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第一六七話 2年生の夏・・再びの夏
「抑えられる理論を、しっかり踏んでいる俺達だ。その意味を理解しているからこそ、去年の夏があったからこそ、僕らはここにいられる。」
「今度は最後まで、俺達の思い出に付き合ってくれ・・。」
「例え、どんなハッピーエンドがあったとしても。」
「上手い、中川。」
「北海道からの応援もある・・。」
山口の顔が赤くなる。
「高校野球だ。これは教育の一部。」落ち着いて言う山口。
「何てったって、3日前まで歌っていた俺達なんだから。」
「上手い、中川。」
温かい空気がベンチに流れる。




