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第百七十九話 初戦突破
「チームからルンルンサムサムの外野時代のダンスが話題を呼んで、チームの支えの一部になりました。」
「彼はスイッチヒッターですからね。しかし、150キロを超えた速球に一度も打席に立っていない元チームメートを送り出すとは。」
「勝ちにいっているということですね。」アナウンサーは言う。
「第1球..ここでセーフティーバントだー!」
「サードに拾うが投げられない。」
「上川、何と同郷チームの後輩としてバントで出塁しました。」
「外野手出身の上川くんです。どうすれば、塁に返り同点に持ち越すか。」
「牽制球を2球入れます。」
「上川、盗塁に走りました!」
「キャッチャー、江戸川2塁でボールを投げます。」
「早いー!!ものすごいボールと足。主審は..。」
「右手を挙げたー。アウト、ゲームセット。坂下高校、初戦突破です。」
「初戦突破はならなかったもののよく走りましたね上川くん。」
グランド全体から温かい拍手が沸く。
「頑張ってください。」
「試合終了後の握手で上川、山口、握手の際、何か言葉をかけたようです。」
「ありがとう。」




