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第193話 二度目の夏を終えて・・
「この坂下の旗に優勝旗を君の力で上げたんだ。」
同じブースには入れない、相内、中川は泣いていた。
この二人はそれを知っていたのだ。
「坂下高校~。」
「相内..。」
「本当は取材に野球部が歌い上げた校歌のことを言いたかったのは俺なんだけどよ、やっぱり今日の主役は復活のエース、山口康太。」
「今夏を支えた、急成長、山口を見ていた海外のスカウトが注目した相内孝。」
「中川先輩..。」
「監督、ありがとうございました。」
そう言うと中川は部屋から出ていった。
涙はいずれ感動になり、心の雨はいずれ変わり、人間関係で新たな、門出を知るのも学生の仕事だ。
・・白球の夏は今、終わった・・・・。




