。」
「はっはっは。」
「康太、笑うところじゃない..。」
「いや、茜君、山口君・・優勝投手が来てくれたんだからね..。」




