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第百六十三話
「そして先生が見守る中、部活外活動銀賞を目指した戦いが今始まる。」
「小説ぽく言うな相内。」
「すいません。」
「合唱は完璧だ。」
「まとまってます?」相内が尋ねる。
「その内、部活外活動に甲子園枠みたいのができたりして。」
「そうすれば俺達は体育の教諭と音楽の教諭道が待っているな。」
「地方大会三日前に大会なんてロマンチックだわ。」
「おはよう。」
「あっ校長先生..。」
「教頭先生の授業、少し厳しいって聞いたけど。」
「日本の部外部活動の音楽科の専門の先生だから。」
「教頭先生のあのテノールはすごい。」
「中川先輩、質問の答えになってないですよ。」山口が言う。
「すいません、校長先生。」
「いや、頑張ってくれ。」
先生達は皆いい人達だ、プレッシャーのかかる野球部を笑顔で返してくれる・・。
例えどんな結果でも、朝というものは存在し、来るものなのである。それがわからないのが、いや、今、この野球部に言わせることではない。
「坂下ー。」
「1、2、1、2。」




