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第175話 プレーヤーは、野球でも一人だ。
「学校代表..。」
茜は語り出した。
「その代表として頑張ってほしいんです。」
「よく言った。」
中川が言う。
「山口くん、北海道から電話。」
茜の母親が言う。
「本当ですか?」
山口は言う。
「お母さんは大会二試合目に甲子園に来るそうだ。」
「母さん..。」
「康太..。」
「なんで大会2試合目に..。」
相内が言う。
「俺達皆で総力戦で戦ってきた全国大会。それを康太の注目だけで見に行きたくはなかったんじゃないか。」
「兵庫には開会式に出席し、7日間、宿泊するらしい。」
「監督..。」
「山口もだが、お母様も大変、病を持ちながら、心配しているらしい。」
「だから、茜くんに会いにここに来た。」
「間柄が、たった3年のうちに変わっちまったんだな。俺はそう思うよ。」
「ただ、がむしゃらに全国を目指して、中学では優勝も経験した。」
「故障の一つがその無理なら..。この夏、登板の重みはずっと背負っていた、責を解くにことになる・・。」
「仲間でも?」
「プレーヤーは、野球でも一人だ。」




