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第十九話
茜は不備がないよう真面目に返した・・。
「それでコーヒーの他に何を出したいんだい、学生のオリジナルメニューとか?でも、茜君はラーメンか・・。」
「わかっています。ただ、せっかくの夏休み、ラーメンを毎日届けるのもいいですが、この部活や、それを通しての友人、そして何よりも先の見えない試合・・お客さんにもテレビを見ながらもう少し、ブレイクタイムを。」
「それはなかなかの温度のコーヒーだ。そのデータは自由研究にぴったりだな。」
「・・少し、ぬるめってとこですか?」
「はは。」
マスターは笑った。無理もない、ここに来るお客さんは色々な仕事をしている。毎日、机に向かったり、毎日、休憩したり、ただ、自分の探すものを探し続ける人もいる。
夏というものは、きっとそのためにある・・。
「さて問題です、今野球の燃える男が考える、げんを担ぐものとは?」
「豚骨ラーメン?」
「はは、茜、ラーメンの食べ過ぎだよ。」




